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徒然3

3月6日

土曜日、久しぶりの晴天。朝から洗濯機を2度回す。洗濯物を干すことが好きで、たたむのは嫌いである。息子が「天気いいからバナナジュース作ろう」と言って、バナナと牛乳とみかんの缶詰を買ってきた。私はミキサーを棚からひっぱり出した。息子はバナナジュースを作り、私はホットケーキを焼いてバニラアイスをのせた。おいしかった。「いい休日の午後や〜」と、毎日ほぼ休日の息子は感想を述べた後、昼寝した。次女と自転車で図書館に出かけようとしたところ、夫が帰って来たのでご飯をしたり白髪を抜いてやっているうちに夕方になってしまった。昼寝から起きた息子が「後ろの髪、剃ってくれやん?」というので風呂場で剃ってやった。

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晩御飯はおでんにした。23時頃から次女は5月に行く旅行のしおりを作り始め、私は居眠りしながら4月のライブのチラシをかいた。しおりを半分終わらせた次女に許され、寝たのは5時。

3月7日

日曜日、8時くらいに「お腹すいた、お腹すいた」と枕元に夫が来て連呼するので、しぶしぶ起きて味噌汁や目玉焼きを作る。で、また2度寝していたら夫が入ってきて無理やり、される。尻が痛い。やっぱり人生は修行だ、と思う。それさえしとけば夫婦円満という謎の思考回路を持つ夫は健やかな眠りにつき、自分は心を落ち着けようとひたすら仏像の本を眺めていた。3度の飯を作っただけで、生産的なことは何もしなかった無為な1日。指を挟んだのでギターも弾かず、長女に貰った伏見の日本酒を呑んだ。

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3月8日

仕事終わり、大学生なのに再度大学受験した息子から「ごめん。あかんかった」とLINEがきていた。本人は自信あった様子で「ショックというか、びっくりした」とのことである。人生思うようにはいかない。夜半、寝顔を見ていると息子が可哀想で悲観した馬鹿な母はアホほど泣き、びっくりして起きた息子に逆に慰められた。

3月9日

いきなり日記をつけだしたのは、『つげ義春日記』を読んでいて、日記おもしろいなと思ったからである。色川武大『狂人日記』も小説としておもしろかった記憶がある。できれば1日、3行ほど記すだけのさっぱり男前な感じにしたいが、いつもだらだら書いてしまう。反省。

3月10日

次女の眼鏡を買ったり、レンタルバイクの修理代、夫の誕生日、なんだかんだでお金を遣って、給料日まで5日もあるのに3千円しか残っていない。困った。晩御飯は、肉なしシチューとハンバーグとししゃもの唐揚げ。私は台所で納豆と、まる。貰ったコップが可愛いのでなんでも美味しい。明日は休肝日。

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3月11日

仕事中、16時10分のトイレ休憩の際、眉毛がないことに初めて気づき、今朝歯を磨いただけで化粧せずに家を出たことを知った。自分はよく眉毛がない。しかし、仕事に支障はない。自分の顔なんぞは、その程度のものである。整形、整形、言うてる長女も早く楽になって欲しい。スーパーで100g68円の鶏ムネ肉を300g購入、唐揚げにする。会社の下では花が咲いていた。

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3月12日

金曜日。地味に嬉しい。仕事帰り50分ほど散歩して帰った。フグを食べたことはないが、水槽のフグは自分をなんだと思っているのだろう。let it be…

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これで終わりかと思ったら最後にいいことがあった。天六駅近くの道の真ん中で、息子くらい(20歳前後)の若い女の子が自転車から降りて、強風に煽られ大破したビニール傘と格闘していた。片手で自転車を支えているので、骨がバラバラになったビニール傘は暴れん坊将軍状態で仕舞うことができない様子である。こういう時に自分はおばさんでよかったと心から思う。「大丈夫〜?ちょっと貸して」と躊躇なく近寄って行くと、女の子は「すいません、すいません」と言いながら、ぶっ潰れたビニール傘を手渡してくれた。雨が降っていたから私の傘は女の子が持ってくれた。暴れん坊ビニール傘は、骨がバキバキに折れハートブレイク状態だったが、百戦錬磨の子育ておばさんにかかれば、この世の狭さを思い知らされたのか次第に大人しくなった。留め具でグルグルに縛った細長い傘(のようなもの)を女の子に手渡すと既に使いものにはならないにも関わらず、「ありがとうございます!」と感謝された。「もう使われへん。雨、濡れるけど大丈夫?」と聞くと「大丈夫です!本当に助かりました!ありがとうございます」と言ってくれて、こちらこそお礼を言いたい気持ち。糞のような1週間に光が差した。自分、人の役に立てて生きてた甲斐があった。電車で指を見たら、反抗期の思春期骨にやられたようで3箇所ほど流血していたが、にんげんの思春期に比べれば可愛いものである。感謝されることは自己肯定感に繋がり、同時に快感をもたらすものであったなぁ、と久々に思い出した。金曜ロードショーは『Fukushima 50』だった。

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