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ムスコは天照大御神!?

国文祭・芸文祭という、国体の文化バージョンがあるの知っていますか?

2020年開催予定が1年遅れになった「みやざき国文祭・芸文祭」のとあるプログラムを先日、鑑賞してきました。

神話の世界を音や踊り、映像、語りなどで紡ぐ3時間のショータイム。天岩戸が計4回くらい開かれてて…オイオイどんだけ開くんだ?と、ちょっと笑った。


宮崎、いや日本にとって、天岩戸から天照大御神が出てきたのは重要な出来事なのだろう。だって、お日さまが出ないと困りますものね。


日本の太陽神こと天照大御神は、人類史上初の最も有名な「引きこもり」と言われているこの頃(たぶん)。


わたしはそんな天照大御神と我が子を重ねていて…。

長男、お隠れになる

息子の名前には「日と光」がある。幼い頃は、エネルギーがからだいっぱいムッチムチに充填されたような子だった。アンパンマンみたいな…そう、太陽神みたいな感じだった。

通信制高校に編入して以来、彼は世間から距離を置いていて。ネット上の友人とだけ接し、世間に出るのは週一のバイトという、まさに“お隠れ”状態で過ごしている。

その、いわゆる「引きこもり」スタイルに戸惑い大いに悩んだ数年を経て、今、わたしは「しばらく岩戸に隠れてるんだろうな〜。いつか自分で出てくるんだろうな〜」と感じている。


母、お隠れし損ねる

息子が生まれて間もなく入院した時のこと。「後遺症を持つ可能性がある」と医師に言われタクシーの中で泣いていたら、運転手さんに「お母さんなんだから泣いちゃダメだよ」と言われた。

息子に高校をやめると言われ、学校に相談に行ったところ、先生たちに「とにかくお母さんが笑ってないとダメなんですよ」と言われた。

息子が入院した3週間は、出産後の会陰の傷が癒えないまま数時間おきに搾乳をしてお乳を病院に運搬していた(肉体が限界だった)。高校辞める宣言後は、なんとかせねばと方々駆けずり回ったり、なぜこうなったかと考えすぎて心も身体もすり減らした(心が限界だった)。


お母さんは、泣くことを許されないのでしょうか?
お母さんは、いつも笑顔でいないといけないのでしょうか?

あーあ。
今更ながら、私も「もう無理」って、天岩戸に隠れちまえば良かった。


そうか。

我が家の天照大御神は、「そういう時は、こうして隠れればいいんだよ」って、私に見せてくれているのかもしれないな。

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隠れるも開けるも踊るも
どうぞご自由に

お隠れになった天照大御神が外に出るきっかけになったのは、アマノウズメの舞いでした。天岩戸の前で、乳を振り乱し超エロティック・ダンスをしたところ場が沸き立ち、天照大御神はなにごとかとチラリ戸を開けた、というのです。

アマノウズメは、天照大御神の鏡合わせのような存在で。妻でも母親でもない、役割に囚われず感覚のままにいまを生きる、女の命のもう一つの象徴のようにも感じます(あくまでも私的解釈なり)。

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↑右側の胸と腹を出してるのがウズメちゃん



わたしたち一人ひとりは、それぞれが固有する物語の主人公。わたしもあなたも、きっと自分だけの神話の天照大御神であり、アマノウズメだ。


疲れたら迷惑かけるとか言わず引きこもればいいし、踊りたくなったら他人の目など気にせず踊ればいい。

というわけで、天照大御神にうっかりなり損ねたわたしは、近頃アマノウズメになって、ウラウラ自由に舞踊っています。

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