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宇栄原公設市場

那覇市宇栄原公設市場(那覇市宇栄原4丁目17-9)
2023年3月19日現在も「那覇市公設市場条例」に定められている現役の公設市場


那覇市公設市場条例を読んだ時、驚きのあまり声が上げてしまいました。もう牧志の公設市場だけが現役の公設市場だと思っていたら、「名称:那覇市宇栄原公設市場、位置:那覇市宇栄原4丁目17番9号」ともう一つの公設市場の存在が定められていたからです。

実は、この公設市場の存在は知っていました。しかし宇栄原団地の建て替えも進んだと聞いていたので、まだ残っていたとは思わなかったです。それも建物だけでなく公設市場という条例上の定め、つまり現役の公設市場として、です。
しかし同時に、恐らく公設市場としての実態は無いだろうとも思っていました。数年前に訪ねた際、既にほぼ利用されておらず、数軒の店が残るだけだったからです。

確かに存在した宇栄原公設市場の建物
看板も残っていました
「宇栄原公設市場」「この駐車場は市営住宅及び市場の関係者用駐車場です」という表記がされたこの注意書きの存在が一番嬉しかったのです。なぜなら、この注意書きは公設市場が現在進行系での存在しているのを証明しているからです
今となっては、家電修理店と舞踊団体だけが公設市場の入居者の模様です
こういう団地も消えていく中で、目に焼き付けたい光景です
公設市場の向かいには、新しい団地とスーパーが
公設市場前に立てられた標語が刻まれたコンクリート標柱。「よい友つくってよく学べよく遊べ」
「ほめてあげればよい子供」右側の「明るい少年●●の家庭」は、●●部分が読み取れなかった
この場所にこの標柱が存在すること自体が、かつてここが子ども含めて人が集まる目立つ場所だった、つまり公設市場も賑わっていたことを伝えている。
向かいの団地食糧品店は、かつて行われていた米の配給と関係あるのだろうか。沖縄ではかつて配給所だった店が「売店」「食糧品店」という名前で残っていることも多いのです
恐らく団地が完成した直後の古い案内板
団地の入口かつ中心にあたる場所に「公設市場」の文字がうっすら残っている

2023年の1月から2月にかけて、那覇市内の公設市場と公設市場跡の10カ所と、他に市場と呼ばれる場所8カ所、合わせて18カ所の市場を回った訪問記を制作しました。

市場の古本屋ウララさんで開催する「おかえりなさい、公設市場」展で販売しています。ぜひご覧ください。
urarabooks.ti-da.net/a12455905.html

「マチグワカイ ユーメンソーチェビーサヤー(市場にようこそいらっしゃいました)」というタイトルは、以前の第一牧志公設市場に掲げられていた古い看板からとりました

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