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大東京カワセミ日記180 カワセミもヒキガエルもいない日 20230225

朝、いつもの川。カワセミのオスもメスもいない。


カワセミおじさん、カメラを向けるがカワセミがいない。

上流の公園にもいない。

この時期、突然いなくなる時がある。巣を探しているのだろうか。

下流のかつてカワセミがときどき来ていた、という電車沿いの公園に寄る。

水がとっても綺麗だ。

でも、魚は1匹もいない。

この時期、都市部の公園はヒキガエルの産卵場になる。

ヒキガエルの卵はあるかな。

あった。

卵じゃなく、ヒキガエルの死体が2匹。

鳥に食われかけたわけじゃない。

そのままの形で沈んで、カビが覆っている。

薬だ。おそらく。

水を綺麗にするためだろうか。

なんらかの薬を撒いたのだろうか。

さらに下流のよく立ち寄る公園に行ってみた。

この公園は、小流域の地形を利用した湧水と池と水の流れがあり、
周囲にはクヌギをはじめとする雑木林となっている。
とてもいい公園だ。

水がない。真ん中の池に。

どうやらかいぼりをしているようだ。

さらに下流の池は完全に干上がっている。

ここにいたエビやメダカやヤゴは無事だろうか。

上流の真ん中の池。

こちらにいたコイたちは、数匹がビニール水槽に入れられていた。

この池のかつての主は1匹もいない。

ミシシッピアカミミガメである。

この前まで、数十匹がひしめいていた。

1匹もいない。

おそらく、カメ退治が目的だったのだろう。

ヨシノボリやモツゴもいたのだが、無事だろうか。

今の時期ならば必ずいたヒキガエルの卵塊が一つもない。

かいぼりをしているから水辺がない。

公園のヒキガエルは産卵の場を失った。

1月から2月の時期にかいぼりをすると都市生態系の水辺における春先の最も大きな生物資源、ヒキガエルの大量のオタマジャクシが育つ場所がなくなる。

しかも、オタマジャクシは、多くの水生生物、さらにカワセミ、サギなどの鳥にとって重要なタンパク源である。

陸に上がったカエルは、トカゲや鳥の大切なご飯。

サバイバルして生き残った親ガエルは、都市環境に対応できる数少ない生態系ピラミッドの上位に位置する、重要な生き物である。

武蔵野台地の縁に位置する東京は数多くの湧水地があり、池が多い。結果、ヒキガエル都市、である。

え、なぜこんなところにヒキガエルがいるの?

夏の夜中に街中を歩くヒキガエルに出会った経験、あるのでは?

そんなヒキガエルは、都市部の小さな池がニッチ。このニッチがないと生きていけない。

外来種殲滅をおそらくは目的としたかいぼりを大々的に行い、ミシシッピアカミミガメは姿を消した。その後、池にはコイも放たれていない。コイも退治されたのかもしれない。

この後、どんな池にするつもりなのだろう。

いずれにせよ、この年のオタマジャクシはゼロ。

ヒキガエルの父母たちはどうしているだろうか。

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