うんこを必死に磨くバカ
引越しに伴い盛大な断捨離した。4年生活を共にした家財は二束三文で売却できた。安物の家具は大して効用をもたらさないくせに処分の手間は嵩む。安物を買って銭を失った。
私はこの4年間、一度も清掃をしていなかった。
ゴミは捨てていた。
散らばった道具の整頓は幾度となく行った。
それでもちんけな家財道具を古物屋に売却した時の開放感以上の満足はこれまで一度も得た試しがない。
清掃と思い込んだ営みは、ガラクタをガラクタに組み替続ける思考停止であった。模様替えをしたところで家具はチンケだ。チンケさが配列を変えて襲いかかるだけだ。くだらないったらありゃしない。
それでも満足を覚えていた。清掃、清潔、洗練。これら価値概念に対する帰属意識を錯覚できるから、いくら惨めでも一時の陶酔に溺れることができた。
実生活において抽象的理念に縛られることは狂気の沙汰だ。価値なんてそんなものはテキトーに済ませて目先の楽しい大学生活を謳歌した方が確実に健康的だろう。
地元から敗走して一人新居に立つ僕は、惨めさが1ミリたりとて減らない現実を直視できなかった。
正当化に走った。新生活だ!掃除だ!大学デビューだ!イメージチェンジだ!
運動できれば自称進学校なんて行かなかった。いじめられなかったら勉強なんて適当に済ませて遊び呆けていた。受験なんてテキトーに終わらせていた。
寄せ集めガラクタまみれの今現在を必死に正当化する営みこそが、私の「清掃」であった。
うんこをみがいてもうんこにしかならない。
負けて流された現実を、掴み取った未来と言い換えるのはやめよう。
うんこな脳みそでうんこみてえな文章を描くのが馬鹿らしい。描くことが思いつかない。惨めな若人の戯言でした。冗長で、いじめられていたから漢字テストに現実逃避するしかなかったが為の無駄な語彙力をひけらかす醜いオナニーだ。
私は破滅します。敗北すら実感できない。なぜならいまだに人に読まれることを前提に文章を紡いでいる。
やりたいことがない。いや、やりたいことはあるんだけど才覚がない。才覚がないから何をやっても自暴自棄のような物だ。死ぬ。さいなら。
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