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「売りのタイミング」 ④ せっかく得た利益を逃さないための利確方法

環境に応じた利確の変化

筆者は、弱気相場や強気相場、株価の値動き、early entryしているか等で、利確の程度をコントロールしています。例えば、弱気相場では2:1のratio(損切り-7%に対して利確+14%)、強気相場では3:1のratio(損切り-7%に対して利確+21%)を設け、できるだけ強気相場で利益が伸びるように設定します。株価が急騰し1日で+5〜+10%上昇するのであれば、調整として下落する可能性が高くなってくるので、半分ではなく7割や10割利確します。

下記の$CABAでは、9月18日に1日で18%上昇しましたが、1日で急騰するほどの株価上昇後には、調整として下落が来ることが予想できたので、アフターで全売却しました。

2023年8月〜9月の$CABAだが、もみあいパターンから下落する日もありながら徐々に上昇していき、最後は1日で18%も上昇する急騰だった。もともと利益の出ていない若いbiotechの株で株価変動は大きい方であるが、1日で10%以上の上昇はやりすぎだ。ここでしっかりと利益を確定し、次のbaseの形成までじっくり待つつもりで全て利確した。

逆に、+1%程度の上昇が毎日続き、出来高も徐々に増えていく様であれば、今後もそのまま長く上昇が続くことが予想されるので、利確は半分程度に抑え、じっくり待ちます。下記の$PWRでは、もみあいながらも下落日は1%未満、上昇日は1%程度と良い綱引き具合で時間をかけて上昇していたので、当時は成績が良くないため目標点到達で利確を優先しましたが、利確を半分に抑え、もう少し上昇するのを待ってから全利確し、平均利益を伸ばすことができました。

2023年4月〜7月の$PWRだが、上昇日は1%前後に対して下落日は0.5%程度で、買いが優勢で、時間をかけながらも徐々に上昇していく、理想のタイプの値動きだった。こういう穏やかな上昇トレンドには、じっくり乗った方が、するすると株価は上昇していき安心感もある。+14%、+21%の2回の利確を行い、平均18%程度のプラスのトレード成績となった。

early entryを行った場合も、基本は利確しますが、利確の割合を3〜5割程度に抑え、breakout pointからはまだ伸びしろがあるため、さらなる上昇に期待して多くを保持します。臨機応変な対応が必要になりますが、「調整が想定されたら多くを利確し下落に備える」「じわじわ長く続く上昇が予想されたら少量利確し上昇に備える」と、ポジションをコントロールしてトレードすると良いかもしれません。

利益を下支えする損切りのような利確(back stop)

例えば、今保有株式が+10%の状態で、FED幹部や議長の発言、重要経済指標の発表、決算日を迎えるとします。議長のタカ派発言、経済指標のnegative surprise、悪い決算で株価が下落する場合があります。せっかく+10%まで到達したのに、そのままずるずると損切りラインまで保有して+10%が-8%になってしまうのはもったいないです。その様な場合、最終防衛損切りラインを、損益分岐点〜+2%程度に上げたうえで さらにポジションを半分にするポイントも+8%程度にして、全体的な損切りラインを上げておきます。損切りというよりは、 後退しすぎないように下支えの防衛ラインを設ける(back stop)イメージで、逆指値(成行)の調整を行います。このように損切りライン(逆指値のライン)を利益に応じて上げていき、下落しても損失にならないよう、少額でも利益を逃さないことも、勝率をあげる上では大切な方法です。

ブームには乗り、バブルで売る

私が大切にしている言葉は「皆の興味が最高潮で売り、興味がなくなった時に買い」、です。バブル(bubble)とは英訳の通り「泡」であり、消えてなくなるものです。バブルでは、指数関数的に株価がぐんぐん上昇していき、時に垂直に近い株価上昇を見せ、大きく頂点となった所ではじけ、下落し泡となります。これがclimax topといわれるパターンで、今後も投機的なありえない上昇が続くと思い込み、乗り遅れたくない一心で買った場合、泡となり消えてなくなってしまうのです。ブームには乗り、バブルは売る、これが定石です。もし投機的な急上昇があり、それに乗っていたら、是非その強さの中で売り抜けてください。

参考:
Mark Minervini 「株式トレード 基本と原則」「ミネルヴィニの成長株投資法」「成長株投資の神」

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