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今日の読書記録 「夜のピクニック」

夜のピクニック  恩田陸


こういう物語を読むのは初めてだった。

高校生活最大のイベントである「歩行祭」は,夜通し80キロ歩き通す。
これは北高の伝統のイベントである。

80キロ歩くという想像できそうでできない距離。(できないか)
クラスメイトとこんなに長い時間ともにすることってまともにないと思う。
だんだん体力も失われていくなかで,甲田貴子はひそかに自分の中で
賭けをする。

それとか関係なくいつも鋭い目つきで見てくる融(とおる)。

貴子と融はただのクラスメイト・・・ではない。
2人には人に話したくない秘密があった。
そして融はなぜか自分の気持ちに正直になれない。

なぜ今まで話せなかったのか。
もどかしさもあり,読み終わったあとの安堵感もあり,
ほとんど誰もが高校生を通過してきた。
自分がこのイベントに参加したらただ歩くだけなのか。
もしくは何か自分の中で賭けをしながら歩くのか。
何か想像しながら,そして少し懐かしみながら
この本を読み終えることができた。

歩いていくなかで男女の絡みなんかも少しほほえましく
今となっては親目線で物語を読むこともできた。
高校生のときに読んだら何を感じるのか。


なんでも最近思うことがある。
本でも映画でも,見る年代や見る時間,見る感覚によって
感じることが本当に違うな。と何度も感じる。
小さい頃は毎日のように「となりのトトロ」を観ていた。
大人になって観るトトロとはまた違う。
それが楽しめる自分もなんだか好きです。


今年度ももう終わります。
来年度もたくさん読書したい!

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