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牧志公設市場衣料部

那覇市牧志公設市場衣料部(那覇市牧志3丁目3-10)
現在は空き家、民間企業に売却された


「これはどこで売っているんだろう」という品物ってよくあります。沖縄の芝居や行事で使う織物など、多分その道に詳しい人はすぐ分かるにしても、一般人は皆目売っている店の見当がつかない品物を、この公設市場衣料部では扱っていました。果たして今どき売れるのかも分からない立派な呉服を扱う店もあって、そんな雰囲気が好きでした。もっとも、私は織物も呉服も買う用事がなく、ただ通り抜けるだけだったのですが。

中に入るとお客さんは少ないのにエスカレーターが動いていて、2階に上がれるようになっていました。今にして思えば、2階にも上がっておけば良かったです。末期は何かのイベントスペースにもなっていた気がするけれど、行った記憶がありません。もしかするとお手洗いぐらいは借りたのかもしれません。

よく通り抜けてたのに本当に申し訳ないぐらい記憶がない公設市場衣料部ですが、桜坂を下りて真正面という立地もあって、存在だけは鮮明に覚えています。本当に、一度でも良いからじっくりと見ておけば良かったけれど、後悔先に立たず。

今も残る公設市場の看板跡。「ひやみかちマチグヮー館」という後から出来たスペースの文字のほうが大きくて、なんだか末期の市場としての役割が失われつつあった雰囲気が感じ取れます
第二種大規模小売店舗の設置者は、那覇市。こんなところにも公設市場だった名残が
衣料部前の「たてつ制服店」をはじめ、衣料部の周りにはやはり服や生地の店が集まっていました
裏側へ。パラソル通りのパラソルは撤去されて、すっかり寂しくなりました
一応、ここにも第一牧志公設市場移転のお知らせと、新市場オープンの案内が出ていました

2023年の1月から2月にかけて、那覇市内の公設市場と公設市場跡の10カ所と、他に市場と呼ばれる場所8カ所、合わせて18カ所の市場を回った訪問記を制作しました。

市場の古本屋ウララさんで開催する「おかえりなさい、公設市場」展で販売しています。ぜひご覧ください。
urarabooks.ti-da.net/a12455905.html

「マチグワカイ ユーメンソーチェビーサヤー(市場にようこそいらっしゃいました)」というタイトルは、以前の第一牧志公設市場に掲げられていた古い看板からとりました

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