トレーニーの日常 【BIG3編】
ある程度トレーニングを行なっている人なら、BIG3という言葉を耳にしたことがあるだろう。3という数字が入っていることから分かるように、3つのトレーニング種目を総称した言葉である。
その3つというのが、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトだ。
人間の基本動作は「押す」「引く」「立ち上がる」の3つであるが、それが各々、「ベンチプレス」「デッドリフト」「スクワット」の動作に対応している。
これらは正式に競技種目にもなっており、パワーリフターと呼ばれる者たちが重さを競って争う種目でもある。このことからも分かるように、BIG3の種目は比較的高重量を扱うことができ、自身の現在の筋力を測るためのバロメーターとしても利用できる。また、身体全体の筋肉を動員するため、総合的な筋力向上効果が非常に高い種目として知られている。
初心者のうちはBIG3で基礎を固めるというのは非常におすすめだ。動作としては簡単なように見えても意外と考えるべきことは多く、そこにトレーニングのテクニックや基本が凝縮されている。つまりBIG3を綺麗な動作で狙いの筋肉に効かせることができるようになれば、大方他の基本種目もうまくできてしまうだろう。
それほどに、BIG3をやり込むことは効果が高いと私は思う。
例えばベンチプレス。ベンチ台に寝そべってバーを持ち、胸まで下ろして挙げるということを繰り返す。これは大胸筋を主なターゲットとして行う種目だが、普通にベンチ台に寝るだけではほとんど大胸筋に刺激は乗らない。大胸筋は肋骨に沿う形で付いており、背中をベンチにベタ付けして寝てしまうと、大胸筋が床に対してフラットになってしまう。押す方向が上向きなのに対し、大胸筋の筋繊維の方向が床に水平になっているため、大胸筋が使われづらいということは容易に想像できるだろう。これを回避するためには、肩甲骨を寄せて胸を張り、アーチを作ることが必要になってくる。
他にもグリップの握る位置、足の置き場所、ベンチに寝る位置、バーの下ろす位置など、考えることは山ほどあり、それを自然な動作の中で常に維持する必要がある。重量が重くなればなるほど考える余裕もなくなり、フォームも乱れがちになるため、これをある程度の重さでも毎レップ同じ動作で行えるようになれば、筋力と神経系が共に発達してきていると考えていいだろう。
スクワット、デッドリフトでも同じだ。これらの種目は非常に腰を痛めやすいため、フォームの習得は必須となる。また、ある程度技術がないと関節で支えるような動作になってしまい、結果として関節の故障にもつながる。怪我なく筋肉に刺激を与えるために学ぶべきことが、これらの種目には多く詰め込まれていると言えよう。
BIG3で学んだ技術は他の種目にも必ず生きてくる。また、BIG3で培われた筋力で他の種目の扱う重量も飛躍的に伸びることだろう。そういう意味でも、BIG3はトレーニング初期にしっかりとやり込みたいところだ。もちろん、中級以上のトレーニーもやり込むべき種目だと思う。最近は動画などで奇をてらった種目がたくさん紹介されているが、まずは基本をしっかり身につけることがやはりどんなことにおいても重要だ。週3回ジムに通っている人なら、極論、BIG3の3種目だけをそれぞれの日に徹底的にやり込むのでもいいのではないか。それほどに筋トレにおいては重要な種目だと私は考えるが、皆さんはどうだろうか。
次回は食事について書いていこうと思う。
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