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「売りのタイミング」 ① 損切りの必要性

個別株投資には自然とレバレッジがかかっている

米国個別グロース株投資を行うにあたって気をつけなければいけないことは、それ自体「レバレッジがかかっているような状態」ということです。つまり、SP500やNASDAQなど指数に投資するよりも、個別株に投資すると値動きがより大きいです。個別株にどの程度レバレッジがかかっているかというと、β(ベータ)をみればある程度わかります。MarketSmithでは個別株毎にβの記載があり、過去1年間で個別株が指数に比べてどの程度の割合で動いたかが表示されています。つまりβが2.2の場合は、指数が1動いた時に、2.2動く、つまり2.2のレバレッジがかかっていることになります。βが高ければ高いほどレバレッジがかかっており、ハイリスクハイリターンです。もちろん、値動きが大きいため、より利益を得る可能性があり、それに魅力を感じて米国個別株投資を行っているわけですが、リスクの面も十二分に知っておく必要があります。個別株は、取引当日の下落のスピードや時間外での下落幅は大きいです。すべての乗り物にはブレーキがあるように、信用取引には最低委託保証金率(追証)が設定されているように、個別株投資の際にも、同じように「自分自身で」損切りラインを設けるべきです。

損切りラインの考え方

基本的には、「買いのタイミング」 ③ Volatility Contraction Pattern (VCP) で言及した通り、最後の株価変動(volatility)をもって、その安値を損切りラインに設定することが、リスクは低いでしょう。Breakoutの場合は、最後の株価変動(高値と安値の程度)が8%未満であれば、抵抗線(高値)を越え購入後、-8%の株価で損切りラインを設定します。Early entryの場合は、買値、または購入前日の終値や安値を下回った所で損切りラインを設定するのが一般的でしょう。

株価が上昇するにつれて損切りライン(抵抗線)までの幅が大きくなってしまうため、株価が大きく上昇した所でのentryは好ましくありません。例えば、直前のvolatilityが-6%でも、breakout pointから+4%の時点で株価を購入してしまった場合、下値の抵抗線は購入点から-10%の場所になるため、-8%の損切りでは損切りさせられる可能性が高くなります。Entry後に損切りを決めているため、トレードがうまくいかなかった場合、損切りに改善点があるというより、entryに改善点があることになります。株価の値動きを見て、まず損切りラインをどこにするか決めてからentryすることが、リスクリワードを考える上で理想です。

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