見出し画像

三姉妹の種

ネイティブアメリカンには植物を育てるときの
三姉妹という物語があり、ルールがある。
要は、3つの種を一緒に育てるのだ。

ここ最近で話題になっている森林生態学者の
スザンヌ・シマード著の30年以上に渡る、
批判を受けながらも驚くべき樹々たちの
コミュニケーションの取り方を発見した本だ。

木々や植物は誰よりも太陽を浴びようと
とにかく競争しているという根強い概念に基づく
(信念といっていい)科学を根本から覆す、
驚くべき研究結果をたくさん生み出した。

植物や木が一本だけで育つより、
いろんな種類の木々や植物がいる方が
強く大きく育つということを。

それは昔から先住民たちが当たり前に知っていた
全てはお互いに与え与えられ共存している事実。

そして一番大きな木はマザーツリーと呼ばれ、
まだ小さな木々や植物に栄養を与えて
サポートしているのだ。
マザーツリーの子供達、つまり彼女から落ちた
種が芽を出し育っている樹々も場所も識別して感知する。
自分の子供やその他の子供にも栄養を与えて、
生きる術のサポートや知恵を授けている。

根と根を結ぶ菌系(キノコ類)は欠かせない役割で
まるで人間の脳のシナプスを思い起こさせる働き
で全てのネットワークを繋げている。

森や山に入るときは、そっと。優しく。
それこそ意識も知性も持つ、立派な人格まで
感じさせる領域に入るとき、
今までとは全く違った感覚で彼らを見るように
なるだろう。

と同時にそれはずっと知っていたような、
やっぱりそうだよね、と
思い出すように感じてくるかもしれない。

自然と共に生きていた私たちは
肌感覚で事実を感じられるはず。

それを思い出していくことが
これからの時代に生きる私たちには
本当に大切で必須なんだろうと思う。

ずっとずっと、見えているビジョンがある。

木立が並び、すぐそばの広い湖。
霧の深い山々の風景。

そして呼び声が聞こえてくる気がする。

「子供たちよ、帰っておいで」と。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?