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自分の名前、好きですか?

プロフィールの名前を本名にしてみた(といっても、ためらいがちな平仮名表記)。

姓の硬い字面と、名の地味で真面目っぽくて重たい響きが好きじゃなかった。自分の外見やキャラにフィットしすぎていて嫌だった、といいますか。


私の名前を母音だけで呼んでみると「aaa ooo」という、偏った響きになる。この響きをじっと味わってみたところ、感じたのは…。


あ! には、驚きやひらめき
お! には、納得や感嘆。そして祝福

が、あるのではないか?と。


工藤直子さんの大好きな詩に「あいうえ・おーい」という作品がある。

あいうえ・おーい

むかし むかし おおむかし
ホモ・サピエンスの ごせんぞさまが
さいしょの さいしょに しゃべった言葉は
なんだろな?

きっと「あ」だ
あー おれ生きてるな
あー いいな

つぎは きっと「おーい」だよ
みんなに そのこと  いいたくて
「おーい おいでー」と
手をふった

なかまは どうしたとおもう?
耳をすませて たちあがり
「ん?」「ん?」「ん?」と かけてきた
きっと そうにちがいない

むかし むかし おおむかし
ごせんぞさまの おしゃべりは
「あ」ではじまって「ん」でおわる


発見して、感動して、誰かに伝えたくなった、aaa!とooo!

こうして改めて見つめ直してみると、自分の名前は自分が欲している世界観で作られている気がしてきた。「やなた ともこ」は、人類の喜びの響きから生まれた名前かもしれない。


なーんて、な!


生まれてこのかた、自分をとても粗末に扱ってきたような気がしていて。遅まきながら、自分が自分の専属ヒーラーか執事のように、自分を大切に守り、手を差し伸べ、愛してあげようと思った。

その一環として、自分の名前も大切に愛してあげよう、と思った次第。



工藤直子さんの「あいうえ・おーい」は『あいたくて』(新潮文庫)に掲載されています。タイトルになっている「あいたくて」も、とっても素敵な詩ですよ。

※工藤さんの講演会に行った際、ご本人が「私の作品は全部著作権フリー。自由に使って」とおしゃっていたので、ありがたくそのまま載せています

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