媒介する存在
「君は、何を求めているの?」
(…私は、何を求めているのか…?)
私は媒介する何か。
人と人とが動き回るその間を媒介している何か。
私には実体がない。
名は無く、存在を発見されることもない。
私はその何かである。
その存在に、価値や意義などは無い。
ただ媒介し、充満することを目指している。
良い者か、悪い者かなど、口論にも及ばずに。
どんどん浸透し、それが広まり、
気がついたら蔓延していることが理想である。
気づかれないうちに広がって、広がって。
気づかれないうちに広がって…
だんだんと忘れ去られる。
消滅したり、増幅したり。
忘れ去られては、また新しい私が満ちてゆく。
そうやって、人と人との間を媒介している。
空気のような、水のような、
光のような、熱エネルギーのような…
そんな存在の私である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?