私は可愛くなれないと諦めていたあの頃。
今は落ち着いていますが、私は過食をしていたことがあります。
摂食障害って再発する可能性があるらしいと聞いたので、まだ完全に治ったとは自信を持って言えません。
過食に苦しんでいた頃のフラッシュバックや、あの頃に戻ってしまうのではないか?と怯えることも度々あります。
時期は一昨年か、その前の年まで。
最近は食べ物に恐怖を抱き、痩せることに対して強迫的になりつつあるので危機感を覚えています。
過食
私が過食していた理由はストレスの積み重なりと薬の影響。
医者に相談しても「自分で管理してください」としか言われず、とにかく食事はお腹が好かないように工夫しつつカロリー計算(断食した日もありました)
眠れるように運動して、お風呂に入って、深夜。
空腹でもないのに食べないと眠れない、ストレスばかりが溜まって食欲が止まらない。
家にあるものをとにかく食べて、親にコンビニへと連れて行ってもらって沢山の食べ物を買っては食べて、お腹が少し痛むぐらい食べて眠る。
運動しても深夜には過食して太る。
体重は減らない、それでも食べる。
食べ物は美味しく感じない、泣きながら胃に詰め込む。
毎日がその繰り返しで、体重は標準をはるかに超える数値に。
BMIも体重も脂肪率も、何もかもが不健康的な体型をしていました。
容姿
太っていても、少しでも見た目を良くしようと清潔感だけには気をつけていました。
服はシンプルに、体型を隠せるものだけを。
でも、本当はもっと大好きなゴシック&ロリィタを着たかった。
フリルのついたお人形みたいな服で歩きたかった。
でもそんな服は入らないし、何より似合わない。
だから太っていることを恥じながら、あまり好みではない服を適当に着て過ごす生活。
太っていても可愛く着られる服はありますが、私は周囲からの視線が怖かったので着ることができませんでした。
自分の体についた肉を見て後悔と罪悪感、そして制御出来ない自分を嫌悪し続けながら食べ物を美味しくも感じずに食べて脂肪を身体に増やし続ける。
可愛くなんてなれない、世間から見れば醜い怠け者だ。
悔しさすら感じず、ただただ諦めと苦痛しかなかった。
その記憶と感覚は、今でもしっかりと残っています。
好きな容姿になって好きな服を着たい、可愛くなりたい。格好よくなりたい。美しくなりたい。
その記憶と感覚、そして願望は今も強く私の中に植え付けられています。
言葉
ボディーポジティブという言葉があり、その言葉や運動に励まされて心を癒そうとしていたことが何度もありました。
自分はこのままでも大丈夫、嘲笑されることはない。今の私だって悪くない。
何度も何度も今の自分を肯定して生きようと必死で、少しでも楽になれば過食も止まるのではないかとボディーポジティブという言葉に縋っていました。
それでも目に止まるのは「デブ」「醜い」「痩せろよ」「痩せない奴は努力不足」という言葉だけ。
ボディーポジティブという言葉を嘲笑うかのような、ボディーポジティブに生きようと運動する人達の悪い所だけを取り上げて、否定する動画もYouTubeにはありました。
更にYouTubeには黒歴史だと言いながら標準的な体型をした女性の写真と現在の痩せた姿の写真を並べる動画、私より高い身長で私より半分近く軽い体重の女性が笑う動画。
そして今でも忘れられない、叔父からの一言。
「大きくなったね!?」
最後に会ったのは身長も年齢も大して変わらない頃。
大きくなったところと言えば体型だけ。
私だって、太りたくて太ったわけじゃないよ。
食べたくない、何も美味しくない。
そんな言葉達で、そんな感情を抱えたまま過食は酷くなるばかり。
何も分からずひたすら泣くことしか出来ませんでした。
自覚
私は過食を続けていた私は、いつも通り深夜に親に頼んでコンビニへ。
その日はラーメンを買いました。
ラーメンを食べて苦しいぐらいに満腹になった後に初めての感覚に襲われ、吐き気がしてトイレへ。
そして嘔吐。
いつもと違い、過食したのにスッキリした感覚で眠れたことを覚えています。
その次の日もコンビニでまたラーメンを、同じ感覚に襲われて嘔吐。
昨日よりもっと、と思い何度も何度も……としているうちに数時間経っており、スッキリはしていたものの目眩や頭痛でふらふらとしていました。
私は現状を克服しなくてはいけない。
このままでは、私は壊れてしまう。
その時にハッキリと自覚しました。
自分の力ではどうしようもない、それでもどうにかしなくては何も終わらない。心身共に壊れるだけだ。
スマホでどうすれば良いのか調べた後、摂食障害に理解のある病院が行ける範囲にあることを知った私は母に相談しました。
母は情報を得た後で予約の後、すぐに連れて行ってくれました。
母が私を見ていてくれたことには感謝しかありません。
そして、相談できたことや早くに行動できて本当に幸いでした。
その後
連れて行ってもらった病院の医師は予想以上に理解と知識のある方で、過食の根っこにある精神的な問題を克服するために私自身を調べた上で、必要な薬を処方してくれました。
その薬を服薬しつつ定期的に医師に相談しながら、過食行動は治まりました。
その後はダイエットを始め、2〜3年。
現在は標準的な体重と標準的な体脂肪率の健康的な身体になりました。
食事に関しては恐怖心があったり、美味しく感じなくなったりと完全に克服したと言えるのか分かりません。
それでも、可愛くなりたいと思えることや可愛くなれると信じられる自分にはなれました。
摂食障害について
これは私の場合の話です。
その人によって様々な要因や環境など、一概に摂食障害と言っても問題も解決方法も数え切れないほどあります。
摂食障害かもしれない、と思った時に電話相談ができる場所もあります。
摂食障害にも様々な種類があるので、食事に関して少しでもおかしい・苦しいと感じたら、それは自分だけでどうにかできることではないかもしれない……と、私は思います。
ボディーポジティブという考え
この記事の「言葉」で触れた、ボディーポジティブという考えについて。
私は自分自身を愛せる身体なら太っていても細くても、それが最高に美しい姿なのだと思います。
まだまだ美への固定概念は消えないですし、この運動を馬鹿にする声も耐えません。
否定的な行動をする人も多くいます。
太っていることや痩せていることについて言及していいのは、健康か不健康かを判断する医者か自分自身だけ。
細くても太っていても、コンプレックスである場合も自慢である場合もある。
気軽に「羨ましい」とも「怠惰」とも言うべきではないと思います。
私は痩せることを選びましたが、どんな体型の自分を好きになるかは自由です。
終わりに
生きる上で大切な食事を苦痛に感じたり、否定的であることは辛い。
過食の経験をして、そう感じた私の話です。
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