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2021年4月に聴いた新曲4つと4月のYuNiちゃん

 どうもヤンです。世間は新年度に入りましたけど、今月も書いていきますよ。


SLAVE.V-V-R「んっあっあっ。」

 YouTubeでたまたま見つけて開いたら、それが神曲だったやつ。

 「追跡!家出少女の実態!」などでコアな人気を集めるが、よく引退宣言をするらしいボカロPのSLAVE.V-V-Rが、第3回プロセカNEXT応募楽曲として投稿した1曲です。歌唱は初音ミク。

 この曲でまず驚かされるのは、初音ミクの魅惑的な「調声」。この曲は「肺が異常に強いせいで息を吸いすぎてしまい、逆にめちゃめちゃ息が漏れる女の子」(概要欄より引用)をテーマに作られています。耳元で囁くかのような、息がたっぷりと混じったウィスパーボイスで全編を歌っていますね。非常にボカロっぽい表現でありながら、どことなく生々しい人間味も感じます。

 そして歌詞の内容ですが、ひたすら「呼吸」や「ウィスパーボイス」のことを言っているんですよね。使われている単語を一つずつ紐解くと、次のようになると思います。

嬌声…(女の)なまめかしい声
Diva…(オペラの)プリマドンナ、花形女性歌手、歌姫
Bebop…ビーパップ(1940年台に発達した即興演出を特色とするジャズの形式)
hyperpnea…過呼吸
breathing…呼吸、息遣い
atmosphere…大気、空気、雰囲気、環境
whispering…ささやき、ひそひそ声
エアウェイ(airway)…気道、気管
インヘェル…???

  このように、ウィスパーボイスや呼吸、歌う女の子を彷彿とさせる歌詞が並べられています(インヘェルだけよく分かりませんでしたが)。この女の子が本来辿るはずだったであろう、絶世の歌姫としての一生涯を思い浮かべずにはいられません。

 そして最大のアクセントになっているのが、最後に流れるヘッドボイス。ヘッドボイスは一見ウィスパーボイスと関係ないように思えますが、ヘッドボイスの正しい歌い方としては(ボイストレーナーのしらスタさんの動画曰く)「息を吸いながら声を出す」ものらしいので、肺が尋常に試される発声であると言えるでしょう。


不破湊「ラストソング」

 にじさんじ所属男性ライバーの不破湊による初のオリジナルソング。彼の職業は「バーチャルホスト」となっており、「ラストソング」はホストとしての不破湊を描いています。

 この曲を書いたのは歌い手の頂点に君臨する男、まふまふ。彼らの初コラボであるスマブラSP5先対決にて勝利したまふまふが、不破湊に突き付けた罰ゲームがまさかの「ふわっちに曲を書くんで歌ってください!」。こうして始まったまふまふと不破湊の曲制作を、リアルタイムで配信を見ていた私は非常に楽しみにしていました。

 そして不破湊の誕生日を記念して公開された「ラストソング」。「ラストソング」とは「閉店前にその日の売り上げが1位だったホストが歌う歌のこと」です。つまりは彼がNo.1のホストになったことを意味していますね。詳しい歌詞の内容は不破湊にわかの私より動画のコメント欄に書かれたファンの方々のコメントを見ていただきたいのですが、細部にまで「ホストとしての不破湊」の像を描き続けていることが窺えます。

 何よりこの曲の魅力を引き上げているのが、不破湊の圧倒的なボーカル力。お披露目後のコラボ雑談配信でも語られていますが、ごちゃついたインパクトのあるイントロを聴くまでは「あ、まふまふの曲だ」となるのに、不破湊のボーカルが入った途端に「ふ、不破湊の曲だ…」ってなるんですよね。「特に歌の練習はしていなかった」と本人は語っていますが、能ある鷹は爪を隠すとはこのことか、と思い知らされます。


Ado「踊」

 絶賛大ブレイク中のAdoによる新曲。NHKの深夜音楽番組『NHK MUSIC presents 夜光音楽 ボカロP 5min.』のテーマソングとなっており、Adoにとっては初のタイアップ楽曲です。

 この曲は何より作っているメンツが最強すぎる。作詞にボカロ界の頂点に君臨していると言っても過言ではない重鎮・DECO*27、作曲&編曲に「うっせぇわ Giga Remix」も担当したEDMの作り手・Gigaと世界的に活躍するミュージシャン・TeddyLoid、MVイラストと映像に「イート feat. Ado」でAdoと関わったかゆか藍瀬まなみを起用するという豪華布陣。前世でどんだけ徳を積んだらこの一人の人物にこんなに優秀なクリエイターが集うんだよ…

 そして、楽曲もその名に恥じぬほどの、いや、その名をさらに轟かせるほどの圧倒的なクオリティです。クリエイター人が作ったトラックはラテン系やK-POPの要素を感じる軽快なエレクトロポップとなっています。今まで見たことがありそうで実はないような、未知のナンバーに仕上がっているのではないでしょうか。

 そのクセの強いサウンドに色をつけるAdoの歌唱力がまた化物級です。ハードロックのようなパワーのある地声に非常に高い裏声、リズミカルに歌いこなすラップパート、そして存在感を放つコーラスなど、どこを切り取っても「上手い」としか言いようがないボーカルテクニック。これほど豊かな歌唱表現ができるボーカリストは、日本ではAdoさんの右に出る人はいないとまで思われるほどに凝っています。


Kotone「No Matching」

 天神子兎音(アーティスト名Kotone)のデビュー3周年を記念して公開された新曲。

 曲を書いたのは今が旬のボカロP、かいりきベア。特徴的な反復性のあるリズムと歌詞がクセになる楽曲を作る人です。子兎音様はこれまでに4本のかいりきベア作品をカバーしており、かなり敬愛していることが窺えますね。

 この曲のテーマは、私には「VTuberの引退煽り」に対して文句を言っている歌詞のように感じました。彼女はTwitterでたびたび「引退するときはスパッとやめる」という旨の発言をしており、VTuber界隈に蔓延る「タイトル詐欺」や「卒業配信」などに対する嫌悪感が感じられます。

また引退で
こんなんじゃ最低でしょ!
哀しみの 声(せい) 怒声 が
今も 痛い痛い痛い
そんなんじゃ凄惨な SHOW
残された想いは何処へ...

 こうした心の内側にしか表せていない怒りを歌にして乗せて歌うKotoneの姿は、最高にロックだな、と感じますね。メタ的な要素が好きな僕は、この曲も好きになりました。特に「今も 痛い痛い痛い」の部分で鳴り響くがなりからは、Kotoneの静かな怒りが感じられます。

 そして、もう一つこの曲の存在感を上げているのがかいりきベアの音作り。この曲のCメロ前の間奏のメロディは、Kotoneも以前にカバーしたダーリンダンス」のBメロそっくり。この部分に留まらず、要所要所でかいりきベアらしさを出していてとてもエモい。


4月のYuNiちゃん

 今月は4月、ということでエイプリルフールからスタート。シーズンボイス Vol1としてエイプリルフールのボイスが1ヶ月限定で販売されました。

 あ、私はお財布の中身を守るためにボイスは買ってません。その代わりYuNiちゃんのライブやグッズには全力を注ぐ予定です!!

 4月4日にはV-carnival Day2にご出演。全身ARでYuNiちゃんが歌って踊る姿はマジでエモすぎて感動しました!!そのときの内容は、こちらのライブレポートに書かせていただいたので、ぜひご覧ください!!

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 そして来たる4月13日、Yuniちゃんからの突然の重大告知。ゆにチル全員が固唾を呑んだ瞬間でありました。

 その深夜にはこの謎の文言を残してさらに不安を煽りましたが…


 4月16日の生配信にて、メジャーデビューシングル「eternal journey」の発売決定、「キライ」の先行配信シングル、今夏の池袋harevutaiにてライブの開催決定、5月以降の活動の活性化など、さまざまな重大発表が行われました!!

 この場をお借りして、改めてYuNiちゃんに祝福の言葉を送りたいと思います。メジャーデビューシングル発売、本当におめでとう!!!!

 さて、この生配信の情報や、「キライ」という曲を受けての私の感想はこちらの記事に書いてあります。ありがたいことに皆様からさまざまな反応もいただけて、他の人の「キライ」レビュー記事も読ませていただきました。「キライ」という曲の感想は、アルバムが発売された後に他のアルバム曲と一緒に再度考察させていただく予定です。お楽しみに!

 4月22日には、2年前に投稿されたYuNiが歌った「シャルル」が念願の1000万回を達成いたしました!!本当にめでたい!!!

 本当に今年の夏以降、私はYuNiちゃんの歌った「シャルル」を何十、何百とリピートしてこの時を待っていました。「シャルル」はバルーンが生み出した名作中の名作であるボカロ曲であり、数多くの人がカバーを出しておりますが、僕はもうYuNiちゃんの「シャルル」以外受け付けにくい体になってしまいました笑。

 ちなみに当のYuNiちゃんは、達成当時体調を崩してダウンしており、Twitterで反応ができなかったことが今月のゆにラジオで語られました。YuNiちゃんらしくてかわいい笑笑。

 23日にはツユくらべられっ子」のカバーを投稿。YuNiが使う高音域の透明感、要所要所での気持ちの込め方(個人的にはラスサビ前の「無理だよ」のドスの効いた感じが一番好き)、そしてラストのハイトーンなど、YuNiが持つ全てを振り絞った作品だと思います。

 しかしながら、この曲を聴いた時、私はYuNiが生放送で語っていたような、他の人と比べられることへの劣等感のようなものを歌声から感じ、かなり心が揺さぶられました。あの配信の後にこの曲を投稿するのはゆにチルの涙腺を崩壊させにきてるよ…ずるいよYuNiちゃん……

 29日にはYuNiボイス第三弾が販売開始。今回は日常会話ショートボイスとなっているようです。…先ほども言いましたが私は金欠学生なので感想は皆さんにお任せしますね!!

 そして、同日のゆにラジオにはゲストに「キライ」の作詞ゆよゆっぺが登場しました。ラジオ経験者であり、レコーディングの現場でYuNiと同席していた彼は、YuNiの歌の魅力を余す事なく語ったり、YuNiの柏餅試食を実況したり、質問コーナーでミュージカル風BGMを披露したりと大暴れ。彼の「いい人感」がめちゃくちゃ出てましたね。

 特にゆよゆっぺが語る「ボーカリストYuNiの魅力」は、非常に共感できるものでしたね。「曲を自分のものにしてる」「曲に対する考え方が分かってる」などと、誉め殺しもいいところですね…。そしてYuNiちゃんは褒められて非常に嬉しそうでしたね……

 そして、YuNiが持つ「曲の理解度」が如実に現れた結果がREOL「第六感 / THE SIXTH SENSE」のカバーだと感じましたね。

 この曲は恐らくアルバム「eternal journey」のリード曲になるであろう「DAYZ」の作曲・編曲がGigaであることから選んだと思われます。しかしながら、「第六感」のEDM系ロックな曲調はYuNiの得意ジャンルではないと思いますし、本家のボーカルReolとも相反する特徴を持っていると思うんですよね。

 それでも「第六感」で見せたYuNiの歌声のクオリティがあまりにも高いのは、やはりゆよゆっぺが指摘した「曲への理解度」が高いおかげでしょう。本家への再現度を高めつつ、曲を完全に自分のものへと支配する力があるんでしょうね。ちょうどまふまふが不破湊に対して似たようなことを話していたと先ほど紹介しましたが、YuNiの場合、シンガーとしてその点の努力がずば抜けているように感じます。

 そして相変わらずつのはねあかぎが作るMVがすごいことすごいこと…。「オリオンをなぞる」カバー以来の協力となりましたが、彼が作るMMDはどの瞬間をとっても美麗すぎる。やっぱりいい歌声にはいいMVをつけてあげたいですよねえ…


 今月はこんなところです。今月はお祝いが多くて僕の心も、そして恐らくYuNiちゃんの心も満たされたことでしょう!(体調不良でダウンしてたらしいけどね!)

 来月も当然この連載を書く予定ではいるのですが、来月からはYuNiちゃんが週三回のファーストテイク動画を予定しているそうで、「今月聴いた曲」と「YuNiちゃんの動向」の記事を分けることを検討中です。それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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