「万葉集」私撰秀歌 歌巻2・163
「神風(かみかぜ)の伊勢の国にもあらましを何しか来(き)けむ君も有(あ)らなくに
大来皇女」
●整理:
(神風の)
伊勢の国にも
あらましを
何しか来けむ
君も有らなくに
●歌意:
大津皇子(弟)が死に、大来(おおく)(大伯)皇女(姉)が伊勢の斎宮から京に来た時──。
伊勢の国にいればよかった。君がいないのに、私は何をしに帰って来たのだろう。
●感想:
弟が死んだことに対する虚脱した様子がよく伝わってくる歌。
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目次と序:
https://note.mu/yanai/n/n375976ce6891
参考文献:
岩波新書「万葉秀歌」上下巻(斎藤 茂吉)
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