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「TAKARAJIMA」制作後記

備忘録

今回の録音のコンセプトは『吹奏楽曲と勘違いされがちなこの曲を、吹奏楽の楽器をつかって、オリジナルのアレンジでやったらどうなるか?』というもの。たまにショッピングセンターなんかで聴く中学生や高校生の演奏で『作曲:真島俊夫』と紹介されるのが我慢ならなかったというのがきっかけです。
思いのほか時間がかかってしまった今回の動画、己の読みの甘さと技術的に不足している点、今後の改善につなげるために記録として残しておきます。(でも多分次も同じ失敗をする)

楽器

ベースはいつも通りバスクラリネット、ギターパートのカッティングは、ざっくり3和音なのでクラリネットと一部アルトサックス×2とテナーサックスで置き換え。
ピアノパートは本当は友人に依頼予定(ていうかまだ依頼中)だったのですが、ベースの和音や目立つところはクラリネットでカバー、途中のピアノソロは最初からクラリネットで完コピをするつもりでした。
迷ったのがシンセのパートで、コードの全音符だけならMIDIキーボードでもと思ったものの、つい吹かなくなりがちなフルートにして、グロッケンのパートだけMIDIキーボードでカバー。
で、メインのメロディーは長く友人から借り受けているウインドシンセ AKAIのEWIの4000SにアナログのEWI3000mをMIDI音源としてミックスしてみました。

返却することも叶わぬまま…

録音

マイクやI/Oはいつもの構成ですが、今回はMIDIの音源を持っていたのでそれを聴きながらカバーして、録音した1パートずつ消していくという、いつもと逆の手順なので『音が少しずつ分厚くなっていく楽しみ』は無く、むしろ『なんか最初はカッコよかったのに、どんどん野暮ったくなる』という辛い制作過程でした。
この時に気が付いたこととして、自分の管の音だけを重ねていくだけの時は気にならない程度のピッチのズレに違和感を感じて非常に耳障りだったということです。
そりゃあMIDIの正確無比な440Hzにはかないっこありません。
(ただ、ここで気が付いたことを逆手にとって活かせたこともあります)
テンポは♩=125で設定。バックやメインのメロディはともかく、各ソロのパートはチョット難儀する速さでしたが、そこはまぁ一人多重録音の気軽さで、フレーズごとに切ったり繋げたり、1/2倍速で録音して×2倍にしてみたり…うん、まぁ色々やりようはあるというものです。

要所要所を抑える小刻みな継投

シンセの音+吹奏楽

以前書いたように中学入学と同時に吹奏楽部に入ったのですが、時代はフュージョンの全盛期、吹奏楽でもTRUTHが流行っていた時代です。
入部時にも先輩方が歓迎演奏として何曲か演奏してくれて、曲は忘れましたがその中にシンセを入れた曲がありました。ただ、音が非常に薄く感じて、演奏の後に『今日の演奏の感想を』と聞かれた時に、周りの皆は『感動しました!』とか『一杯練習してこんな演奏ができるようになりたいです』とか素直な新入生的コメントをしている中、『途中に入っていたシンセの音が合ってないと感じました』とかオブラートにもなんにも包まず放言したのも若気の至りというやつです。
で、今回その呪いが30有余年を経て自分に跳ね返ってくるのですが、とりあえずウインドシンセのパートはEWI4000s内臓の音と、昔使っていたEWI3000mの音源部分を引っ張り出してきて、MIDIで繋いで2つの音源を同時に鳴らすことにしてみました。それでもどうも埋もれてしまう感が強かったので、管楽器を録音していた時の違和感にハタと気が付いてウインドシンセだけ441Hzにしてみましたがどうでしょう?

編集

収録と編集はいつも通りCakewalk by Bandlabですが、有料になるという噂もあり、今後の動静が気になるところです。
今回はウインドシンセがメインということで、ベースラインとソロ、目立つ部分以外の管楽器パートはコンプレッサーとフレーズごとのボリュームのコントロールでひっそり鳴っているくらい極力抑えめにする贅沢仕様。カップラーメンを天然水で作るが如き生楽器の無駄遣いです。

緑のラインがボリューム。ピンポイントで上げているのがよく分かります。

ベースラインも、いつもの生楽器系の曲ならバスクラリネットで録った音をコピーして1オクターブ下げた方をメインにするくらいのバランスですが、今回はベースギターのようなリズム楽器でもあるので、よりタイトにするべく元の音の音量の方を大きくしています。
逆にウインドシンセやソロパートはゴリゴリに強調したかったので、コピーして+8vaや-8vaを加えています。
また、タイミングを揃えすぎるとピークが立ちすぎるという記事をどこかで読んだので、それぞれのタイミングを微妙にずらしてディレイの効果も狙いつつ…という感じです。(プロはすげぇや…)
実は今回時間がかかった理由の一つは、このリミックスの作業が楽しすぎてやってもやっても終わらない感じになってしまって、『これはアカン』と思って見切りをつけて、映像の編集は半日で終わらせてリリースすることに相成りました。

ウインドシンセの4パート分。これくらいでタイミングをずらしています。

改善点やら反省点やら

今年は編成が肥大気味というか、妄想が膨らみがちというか一人でやれることをもう少し考えてこの手の曲は年に1回くらいにすべきだなぁというのが一番の反省点ですね。
あとはドラムも友人に依頼予定(ていうかまだ依頼中)だったのですが、リリースを急ぐために手持ちのMIDIの音源をそのまま流用することになったこととか、いつも通り曲の中での全体のボリュームの調整を忘れていたりとか、録音後にEWI3000mの音源ユニットが電源が入らくなったりとか…
あと、編集で音をいじるのに慣れ過ぎて、元の演奏がどんどん雑になっているので、改めて生音を鍛え直さないといけないなぁというのに気が付いたので、しばらくは小編成に絞っていこうと思います。

今回の録音後、電源が入らなくなったEWI3000m音源ユニット。後でバラシてみよう。

あと、実はこの曲、何度かバンドの候補曲として挙がっていたのですが、毎回ギターとベースの消極的反対(『いや、まぁ受けるとは思うんだけどね…』)で演奏しなかったんですよね。
で、自分で両パートを吹いてみて分かったんですが、ピアノとウインドシンセ以外は完全に伴奏なので、うん、あんまり積極的にやりたくはならないかな…(^^;)

労働系クラリネット(=ギターパート)

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