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Wrote by Hirotaro Nonaka

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メンバーの野中宏太郎(Hirotaro Nonaka)が執筆したYangonかるたのnoteをまとめています。
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「自由ってこんなものなんだな」という言葉

ミャンマーとバングラディッシュの国境沿いでロヒンギャの方々を撮り続ける写真家、新畑克也氏から、ロヒンギャ問題に関する番組を教えてもらい、視聴した。 前半はロヒンギャ問題について、そして後半は日本の難民の受け入れについてのお話だった。 番組はロヒンギャについて基本的なことを伝えていたため、ミャンマーに二年間住み、クーデターで日本に帰ってきてからもミャンマーに関わる人たちとつながっていた僕にとって、情報自体に目新しいものはなかった。 一方で、お話をされていた写真家の方が撮影し

クーデターから一年半、オランダからミャンマーを思う人々

オランダで1年目が終わった。アパートの契約が切れて引越しを行なっている途中、アジア系の学生に話しかけられた。 以前から僕はミャンマーで暮らしていたことをコミュニティ内で伝えていたので、ミャンマー人の彼から声をかけてくれたのだ。 彼もちょうど引越しの最中で、大きな荷台がついた自転車を半日レンタルして、荷物を移動させているところだった。 彼はチン州の近くカレーミョ(kalay)の村に住んでいたのだと言う。 父はシャン、母はミゾラムという少数民族で、彼も独自の言語を少し話すことが

政変が奪うもの

受験中に起きたクーデター クーデター当日、僕はミャンマーからドイツの大学に出願をする予定でした。ネットが遮断されると聞き、困惑しました。アウンサンスーチーさんが早朝に拘束されたと聞いて、何が起こったのか、最初はよくわかりませんでした。 その日はなんとか出願ができたものの、度重なる通信遮断により授業や試験に支障が出て、米英の先生方の多くが帰国を始め、厳しい時差の中でオンライン授業をすることになりました。一緒にドイツ語を学んでいたミャンマーの友達が「ネットが繋がらず参加でき