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Netflixオリジナル「クィーンズ・ギャンビット」

一時はいくつものシリーズ作品の試聴をかけ持ちし、1日平均6時間ほどNetflixを見続けるという中毒状態だった私…なぜかこの数ヶ月はNetflixと距離を置いていた。(ステイホーム推奨なのに!今がチャンスなのに!)
しかし、この作品との出会いで、私はまたNetflix沼にズブズブはまることとなってしまうのかも……
さあ、闇子のネトフリ"沼"生活第2章の幕開けよ。

「クィーンズ・ギャンビット」との出会い

ある人がTwitterで、このドラマに登場するお洋服を褒めているのを見かけた。
「60年代の女性のファッションを楽しめるようなオシャレな映画なのかしら??ヒロインもなんともフォトジェニックな目の離れ方している…見てみたい!」
とNetflixを開いてみると、それは…女流チェスプレイヤーの物語なのであった。
「おお、チェス!これは見たい!」
と、ここで俄然視聴意欲が湧いた私とチェスの由縁
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子どもの頃、「駒の動かし方」と「王様を獲れば勝ち」という初歩も初歩のルールのみを父から教わった。定石なんかはひとつも覚えてないけど、負けると悔しくて、父にせがんで何度も対局してもらった思い出。
だけど、同年代のお友だちにはチェスのルールを知っている子すらそうそういなくて、私にとってチェスの楽しみはそれ以上広がることはなかった。
だから、この「クィーンズ・ギャンビット」のヒロインが天才女流チェスプレイヤーである!というだけで、そりゃもう胸が踊ったのです。
「チェスがめっちゃ強い女の子なんて最高にクール!」

がんばってネタバレを回避するざっくりしたあらすじ

物語はヒロイン・ベスの少女時代から始まります。
不幸な事故により身寄りがなくなってしまったベスは、養護施設に預けられるが、周囲に馴染めず過ごしていたところ、用務員のおじさんからチェスを習う機会があり、ズブズブはまっていきます。
種々の障害はありつつも、チェスを続けるベス。舞台となる1960年代、女流チェスプレイヤーは珍しく、ベスが男性プレイヤーたちをバッタバッタと倒していく展開は痛快です。
しかしベスは、その不幸な生い立ちゆえの、不安定な精神状態だったりアルコール依存だったりに、時にその道を阻まれることも…

シリーズは今のところ7エピソードのみ。原作小説がありますが、和訳版は未刊行とのこと。

よかったところ①「ファッションとインテリア」

はじめにこのドラマを注目するきっかけにもなった60年代のファッション、そして壁紙や家具などお部屋の内装も見事で、画面の隅々まで楽しめる。チェスの試合のためにヒロインは各国のホテルに滞在するんだけど、この時代の各国のレトロさがどれも新鮮で隙がない。

よかったところ②「チェスを通して理解できる社会情勢」

チェスはゲームであり娯楽でもあるはず…だけどこのドラマにおけるチェスの描写には、冷戦当時の時代背景が現れてる。
赤毛のベスがドレッシーなワンピースに身を包み鮮烈な戦闘スタイルで相手を負かしていくのと、強豪国ロシアのプレイヤーが数人で盤上の出来事全てを計算しつくし、まるでなにか荘厳な儀式を行うかのように粛々と駒を指していく対比。スポーツ観戦のような見応えの中に、各国の文化・歴史、当時の情勢を感じられる。

よかったところ③「ベスというヒロインの物語」

ベスは神様から特別な才能を与えられた選ばれし人間…でありつつも、居場所を探し続けるひとりの女の子であり続けた。不幸な生い立ちの孤独な少女が、〈社会〉と〈世界〉に自分の居場所と仲間を作る物語は、見る人を選ばず広く共感を集めると思う。
チェスの才能は、時に彼女を孤独にもしたが、彼女の世界を広げてくれる翼でもあった。

上記3つの魅力が、このドラマの軸として代わる代わるにバランスよく機能していたと思う。全7話というのもコンパクトでよい。物語の鮮度・推進力が失われることなく、つるっと見ることができる…一押しのシリーズ。

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