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「買いのタイミング」 ④ 早期エントリーで利益を伸ばす

Overhead supplyがない、つまり抵抗線を越えた際に買うことが王道で、リスクも少ないentryの方法ですが、この記事では、リスクをとって利益を伸ばす1つの方法として、早期エントリーを紹介します。早期エントリーには、何個か方法が分かれており、IBDの動画でも紹介されているものと合わせて紹介します。

Baseの下/中間で形成される水平の抵抗線を越える時

Minervini流ではこのentryのことをCup-Completion-Cheat (3C) pattenと言います。Baseの下段で形成される抵抗線はlow-cheat、中断で形成される抵抗線はmid-cheat、上段で形成される場合はhigh-cheatで、high-cheatは古典的なCup-With-Handleです。

$TMHCの週足チャートのうち、黒枠で囲んだ場所が下図の日足チャートである。2022年〜2023年にあたるが、大きなCupを形成している。
50日移動平均線は2022年1月頃から下向きになりdown-trendとなっていたが、11月から立ち直しup-trendとなった(赤矢印)。12月に株価変動が穏やかになり、出来高も小さく(青四角)、市場参加者の興味がうすれていた。ちょうどそのラインが黒線の抵抗線になり、2月末〜3月に反発した高値付近である。$32.22-85のラインでも良いと思うが、gap-upがあるため、2023年1月3日のこのラインが理想と考えた。

$TMHCでは、2022年〜2023年にかけて大きなcupが形成されています。株価は下落し50日移動平均線は一度下向きになりましたが、数ヶ月を経て上向きに改善しました(赤矢印)。その過程で、値動きが穏やかなポイントがあり、さらにその場所の出来高も小さく(青四角)穏やかです。この上段で形成されるポイント(黒の抵抗線)こそ、high-cheat areaでしょう。Cup-With-Handleの亜型と考えても良いと思います。Handle部分の高値が、Cupの左側の高値より低くてもOKです。

ダウントレンドの上値を結んだ斜めの抵抗線を越える時

かなり早いentryの指標となる斜めの抵抗線である。50日移動平均線のdown-trendの中で反発する高値は、きれいに抵抗線となって反落している。2022年11月10日の前までは出来高が少なく、11月10日にgap-upを伴いこの抵抗線を上に超え、出来高も伴い、安値も抵抗線を割ることはなかった(緑矢印)。さらに慎重に動く場合は、さらに次の日も高値を更新するcomfirmationを待ってもよいと思っている。

株価下落のダウントレンドでは上値がどんどん下がっていきますが、その上値を結んだ斜めの抵抗線を越える際にentryする手法です。個人的には斜めのトレンド線を引くことはあまりしないのでこのエントリー法はあまりしないですが、かなり早期のentryとなります。50日や200日移動平均線も上向きではないタイミングが多く、需給の見極めが難しいポイントですが、ここでentryできれば利益は非常に大きくなります。黒のトレンドラインを安値も上に抜けて出来高も伴う日(緑矢印)が、理想的なentry pointでしょう。

Baseの底で、終値が出来高を伴ってバーの半分より上に引ける時(ハンマーサイン)

$NVOの日足チャートのうち、黒枠で囲んだ場所が下図のチャートである。
50日移動平均線がup-trendで、その中で3/16は下に割ったがハンマーサインで、かつ出来高も伴い、底を思わせる形となった(黒矢印)。この翌日に高値を更新したところで、筆者はentryしている。

上昇トレンドの中で、baseや値動きの底(最安値である)と思われる時にentryする方法です。2023年3月の$NVOの値動きを見ると、3/16に出来高を伴ってハンマーサインが出ています(黒矢印)。ハンマーサインとは、ローソク足において実体が上にあり下ヒゲが長くのびるハンマーのような形をしたチャートパターンで、安値から一気に買われて高値で引ける日内値動きのことを指し、強い需要を意味します。このハンマーサインが出た翌日にentryしていますが、その後は強い需要のままスルスルと株価が上昇していることがわかります。

まとめ

以上、3パターンの早期エントリーのタイミングを紹介しました。いろいろな形がありますが、David Ryan先生は、難しく考えずとりあえず高値に線を引く “Don’t make it complicated, just draw the line over the majority of the base”と表現されています。ただ、この早期リスクを高く背負って利益を大きく伸ばすときに使う手法なので、トレード成績が良い時でリスクを高めに取れる時であったり、またたてるポジションサイズも予定の1/2–1/3とお試しサイズでの購入が理想です。成績が悪い時に、fullポジションで行くと痛い目に遭うことがありますのでご注意下さい。

参考:
Mark Minervini 「株式トレード 基本と原則」「ミネルヴィニの成長株投資法」「成長株投資の神」
Youtube “How To Buy Stocks: Spotting Early Entries On Potential Breakouts“ 

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