九拾弍

あの空を見ていたのは

雲の行方が知りたかったから

ただ眺めているだけでも

分かると思っていたんだ

窓の向こうに広がる空が

あまりに眩し過ぎたから

この手に触れたような気がして

胸にしまっておきたかった


自分の中の小さな世界は

あまりに変わっていくけれど

いつか、あの空の色みたいに

染めていこうと思うんだ


透き通る夜の黒に

想いは降り積もる

誰も知らないちっぽけな空も

夜は明けていく

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