大東京カワセミ日記63 2021年10月2日台風一過真夏日のカワセミ撮影おじいさんと、元夫婦カワセミと、都会のカワセミと。

画像1 10月2日朝6時。台風16号が抜けて、東京は朝から25度越え。 いつもの川にやってきたら、 いつものカワセミ撮影おじいさんが、川に入って(この川、降りてはいけません、禁じられております。行政の注意書きももちろんあります)、カワセミがとまって「映える」枝を川中の石に挟んでいた。
画像2 仲間のカワセミおじいさん三人が、周囲を取り囲んでみている。 道ゆく人の9割は老人。 なにしてるんだろう、とみているのであった。 「どうだ、あの枝、いいだろう」 「あそこに2羽とまるとかっこいい」 あいかわらず、「絵はがき写真」のスタジオ設置に懸命なのであった。
画像3 で、カワセミはこの間どうしているかというと、 このおじいさんが排水管にやはり差し込んだ榎の枝の影に止まっているのであった。 (ったく、はやくおわんねえかなあ。餌取れないじゃん)とぼやいているのは、別居中のお父さんカワセミである。
画像4 といいつつ、ちょっと下手で何度かエビをとる。 この場所では、すでにこのカワセミ撮影おじいさんたちの、傍若無人があるせいか、カワセミ、まったく動じていないのであった。
画像5 この違法おじいさんは、こどもたちが「あ、カワセミ」と川端で指さしたりすると「うるさい!」「逃げるじゃないか!」とタバコを吸いながら、マスクをせずに、日々怒鳴っているのであるが、ご自身の狼藉で、皮肉にもここのカワセミは、こどもが声をあげたくらいでは、飛んでいかないのであったりする。
画像6 で、別居中のお母さんは、いつもの階段でエビをたくさん食べていました。やはりこの秋には子供つくっていないようである。来年春まで、ひなは見れなさそうである。
画像7 で、こっちはおじいさん的には「映えない」ので、私一人しかいないのであった。ジョギングのお姉さんや、散歩の老夫婦が尋ねる。
画像8 「何撮ってるんですか?」 「カワセミですよ」「え、どこ?」「ほら、そこの階段」「わ、むちゃくちゃ近い」「逃げないんだ!」「逃げません」「きれいだねえ」「カワセミいるんだ」
画像9 「いつもいますよ」「これはメス」「なんでわかるの」「メスは下唇に紅を刺してます」「え、わかんない」「ほら、この写真みて」「わ、ほんとだ、カワセミも女の子は化粧するんだねえ」
画像10 「あ、飛び込んだ!」
画像11 「なんか咥えてる」
画像12 「エビです」
画像13 「グルメねえ」
画像14 台風一過の都心の川は、上流部に山などがないので、汚れが洗い流されるため、むしろいつもより水がきれいになる。
画像15 台風や豪雨のあとは、清流並みの透明度になるのが、都心の川の特徴です。
画像16 この川のギンヤンマは、7月末に出てきて、9月が一番個体数が多い。なぜか春から夏はまったく見かけない。10月に入ってもパトロールする個体が何匹もいる。
画像17 カワセミがいないときは、ハクセキレイが階段に。
画像18 しかけた「いい枝」で理想の「絵はがき写真」を狙う、カワセミ撮影おじいさん。それにしても、どこかに発表とかしているのだろうか。この川や公園の名前とカワセミを検索してもいっさいヒットしない。ネットには出していないようだ。わざわざ絵はがき写真にするのだから、この都心の川の名前はむしろ隠してコンテストなどに応募しているのかもしれない。
画像19 下手の都心の川は、都電のしたの橋のたもとに、サギとカルガモ。メスのカワセミはみあたらず。
画像20 ホテル下の川の壁面に大きな木が生えていて、アオサギやチュウサギのネグラになっている。
画像21 ずっと川下の都心の川沿いのカワセミは、新参のオスが、ホテル下の砂州で小魚を飼っておりました。メス、おそらくまだ開くまえの殿様公園の池で、餌をとっているかもしれない。
画像22 近所の大学の緑からは、アブラゼミとツクツクボウシの鳴き声が。ギンヤンマもたくさん飛んでいる。11時過ぎ30度を超えた。
画像23 まだ、夏がしぶとく残っている。
画像24 それにしても、ここまでして「絵はがき写真」をとることに熱情を傾けるのはなぜか。 これは、多くの写真雑誌がつくった「罪」だったりするのだが、 鳥の写真とか、電車の写真とか、航空機写真とか、富士山や桜の写真やスポーツ写真やアイドル写真やキャンギャルの98・7%が「絵はがき」の再生産だったりするので、 これは、少なくとも高いカメラで写真を撮り続ける主に男性に共通する習性だったりする。 これ、写真以外でも、似たような「趣味」やシチュエーション、ありそうである。

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