トレーニーの日常【腕編1】
他のパーツに比べて比較的人目に晒されやすい部位である腕は、やはり太く逞しくありたいものだ。
一口に腕とは言っても、上腕部と前腕部で鍛え方は大きく異なるし、前面か後面かによってもアプローチは変わってくる。そのため、鍛え漏れがないように注意したい部位ではあるが、いかんせん腕というものは他の部位のトレーニングでも動員されやすい部位でもあるため、過度の酷使は避けたいとの見方もある。よく考えて鍛える必要がある部位と言えるだろう。
今回は腕ということで、まずは上腕部にフォーカスしていく。
上腕部には言わずと知れた上腕二頭筋を始め、上腕三頭筋や上腕筋という筋肉が存在する。
肘を曲げる動きには上腕二頭筋と上腕筋が、伸ばす動きには上腕三頭筋が関与する。
上腕二頭筋はその名の通り、起始部が二つに分かれており、それぞれ長頭、短頭と呼ばれる。起始部は肩甲骨に付着しているため、肘関節のみならず肩関節のポジションにも大きく影響を受ける。また、前腕の回内、回外動作にも関与するなど複数の要素が絡み合うため、ただ重りを上げ下げするだけでは効果が薄く、よく考えて行う必要がある。
その上腕二頭筋の深層には、上腕筋という筋肉が存在する。上腕の肘関節寄りにある単関節筋で、意外にも力の強い筋肉だ。アームカールで肘近辺ばかり疲れる場合は、上腕筋が大きく動員されていると考えられる。
そして上腕部後面には、上腕三頭筋がある。長頭、外側頭、内側頭という三つに分かれ、そのうち長頭のみが二関節を跨いでいる。
上腕二頭筋に比べて体積が大きく腕を太くしたければ三頭筋を鍛える方が効率的だろう。
ベンチプレスやショルダープレスなどのプレス系の補助筋としても特に意識せずに働くため、効かせにくいということは少ないが、逆に強く働きすぎるケースはある。腕が太くなりやすい人は胸や肩が発達しづらい傾向があるが、そのようなケースでは三頭筋が(無駄に)強い場合が多く、トレーニングに工夫が必要となってくるだろう。
上腕に対し、前腕はさほど個々の筋肉が意識されることは少ない。強いて言うなら腕橈骨筋は広く知られているが、概ね、屈筋か伸筋かで捉えるケースが多いといえる。
リストカールやリバースリストカールなどの種目で個別に鍛えることも可能だが、前腕はトレーニングをしないという人が大半ではないだろうか。トレーニングをある程度積むとそれなりに重い重量を扱うようになり、自然と太くなるケースもあるが、大抵の場合は顕著に成長が見られる部位ではない。
アニメキャラクターのポパイのような前腕を望む人は少なかろうが、かといって上腕と前腕のバランスがあまりに悪いと見栄えもしないというものだ。適度にトレーニングメニューに組み入れたいといえよう。
次回は腕の具体的なトレーニングについて書いていきたいと思う。
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