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株式トレード上達への道

この記事は、筆者の実体験をもとにして作成した、一意見です。自己紹介ですが、筆者は本職は医師の兼業投資家・トレーダーです。循環器内科(心血管の専門)の勤務医として働いており、医療の最前線で働き、若手医師に指導しながらも、学会や研究会には積極的に参加し、自分自身も常に学び続けるよう努めています。日中は仕事に全集中しており、株式投資は趣味で、本業に差し支えのない範囲で楽しんでいます。趣味ですが、トレード成績は毎年プラスリターンで、最近は2年連続でSP500を上回っています。

段階毎に異なる成長戦略

最初は書物や動画コンテンツで幅広く投資の基礎を学び、慣れてきたら投資スタイルに応じて情報を選別して質を高めることが、トレードや投資が上達する道のりだと私は思っています。この概念は、何も株式投資にとどまるものではありません。教科書(専門書)や実地体験で幅広く基礎を学び、最終的には専門性を高めて自分の得意とすることを伸ばしていく、すべての分野で通じる一流への道と信じています。そしてある一定のレベルに達したら、素晴らしい技術や思考は色々な人に共有し分け与えることが望ましいと思いますので、積極的に情報発信をお願いします。

初期はとにかく幅広く学ぶ

ETFや投資信託でけでなく個別株投資に踏み切りたい、もっと投資を楽しみたい人は、とにかく情報をインプット、アップデートし、金融リテラシーを上げることは大切です。書籍は、その作成過程や作成者の時間のかけ具合から、信頼性と質が高く、大いに参考するに値する媒体です。幸い外国の方の書物も日本語で簡単に手に入る時代ですので、『自分の成長への投資、自己投資』は惜しみなく資金を投入した方が良いです。また、Xでインフルエンサーの呟きを拝見するもよし、Youtubeで投資関係の動画を見るもよし、PostPrimeやKabukura.aiを使用するもよしです。動画コンテンツの視聴は、デモンストレーションやシミュレーション感がでるため学習効率が高いと思います。ただ、書物よりは情報量が少なく、情報元(ソース)や真意が明らかではない場合もあるため注意が必要です。特に身分が明らかではないインフルエンサーの話は、参考にしながらも、鵜呑みにしないよう、気をつけた方がいいでしょう。しっかりとした成績を残している方が安心です。

高い塔を作るためには、土台は広く大きい方がよく、可能ならばしっかりしていた方が良いです。これも、投資に限ったことではありません。スポーツでも基礎練習が大切なように、勉強でも基礎学習が必要なように、基礎を固めて土台をしっかり作ることが、今後の成長につながっていきます。以上より、最初は大きい土台を作るために幅広く、可能ならば信頼性の高い媒体で、時間と手間をかけて情報収集を行なってください。

慣れてきたら陥りやすい苦悩

①インプット過多での息切れに注意

色々と手を出しすぎて息切れしないようにしてください。日本株投資だったら仕事中に株価値動きが気になったら本業に集中できない可能性がありますし、米国株投資だったら貴重な睡眠時間が削られる可能性があり、健康上良くありません。投資の最も強みは、複利効果、すなわち時間を味方にできることです。長らく続ければ続けるほど資産は増えます。

例え今は独り身で若くとも、仕事が増え、家庭ができ、体力も減り、どんどん時間が足りなくなっていきます。その中であちこちにアンテナを張って張り詰めていると、心身共に疲労します。心身共に疲弊している状態では、継続は困難でしょう。負担軽減のためにも、最初のようにひたすら時間をかけて情報収集していた習慣を避け、インプットする情報を選択したほうが良いでしょう。

②混ぜるな危険

投資にはバリュー投資やグロース投資など、幾分か流派があるので、様々な流派の意見を取り入れると軸がぶれます。例えば、企業価値に対して割安だと判断し株式を買う行為はバリュー投資で、投資家寄りです。一方、モメンタムが強くチャートが右肩上がりになっており、新高値を更新する時に株式を買う行為はグロース投資で、トレーダー寄りです。トレーダーの目線では株価が下落し損切りしている場面でも、投資家の目線では株価が下落し魅力的になるため購入する場面である、などです。またトレーダーにも株式保有期間が数日〜数週間であるスイングトレードや、1日で完結するデイトレードなど多岐に渡ります。様々な情報に溢れる世の中ですので、閲覧した情報や株式推奨を、混同しないようにすることが大切です。

高い塔を建てるために必要なこと

土台がある程度固まり、次のレベルにステップアップ、つまりより利益を求める段階に達した場合、必要なことは情報の選択・集中学習です。誰もが悲観的な時、注目していない時が相場の底や上昇への転換点で、最大の投資チャンスがあります。誰もが熱狂している時、注目しているときは相場の天井や下落への転換点、株価変動のもとです。SNSやニュース、アナリストの分析はまったくと言っていいほど当てにならず、時に逆指標として使用しても良いレベルです。言い方は悪いですが、いわゆる「ノイズ」をカットし、自分が信頼している情報源(人物や書籍)を振り返り、反復学習を行い、質を高めることで、グッとトレードや投資成績が伸びると思います。

SNSは自分の成長につながるか

やる気の根源、自己肯定感の向上は、①関係性(人とのつながりを感じる)、②有能感(何かをできそうと感じる、達成する)、③自律性(誰かに言われたからではなく自分の意思で行う)、が満たされることだと言われています。SNSでの発信は、これらの欲求を満たし、自己肯定感を上げます。もちろん、自己肯定感を上げることは非常に大事なことです。マスターの域に達しており、不労所得の確保や副業として、営利目的で情報発信して、収入を得ることも、SNSや情報発信する大きなメリットです。また他者に発信する(教える)ことで、自分自身が深く学習したり復習することができるため、情報発信は学習効果も高く、有効でしょう。ただ、ある程度金融リテラシーも固まり、「トレードがもっと上手くなりたい、投資がもっと上手くなりたい」という目的でSNSを利用することは、オススメできません。SNSはあくまで娯楽で、ノイズの塊です。目的を間違えてSNSの利用を継続してしまうと、負担になるばかりで、上達への遠回りになる可能性があります。自分の成長に必要なものは一旦何なのか、ぜひ一度客観視してみてください。

私の成長過程、お気に入りの書籍

私は以前は様々なサービスを利用していましたし、動画コンテンツもいろいろ見ていました。投資への学習時間を割いているつもりでしたが、トレードはうまくいきませんでした。そんな時、情報の選択を行いました。購読していたサービスを大半やめて少数精鋭にしぼり、SNSの閲覧時間も減らし、お気に入りの書籍を繰り返し読むことで、より良いトレード成績を築くことができています。それは良い書籍やメンターに出会ったことも起因していると思いますが、情報の選択とノイズカット、質を高めた影響の方が大きいと思っています。

参考程度に私がお気に入りにしており今でも何度でも読んでいる書籍たちは以下のものです。

・US Investment Chanpionshipで何度も優勝経験と伝説的な成績をおさめているMark Minervini氏の書籍:
「株式トレード基本と原則」「ミネルヴィニの成長株投資法」「成長株投資の神」

・最適なトレード量を求めるOptimal fを提唱したRalph Vince氏の書籍:
「投資家のためのマネーマネジメント」「ラルフ・ビンスの資金管理大全」

・色々な媒体で情報発信しており米国在住で老練な広瀬孝雄氏の書籍:
「世界一わかりやすい米国株投資の技法」

・楽天証券のトウシル動画でも出てくる足立武志氏の書籍:
「株価チャートの教科書」「ファンダメンタル投資の教科書」
最近出版された「賢く稼ぐコツがわかる 株のはじめ方」「決算書の基本と読み解き方」(デザインも現代的でわかりやすくまとまっています)

・マーケットサイクルの教科書Stock Trader’s almanacの編集長であるJeffrey A.Hirsch氏の書籍:
「アノマリー投資」

・グラフも用いられて分かりやすくサイクルの理論を解いているHoward Marks氏の書籍:
「市場サイクルを極める」

参考:
星友啓「ダメ子育てを科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと」
Mark Minervini 「ミネルヴィニの勝者になるための思考法」


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