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初めての定期異動

(Twitterはこちら → @yanagi_092)

総合職の同期は3年目や4年目で既に異動をしていますが、私は異動無しで5年目に突入しました。

異動内示の日

ぼく「いよいよ異動か。姫路での生活は長かったな。次の部署はどこでも良いのだけど、苦情まみれの自動車損害サービスからは卒業したいな。けど、公認会計士になって会社を辞めるつもりなので、まぁどこでもいいや・・・」

そして、課長から別室に呼ばれます。

課長「今年は異動です。東京、というか本店」
ぼく「本店損害部ですか? コマーシャル損害部ですか!?」
課長「いや、損業だよ」
ぼく「えっ、マジ!?」


損業、正式名称は「損害サービス業務部」。損害サービス部門の本社機能を担う部署であり、営業部門における営業企画のような部署となります。損害部門で偉くなるには、この部署を1度は経験しないといけない登竜門的な部署です。

事業部


ぼく「あの、損業でも引き続き自動車保険をやる感じですかね?(自動車保険は勉強しまくったので、既に飽きてるんやで・・・)」
課長「いや、君は火災新種がやりたいって言ってただろ。だから、火災新種を統括を担当するみたいだよ。あとは不正請求事案の統括もやるみたいだ」
ぼく「えっ、不正請求事案の統括は大丈夫ですけど、火災新種は約款も見たことないし、実務もやったこと無いですけど、いきなり統括とか言われても微妙じゃないですか??」
課長「君なら何とかなるでしょ、ってか、これまでも色々と何とかしてきたじゃないか」


割と複雑な心境でした。損業に選抜されたことは素直に嬉しかったですし、「火災新種をやりたい(とにかく自動車の示談が嫌)」という適当な希望も通っていたようです。

とはいえ、実務経験も無く、火災新種の統括部署で働くと言われても・・・と少々不安に感じていました。

その翌日、損害サービス業務部の人から電話が掛かってきました。

損業の人「初めまして。早速で申し訳ないのですが、着任の翌日に社内のCSN放送で賠償責任保険の講義をして欲しいのです。パワーポイント資料はこちらで用意しておくので」
ぼく「あの、火災新種やったことないけど、大丈夫ですか?」
損業の人「CSNで話す内容はこちらで作っておくので・・・」
ぼく「あと、僕の頭はゴリゴリの丸坊主なんですけど、テレビ映り的に大丈夫ですかね?」
損業の人「いや、顔が映るのは最初と最後だけで、後はずっとパワーポイントの画面ですよ・・・(変なやつだなw)」


当時、公認会計士に合格することを自分に誓ってから、頭を丸刈りにしていました。「公認会計士になって会社を辞める」という決意を心に刻むために・・・

しかし、こんなゴリゴリの丸坊主で社内のCSN放送に出演することになり、完全に裏目ったのでした。

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初任地での経験とその後のキャリア

最初の場所では、周りの方々に様々なご迷惑をおかけしたと思いますし、多くの失敗をした記憶もあります。しかし、今でも「あの頃はXXXXの失敗をしたから、今回はこういった点に注意しよう」と無意識に思い起こしていることもあり、それだけ最初の経験は思いが強いというか、社会人としての基礎を作るうえで大きな影響があるように思います。

私は、新卒で地方の支社に飛ばされ、典型的な日本型終身雇用の人事異動(配属ガチャ)を体感しました。ご想像のとおり、地方の支社は人が潤沢ではないので、その分だけ新人にも仕事の裁量が与えられ、早い時期から責任のある仕事を経験したのも事実です。

このような背景もあり、昭和的根性論に基づけば「だから新人はグダグダ文句を言わずに踏ん張れ!」ということなのかもしれませんが、私はそう思いません。

大切な時間だからこそ、絶望的に合わないと感じているなら、手遅れになる前にさっさと転職してしまうのも選択肢の1つだと思っていますが、結局のところ「何が正しいか?」という相対的な価値観に教科書的な答えは無く、自分で決めていくしかないのだと思います。

私の場合は、「5年も居る必要は無くて、3年で十分だと思うけど、総じて良い経験だったかな・・・」と総括をしています。

いずれにせよ、この異動によって自動車損サから卒業し、「内向き」「官僚的」と揶揄される東京海上の本社部門で奮闘をすることになるのでした。

終わり

(第一章 自動車損サ 完)

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