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愛猫との出逢い

もふみは人見知りだったらしい。譲渡会ではいつも怖いから猫ベッドの下や毛布にくるまってなかやか顔を見せなかったらしい。

猫エイズのキャリアで、産まれて1年くらいの時に保護された。

保護して半年、譲渡先が現れずにずっと保護猫サイトにいたところ私が見つけてしまった。

何日も貰い手がいないのだ。ずっと気になっていて、私には獣医師の資格を持つ父がいるから何かあった時はどうにかなるだろうと思い、会いに行くことにした。

調べてみると猫エイズのキャリアだと、発症しなければ寿命を15年ほどで全うすることがほとんどだそう。免疫不全なので歯石を取る全身麻酔はできないため歯磨きはしなければならない。それ以外は普通の猫と一緒。猫エイズは人にうつることはないし、一頭飼いだと他の猫とのストレスも少なく長生きしてくれるかもしれない。思ったより大変なことは少なそうだった。

預かりさん(保護猫活動をして、一時的に猫を保護している人)と会うと、家には4〜5匹の猫を飼っておられ、保護猫もその時もふみ含めて2匹いた。
もふみは人間とは仲良くしたくなかったけれど、隣の保護猫同士は仲良く遊んでいたそう。

会いに行った時、もふみは私にとてもフレンドリーだった。たくさん遊んでくれた。後でわかったが、この猫はかなり内弁慶で外が大嫌いなのだ。おうち大好き、外は見るのは好き。外は怖いから出たくない。だからどこかわからないところに連れていかれる譲渡会は大嫌いだったのだ。

家猫向きの猫。ペットホテルではトイレにも行けない、新幹線では汗びっしょりで震える。それがもふみだ。

仲良くしてくれそうなので1週間のトライアルをした。最初2〜3日怖がっていたけれど、すぐに慣れてご飯もトイレも行ってくれるようになる。

かなり穏やかな猫で、お客様からはちゅーるを貰えると教育したので大体の人には愛嬌のある猫になった。

障子も壁紙も爪研ぎしない。ソファはたまに爪研ぎしてしまうがそれはもう諦めている。
歯磨きはいやいやされてくれる。
暴れたり噛む事はない。

もふみが来る前は精神的にかなりどん底だったと思う。死のうかな、もう私の人生終わりでいいかなと思う時もあった。いまはそんな事はない。もふみのおかげだ。

リンパマッサージ施術などを行うアロマセラピストはお客様よりも自身に癒しの効果がある。これは愛情ホルモンセロトニンが分泌されるからで猫や動物を撫でているときも同じ効果がある。確かに私も何はなくとも猫を撫でれば満たされている時がある。

もふみは今6歳。今年は人間にすると40歳で同じくらい。来年は44歳くらい。

犬猫は先に亡くなる。
だから短い間、私のそばにいてくれると思ってやさしく大切に一刻を過ごせたらいいなと思っている。

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