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花譜と廻花と代々木第一体育館と   (神椿代々木決戦「怪歌」レポート)

こんにちは。
先日、神椿代々木決戦2日目「怪歌」に行った観測者です。
普段は鄙びた温泉や近代建築やレトロな喫茶店を訪ね歩く、旅が好きな同人作家です。音楽はたまにナナヲアカリや筋肉少女帯のライブに行くぐらいの広く浅い人間です。
今回、初めて花譜ちゃんのライブに行きました。花譜を知ったのは「映画大好きポンポさん」の挿入歌「例えば」を聞いた時です。この作品が好きで、モノづくりをする人の背中を押してくれるテーマとぴったり合う歌詞と彼女の歌声に惹かれ、他の歌も聴くようになって、すっかり虜になっていました。「抜刀」がお気に入りです。
ぱんぱかカフぃRを聴いたり、不可解参(想)を温泉旅館から観測したり、ぱんぱかカフェ(R)~タワレコ~編に最終日駆け込んだり、マイペースに観測していました。
いつかリアルライブ行ってみたいなぁと思っていたところに神椿代々木決戦の発表があり、チケットを申し込みました。

Day1~当日

土曜日は別の用事があって買い物をしたり理髪店に行ったりしてたのですが、フォロワーさんの企画展が原宿のギャラリーだったので降り立ったらDay1「現象Ⅱ」へ向かう観測者の群れに遭遇。みぞれが降る中、代々木体育館前に行き、空いている物販でアクリルキーホルダーのみを購入。
ショッパーをくれて驚き。
この日は京王百貨店の駅弁大会で地元のいなり寿司を買って帰りました。

雨風が強くて倒れた子が観測者に引き起こされていた…

「怪歌」当日、当初は朝から物販やキッチンカーに並ぶ予定だったのですが、インフルエンザで延期してた両親との約束で、上野の東京国立博物館を見に行きました。
半沢直樹のロケに使われた本館大階段で写真を撮り、長谷川等伯の松林図屏風をじっくり鑑賞し、常設展から黒田清輝記念館まで見ました。
常設展に江戸時代の鳥類図鑑が展示されていたのですが、雷鳥がいました(笑)
上野公園の老舗洋食レストラン、精養軒でランチ。上野らしくパンダプレートというセットを頼んだのですが、さすがおいしかったです。夕方、両親と解散して原宿へ。

すでに入場を待つ列が伸びていて、パネルの前で記念写真を撮ったり、集まって交流している観測者たちを見ながら、代々木体育館の写真を撮っていました。
初めて入る機会なので改めて調べてみると、代々木第一体育館は有名な建築家の丹下健三さんの設計(都庁やフジテレビ本社が有名)、東京オリンピックの競技場として建てられ、内部に柱がなく、一体感を得られるように世界初の吊り構造で設計されたそうです。
そんな名建築で推しのライブが開催されるなんて最高じゃないですか!
V.W.Pのパネルと体育館を撮って記念にしました。
いよいよ開場、フラワースタンドを見ながら1階席へ。
広い!そして観測者多い!
BGMで「竜とそばかすの姫」の「歌よ」が流れて、またえらい直球な例えだなぁと思いました。

神椿代々木決戦「怪歌」

カウントダウンで点滅するペンライトに驚いたところに、花譜ちゃん登場!
おもむろに立ち上がる観測者たち。
1曲目から大好きな「青春の温度」歓声とともにペンライトを振りました。なんだか感極まってしまってこの手のライブで初っ端から泣いてしまい、ようやく花譜に逢えた嬉しさと興奮で叫びそうでした。続けて「人を気取る」でこれまでの人生での別れを思い出してさらに号泣。「未観測」「世迷い子」と肯定と応援歌に救われ、「邂逅」を祈るように聴きました。
最初からクライマックス、というかカンザキイオリさんを振り返るセトリで圧倒されました。

第五形態「雷鳥」登場
めっちゃかわいい。実は去年、長野の燕岳を登山した時に一瞬見たんですよね雷鳥。もふもふしたいですよね。雷鳥の里というお菓子もおいしいので買おうね。

ゲストコラボタイム。
佐倉綾音さんすごい。生「あさひ」神々しすぎる。
続けてポップな曲やヒップホップで盛り上がりました。
「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」花譜&可不も最高でしたね。

巨大ピチピチスーツ巨大花譜ちゃん登場で性癖を試される観測者。
神秘的でした。
扇鳩になってどれだけ変身するねんとなりつつ、ここから新曲ラッシュ。
MV撮影タイムは左手にスマホ、右手にペンライトで、あとで他の観測者の動画みてみんな器用だなと思いました。
ゲシュタルト!
バンドメンバー紹介、タイヘイさんはナナヲアカリライブでもおなじみで、いつも楽しそうにドラム叩いてるので大好きです。

そして、あの瞬間。
舞台に映るシルエットとどよめきで何が起きているのか理解が追い付かない。
「ターミナル」が始まり、確かにあの声は花譜だと感じる。でもいままでの姿ではない。「にほんのどこかにいる20さい」ではなく、自分の歌を歌うバーチャルシンガーソングライター「廻花」が確かにそこにいました。
「ひぐらしのうた」
作曲当時の高校生らしい、青くて、やさしい歌。
「千と千尋の神隠し」を久しぶりに観て、自分の経験を思い出して書いたという「転校生」
花譜として次々といろんな歌を発表する中、自分のオリジナルソングも作っていたことを知らされて驚くばかりでした。
「廻花」としてこの日初めて現れた彼女の中から生まれる言葉。花譜の姿だけでは向き合えなかった気持ちを伝えたいと話す「オリジン」
そうだったんだねと理解するとともに、もしかしたらこれまで私はそうした面を見ないようにしていたのかもしれないという思いがよぎりました。
それでも、勇気をもって新しい姿で逢ってくれた廻花にありがとうという気持ちで拍手を送りました。
「またね」

エンドロールと怒涛の新企画発表。
楽しかった。そして衝撃的なライブが終わり、会場が明るくなると「愛のまま」が流れてきました。
くるりも好きなので、コラボが来てとても嬉しくて、ライブでも歌ってくれるかなと思っていたけどここに持ってきたか!
でもまさに、花譜と廻花ちゃんからの「愛してる」の言葉のあとに流れるこの歌は、まさに今回のライブのメッセージでした。

終演後

エンドロール中に席を立つ人が結構いて、どうしたんだろうと思ったら終演後発表のシークレット物販でした。
外に出ると、テントの前がざわついていて「サボテン?」と聞こえてきました。なんとサボテンがグッズとして売られていました。しかもすぐに完売していてすごいです。
サボテン好きなのでほしかった。ラジオで「私ももらえるのかなぁ」と言っていて本人も持ってないのがさらに謎でした。

原宿口は混んでいるらしいので渋谷駅まで歩くことにしました。渋谷PARCOの地下の飲食店街にお気に入りの蕎麦屋があるので、そこで天ぷらをつまみながら櫻カップ酒でも飲もうかと思っていたら早じまいしてました。
「おにやんま」といううどん屋があったので鶏天ちくわ天うどんを食べたのですがとても美味しかったです。

家に飾っているサボテンを祭壇に

花譜と廻花に想うこと

ライブ以降、他の観測者さんたちのいろんな思いを見ました。初期から応援してる人ほど今回のことはショックが大きかったのか迷いも見えました。
私も以前、推しとの距離感に悩むことがあって、ある意味届かない存在としての花譜に安心して観ていた部分があったと思います。
でも、Pさんのnoteと花譜さんのオリジンとしての言葉を読んで、ライブ翌日に録られたぱんぱかを聴いて、大丈夫だと感じました。

ラジオで
見える形が増えただけで、花譜も廻花も100%。
花譜でも廻花でもないわたし(オリジン)を通して還元される。
生きているから当たり前だけどどちらもわたしだし、どちらでもなわたししもいる。
見えてないのと、ないのはすごく違うと思っていて
存在するっていうのは知ってほしい。
という言葉を聴いて、これってバーチャルシンガーという特殊な立場だからさらに強かったと思うけど、現代を生きてる私達もみんな自分を演じ分けてて、他の人には見せてない自分がいて、悩みを抱えて生きていて、それを歌にして伝えてくれるんだってわかったら、なおさら応援したいって思いました。
歌も、ラジオで大切に言葉を紡ぐ声も、時折視えるオリジンとしての彼女も、これからも観測していきます。

後日談
実はCDを持っていなかったので、中野ブロードウェイの神椿市建設中ボドゲのポップアップストアに行って「狂想」買いました。
じっくり聴きながら書いてます。

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