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自由に書く部屋

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無理せず飾らず取り繕わない、旅・人間関係・容姿について書くつもりなのですが、もっと自由に書きたいときもある。そんなときの部屋です。
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#短いお話

これまでの経験は無駄ではなかったか

これまでの経験は無駄ではなかったのだ。 どんなことからも学ぶことができるし、どんなことでも未来に生かすことができる。 多くの人は、そうやってわたしを慰めてくれるし、励ましてくれる。 そんなときにふと、こう考える。 これまでの、あの時間は無駄だったと、認める勇気は必要ないのだろうか? 何事からも学ぼうとし、何事をも生かそうとすると、本当は無駄だった時間を大事に大事にしてしまって、それこそが無駄なんじゃないのかと。そんなことを考えてしまうこともあるのです。 とりあえず私

海のそばの部屋

新しい住まいに越してきて5日。すぐに仕事が始まったから、心に余裕がなくて。今日やっとキッチンのコンロに火を着け、いつもの味噌汁を作った。かけている音楽が心地よい。久しぶりに、心と生活を整える。そしてふと、ベランダの向こうに目をやると、ここからは海が見える。 新しい住まいは、海が見える部屋なのだ。「海が見える」たったそれだけで、この地での日々に味方を見つけたような気分だ。 小さな島の出身である私にとって、海は幼い頃から身近な存在だ。10代の頃の複雑で些細で深刻な悩みはいつも

コンビニ店員の彼

シャッセー!カタコトの日本語だけどとにかく元気の良い彼。初めて彼の働く姿を見たとき、あまりの元気の良さに思わず笑みがこぼれてしまったのを覚えている。 職場近くの2軒のコンビニに、彼はいた。それらの店舗には外国からいらしたであろう店員さんがとても多く、まだ習いたての日本語なのか自信なさげに話す人が多かった。一生懸命頑張っていたので、自信なさげなのも微笑ましかったが、そんななかで彼ひとり、違う空気を纏っていた。カタコトなんて気にしない、誰よりも大きな声ととびきりの笑顔で、仕事が

豚キムチ定食

仕事終わり22時半、時間など気にせず一人で豚キムチ定食を頼む。来来亭の定食だから、ラーメン、白ごはん、豚キムチの3つが揃った定食である。ご飯を食べていると嫌なことも忘れて、美味しいし楽しい。夜ご飯作るのが面倒な日は、コンビニで500円使うくらいだったらもういっそのこと外食してしまう。自分にご褒美?与えすぎな頻度である。あーなんか頼んだことに満足してお腹いっぱいになってきちゃったなぁ。さっきまでの空腹はどこへやら。だってさ、ラーメンに白米に豚キムチでしょ?無理、多いやろ。 そ