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THE LIFE OF PABLO 和訳

1. Ultralight Beam 

[Intro: Samoria Green & Natalie Green]
(Yes, God)
We don't want no devils in the house, God (Yes, Lord)
我が家に悪魔は望まない
We want the lord (Yes, Jesus)
And that's it (Yes, God)
ただ主キリストそれのみを望む
Hallej— hand over Satan (Yes, Jesus)
ハレル(ヤ)-サタンを引き渡せ
Jesus praise the Lord (Yes, God)
主を讃えよ
Hallelujah, God (Yes, God)
We don't want no devils in the house, God (Yes, Lord)
We want the lord (Yes, Jesus)
And that's it (Yes, God)
Hallej— hand over Satan (Yes, Jesus)
Jesus praise the Lord (Yes, God)
(カニエは自分の中に秘められた負のエネルギーを信仰によって取り払おうとしている。"Jesus Walks" や "Made In America"と同じく彼の信仰心は深いものである。このパートは以下の4歳の少女の声をサンプリングしている。)

[Chorus: Kanye West & The-Dream]
I'm tryna keep my faith
信仰を貫こうとしている
We on an ultralight beam
眩しき光線の上で
We on an ultralight beam
This is a God dream
それこそが神の望みであり
This is a God dream
This is everything
それこそが全てである。
This is everything

(ここで、カニエの信仰心を表すインタビューを載せておく
"Religion just means that you do something over and over. I will say that I’m spiritual. I have accepted Jesus as my Savior. And I will say that I fall short every day." 2004 - New York Times 
"I just think God has put me in a really good space. And I think he has a mission for me. There’s gonna be ups and downs. But it’s something that he wants me to deliver to the world." - 2009 Vibe Magazine)


[Verse 1: Kanye West]
Deliver us serenity
静穏をもたらせ
Deliver us peace
平和をもたらせ
Deliver us loving
愛をもたらせ
We know we need it
我らはそれが必要と知っており
You know we need it
貴方(主)もそれが必要と知っているだろう。
You know we need it
That's why we need You now, oh
だから貴方(主)を必要としているのだ
(1920年ごろフランスパリで生まれた聖フランシスコの祈りに似ている。
原文は以下
"Lord, make me an instrument of thy peace.
Where there is hatred, let me sow love;
Where there is injury, pardon;
Where there is doubt, faith;
Where there is despair, hope;
Where there is darkness, light;
Where there is sadness, joy.
O divine Master, grant that I may not so much seek
To be consoled as to console,
To be understood as to understand,
To be loved as to love;
For it is in giving that we receive;
It is in pardoning that we are pardoned;
It is in dying to self that we are born to eternal life.
カニエは数多くのファッションショーをパリで行い
2013年のYeezusはほとんどがパリで作られている。)

Pray for Paris
パリへ祈り
(2015年のテロに対する祈り)

Pray for the parents
両親へ祈る
(このテロでは、多くの若者が犠牲になり、被害者の両親が取り残されることとなった)

This is a God dream
それが神が望むことである。
This is a God dream
This is a God dream

[Chorus: Kanye West & Choir, Kanye West]
We on an ultralight beam
私達は神の御光の元にある。
We on an ultralight beam
This is a God dream
This is a God dream
This is everything
Everything (Thing, thing, thing)
(このラインは、使徒言行録9章3節の聖パウロがダマスコへの道中で改心したことを指す。彼は元々、タルソのサウロとして知られていた。そして、初期のイエス信者を迫害していた。神はサウロに「Beam of Light = 光線」として現れ、3日間、彼の目を見えなくさせた。これにより彼は改宗し、後にサウロはパウロと名前を変えた。そして、キリスト教の"救いの道"という教えを説いて回るのである。
この話が意味するように、己の過ちを認め、自身が信仰できる考えや存在を見つけ、それを啓蒙することが主題とされていると思う。

カニエは、『The Life of Pablo』というタイトルがパウロ(Paul)のことを指していることを明らかにし、パウロを "1世紀で最もパワフルなメッセンジャー "と表現している。)

[サウルの改宗] - ミケランジェロ

[Post-Chorus: The-Dream with Choir]
I'm tryna keep my faith
信仰を貫こうとしている
But I'm looking for more
ただ私はそれ以上を求める
(信仰はUltralight Beamが示す光のように、目に見えないことを表す)
Somewhere I can feel safe
どこか平穏を感じられる場所
(自己の内奥に潜むエゴから逃げられる場所を求めている。)
And end my holy war
どこか我が聖戦を終わらせられる場所
(Holy War は一般には宗教間の対立とされるが、信仰者の間では神への信仰と、この世の誘惑の間に存在する争いを指す。)
I'm tryna keep my faith
私はひたすらに信仰を貫こうとしているんだ。

[Verse 2: Kelly Price & Choir]
So why send oppression, not blessings?
では何故、祝福ではなく重荷を貸すのか?
Why, oh, why'd You do me wrong? (More)
なぜ、私に過ちを犯させたのか?
You persecute the weak
貴方は弱者を抑圧する
Because it makes You feel so strong (Safe)
それにより己の強さを感じるからであろう。
(キリスト教の"悪の問題"に対する言及。このパートを歌うKellyは、純粋なクリスチャンとして育て上げられている。そして、このパートで神に対し、「なぜ我々を愛しているのに、貧困や鬱などの悪が存在するのか?」と問い詰める。それに対するキリスト教的答えは、「自由の意志と言うものは、意味に満ちた存在のためには必要不可欠であり、悪を選ぶ自由というものもなくてはならない」と言うものである。)

The Problem of Evil

Don't have much strength to fight
(主と)戦うほど十分な強さは持っていない。
So I look to the light (War)
だから私は光(主)の方を向く。
To make these wrongs turn right
それらの過ちを正すために。
Head up high, I look to the light
頭を上げ、貴方の方を向くんだ。
Hey, 'cause I know that You'll make 
everything alright
なぜなら結局は貴方が全てを上手くいかせ
And I know that You'll take good care of Your child
主の子(我ら)の面倒を見ると分かっているから。
Oh, no longer am afraid of the night
'Cause I, I look to the light
もう夜を恐れる必要もない。
なぜなら貴方の方を向いているから。
(このパートを歌うKellyと神との対話。当初は神に対して怒っていたものの、今では神が自分を大切にしてくれることを理解し、神に自分を誓う。これは先程のべたPaulのストーリーと似ている。)

[Bridge: Chance the Rapper]
When they come for You, I will shield Your name 
彼ら(人々)が来た時には、私は貴方の名をかくまおう。
I will field their questions, I will feel Your pain
私が彼らの懐疑を断ち切り、貴方の痛みを味わおう。
No one can judge
誰も批判することは出来ない。
They don't, they don't know They don't know
ただ彼らはその事を知る由もない。
(チャンス・ザ・ラッパーは、信仰を持たぬものが神の顔に泥を塗ろうとした時、自分が神を守ろうとしている。この忠誠心は神に止まらず、彼が忠誠を誓う家族や友人などに対しても向けられているであろう。

チャンスは、楽曲“Everybody’s Something”でも彼の信仰を示している。
"And why’s God’s phone die every time that I call on Him?
私が神に電話をかけるたび、なぜ回線が死んでいるのだろうか。
If his son had a Twitter wonder if I would follow him
もし神の子がTwitterを使っているなら、私はフォローされるのであろうか"

また、このラインは、詩篇91篇4節を彷彿とさせる
"He shall cover you with His feathers, And under His wings you shall take refuge; His truth shall be your shield and buckler."
"主は羽を持って貴方を覆い、その翼の元で貴方は匿われるであろう。
彼の真実は貴方の盾となるであろう。")

[Verse 3: Chance the Rapper]
Foot on the Devil's neck 'til it drifted Pangaea
悪魔の首を踏みつけ、そのままパンゲア大陸を分断した。
((黙示録12:7-9)に対する言及。大天使ミカエルは神の軍隊のリーダーであり、サタンを倒し、天国から追放した。)

I'm moving all my family from Chatham to Zambia
チャタムからザンビアに自分の家族全員で移ったんだ
(アメリカに住む黒人が白人至上主義から逃れ故郷のアフリカに帰る動きがあり、1920年代にマーカス・ガーベイによって唱えられた。ザンビアにはビクトリアの滝がある。)

Treat the demons just like Pam
悪魔を冷たく無視し扱え
(Sitcom映画MartinにおけるPamはいつもそういう扱いらしい)
I mean, I fuck with your friends, but damn, Gina 
そんなやつ相手にするな。でもGinaっていうやつはいつも俺を困らせるんだ。
(Ginaは主人公の恋人役で、Martinは彼女に困らせられるたび、Damm Ginaと言っている。)
I been this way since Arthur was anteater
Artherがアリクイと間違えられていた時から、考えは変わらないさ。
(Chanceの好きな子供用アニメArtherで土豚に間違えられるアリクイのキャラ。
彼がそれを見ていた幼少期の時から、内面は変わっていないことを表す。)

Now they wanna hit me with the woo wap, the bam
今彼らは俺を叩いてくるけど気にしないぜ。
(シカゴのスラングで、whatever etc…と同じように使われる)
Tryna snap photos of familia
彼らは僕ら家族の写真を撮ろうとするんだ
My daughter look just like Sia, you can't see her 
でも私の娘の顔を見ることは出来ない。Siaのようにな。
You can feel the lyrics, the spirit coming in braille
俺のリリックと精神は点字のようだ。
見えなくても、感じることができる。
Tubman of the underground, come and follow the trail
地下にいるタブマンのもと、線路を追ってくれ。
(タブマンは、元奴隷で奴隷解放運動を率いた。地下鉄道を用いて奴隷を解放させたのである。また、レーベルのアングラのアーティストの搾取を批判してもいる)

I made “Sunday Candy,” I'm never going to hell
俺は"Sunday Candy"を書いたんだ、もう地獄を見ることはない。
I met Kanye West, I'm never going to fail
俺はカニエ・ウェストに会ったんだ、もう失墜することはない。
(カニエのOtisの一節
“I made Jesus Walks, I’m never going to hell“からの引用
またUltralight BeamはOtisをサンプリングしている。
「Sunday Candy」は祖母や母、神に感謝する曲)

He said, "Let's do a good ass job with 'Chance 3'"
カニエは、"チャンスと一緒にGood Ass Jobのアルバムを作ろう"って言ったんだ
I hear you gotta sell it to snatch the Grammy
グラミーを取るためには売り出さないといけないらしいんだ。
Let's make it so free and the bars so hard
楽曲は無料にし、(軽快なものにし)、バーはハードなものにしよう。
That there ain't one gosh darn part you can't tweet
呟けないバーはないってことさ。
(カニエのGraduation三部作に続き、4作目アルバムGood Ass Jobはリリースされる予定だった。しかし、唐突の破局や母ドンダの死により、アルバムはリリースされることはなかった。また、カニエがChance’s Open Mic Nights でチャンスとコラボするアルバムを制作するとアナウンスしたが、これも今のところ実現していない。
チャンスは、より多くの人に楽曲を聞いてもらえるよう、全ての楽曲を無料で公開している。しかし、それによりグラミー賞の選考から外されてしまっていた。ここで、ジョンレジェンドとともに異議を申し立て、ストリーミングのみに存在するアルバムでもグラミーを受賞できるようにし、翌年に受賞した。その際、Chanceのアルバムのラインをツイートすることが流行った。)

This is my part, nobody else speak
これが俺のパートだ。誰も口を出すことはできない
This is my part, nobody else speak
This little light of mine
私のこの小さな光
Glory be to God, yeah
神に栄光あれ
("This Little Light of Mine "は、1939年に音楽学者ジョン・ローマックスが初めて録音した伝統的なゴスペルソング。50年代から60年代にかけての公民権運動でよく歌われた。

また、この歌はいくつかの聖典に由来する。
"Let your light shine before men, that they may see your fine works and give glory to your Father who is in the heaven." - Matthew 5:16
"人々の前で己の光を輝かせなさい。彼らは貴方の良き行いをみて、天におられる貴方の父に栄光を還すであろう。"

"No man, when he hath lighted a candle, putteth it in a secret place, neither under a bushel, but on a candlestick, that they which come in may see the light." - Luke 11:33
"人は蝋燭に火を灯しても、それを隠したり、かやの下に置いたりはしない。
来た人が光を見れるよう、燭台の上に灯すのである。"

"Ye are the light of the world. A city that is set on an hill cannot be hid. Neither do men light a candle and put it under a bushel, but on a candlestick; and it giveth light unto all that are in the house." - Matthew 5:14–15
"貴方は世界の光だ。丘の上にたつ町は、隠れることはできない。"
 
また、カニエの楽曲"Hey Mama"でも同じく、このThis Little Light of Mineについて言及している)


I'ma make sure that they go where they can't go
俺が、彼らがいけないところにも行けるようにするよ。

If they don't wanna ride, I'ma still give 'em raincoats
もし彼らが乗りたくないなら、彼らにレインコートを着せるよ。
(Chanceはシカゴの治安問題に取り組んでおり、ホームレスに1000着のコートを送っている。また、ノアの方舟に対する言及でもある。)

Know what God said when He made the first rainbow
神が初めて虹を創し時、何と言ったかを知っている。
 (ここで、Know what はノアの箱舟のNoahとかけている。
また、神が虹を作ったことは創世記9章13節への参照
"And God said “I do set my bow in the cloud, and it shall be for a token of a covenant between me and the earth."
そして神は言った"私は雲の中に私の弓を据え、それは私と地との間の契約のしるしとする.")

Just throw this at the end if I'm too late for the intro
もし俺がイントロにしては遅かったら、これをラストパートにしてくれ。
(これは、カニエの楽曲"Late"の一節からの引用。本来この楽曲"Ultralight Beam"は、アルバムのラストに持ってこられるはずであったため、この行を挿入したのであろう。また、神が虹を作ったことに対する言及は、アルバムの締めとして、カニエが虹のように美しいアルバムを作ったことに対する賞賛としたかったのであろう。)

Ugh, I'm just having fun with it
ああ、俺はただ楽しんでいるだけなのに

You know that a nigga was lost
わかるだろ、その時の俺はもういないんだ。
(Acid Rap時代、Chanceはドラッグを楽しんでいたが、父親になってからはそれを絶っている。またこれは、"I once was lost, but now I'm found. "という伝統的なキリスト教の賛美歌 "Amazing Grace "にちなんでいるのかもしれない。)

I laugh in my head
俺は頭の中で笑っているよ

'Cause I bet that my ex looking back like a pillar of salt
なぜなら振り返った元カノは、まるで塩の柱のようだからね。
(ソドムとゴモラの物語として知られる創世記19章に対する言及。主はこの2つの堕落した都市を滅ぼした。忠実なロトは家族とともに都市から逃げ出すことができたが、彼の妻は肩越しに見て、塩の柱にされてしまった。
この滅んだ都市は、Acid Rap時代のChanceを表し、元カノがSaltyなのは彼がラッパーとしても、父親としても成功すると知らずに彼を手放してしまったからであろう。)

Ugh, 'cause they'll flip the script on your ass like Wesley and Spike
あ、なぜなら彼らは、ウェズリーやスパイクのようにお前のケツに脚本を書くからな。
(映画『Chi-raq』が、シカゴの殺人問題を単純化していることに対する批判。
SNLでの「Ultralight Beam」のパフォーマンスで、チャンスはこのセリフを
"But people just please don't forget about Jason Van Dyke"--2014年にラクアン・マクドナルドを殺害したシカゴ警察官を指す--に置き換えた。チャンスは警察の残虐行為の象徴としてヴァン・ダイクの名前を覚えておくことの重要性を強調した。)

You cannot mess with the light
お前は光と争うことはできない。
(ヨハネ1章5節では神を光に例えている。
"In Him was life, and the life was the Light of men. And the light shines on in the darkness, and the darkness has not overcome it."
"彼の中には命があり、その命は人の光であった。光は闇の中で輝き、闇はそれに打ち勝つことができなかった")

Look at lil' Chano from 79th
79番地に住むのリル・チャーノ(小さい頃の俺)を見てみろ。
(彼が幼少期から成長したことの言及)

幼少期のChance

[Chorus: Kanye West & Choir, Kanye West]
We on an ultralight beam
私達は神の御光の元にいる。
We on an ultralight beam
This is a God dream
これが主が望まれし事。
This is a God dream
これが神の夢なのだ。
This is everything
これが全てだ。
Everything

[Post-Chorus: The-Dream, The-Dream & Choir, Natalie Greene]
(Yes, God)
(Hallelujah)
I'm tryna keep my faith
(Yes, Jesus)
But I'm looking for more
Somewhere I can feel safe
And end my holy war

[Outro: Kirk Franklin & Choir]
Father, this prayer is for everyone that feels they're not good enough
父よ、この祈りは全ての"自分に対して満ち足りぬ人々"に向けたものです。
This prayer's for everybody that feel that they're too messed up
この祈りは全ての"自分が多くの過ちを犯したと感じる人々"に向けたものです。
For everyone that feels they've said "I'm sorry" too many times
全ての"何度も自分に謝ってきた人々"のために
You can never go too far when you can't come back home again
貴方は決して遠くへは行けません。もしもう家に帰ってこれないとしても。
That's why I need...
だから私は、、、
Faith, more, safe, war
信仰を抱き、安全を願い、己と戦いに行く。
(このラインを歌う、カーク・フランクリンは、最も高い評価を得ているゴスペルアーティストの一人で、牧師でもある。自分の欠点や失敗、間違いのために神が自分を受け入れてくれないと感じたり、信じたりしている人たちのためのラインである。)

2. Father Stretch My hands Pt. 1 (未訳)

3. Pt.2 (未訳)

4. Famous (未訳)

5. Feedback (未訳)

6. Low Lights (未訳)

7. High Lights (未訳)

8. Freestyle 4  (未訳)

9. I Love Kanye (未訳)

10. Waves (未訳)

11. FML (未訳)

12. Real Friends (未訳)

13. Wolves (未訳)

14. Frank's Ocean (未訳)

15. Siiiiiiiiilver Surffffeeeeer Intermission (未訳)

16. 30 Hours (未訳)

17. No More Parties In LA (未訳)

18. Facts (Charlie Heat Version) (未訳)

19. Fade  (未訳)

20. Saint Pablo (未訳)


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