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【秋葉原アンダーグラウンド】 第8章 14話

タクの攻撃の合図とともに、タクの四方から白虎、朱雀、青龍、玄武の幻影が飛び出す。そして四神はレンの四方から同時に攻撃をしかける。さすがにマズイと思ったレンは玄武・剛で身を守るもすぐに破壊されてしまい、今度こそ直撃を受けてしまった。レンはその場に倒れ今度こそ動けないでいる。


「はぁ、はぁ・・・なんて出力量だ・・・だがこれはさすがに効いたろ。」

「・・・」

「レン!」


タクは能力を使い果たしたのか、重力が解除されていた。シュンはようやく動くことができ、レンのそばまで移動した。


「レン!しっかりしろ!」

「くっ・・・」

「まだ息があるのか?やっぱりお前は特別なんだな。そういうところが昔からゆるせなかった。」


タクはゆっくりとレンへと近づく。目の前ではシュンが止めようとしている。


「どきなよ。オレはそいつに用があるんだ。」

「はっ。人ひとり殺せねぇやつが何言ってやがる。」

「煽っても無駄だ。どうせ全員殺すつもりだ。それとも時間稼ぎのつもりか?」

「シュン、やめろ・・・」


タクは刀を振り上げ、ついにシュン目掛けて振り下ろした。鮮血がほとばしる。タクはその場にうつ伏せで倒れてしまった。


「シュン!」

「心配するな。すぐにお前もおくってやる。」

「くっそぉお・・・動けよぉおお・・・」


レンは起き上がりたくても起き上がれない。それだけに能力も体力も使い果たしてしまった。目の前でタクが刀を振り上げているのが見える。


「じゃあな、ヒーロー。」

「四神!」


タクは声のした方向をみると、先ほど自分が放ったのと同様の四神が襲いかかってきた。タクはシンの力を使い、それらを切り裂く。しかし、全てを裁ききることができず、一部直撃を受ける形となった。タクはそのまま吹き飛ばされる。


「レン、大丈夫か?」

「エンさん、オレよりシュンのやつを・・・」

「これはひどい・・・シュン、少し待ってろ。」


エンはシュンに能力を流し込み止血を施す。シュンは気を失っているのか反応がない。だが次第に呼吸が整っていくのがわかった。


「ひとまずこれで大丈夫だろう。あとは本人次第だ。」

「ありがとう、エンさん。ところでタクはどうなりました?」

「わからない。全て当てることはできなかったが今はのびている。というかやつは何だ?シンの力を使っていたように見えたが。」


レンはタクの能力を説明してやった。エンははじめ驚いていたが、すぐに冷静さを取り戻した。四神に加えシンの能力まで使ったとなると能力の消費が激しいはずだ。すぐには起き上がれまい。しかし、タクはふらふらと立ち上がった。


「四神ね・・・まさかこんな簡単に出されちゃ立場がねぇなぁ。」

「そんなことはないよ。消費が半端ないからね。二度は出せない。」

「それを聞いて安心したぜ。」


タクはそう言うと再び風を集め始めた。まさかもう一度四神を放つ気なのか?こいつの能力の総量は一体どうなっている?


「疑問に思っているだろうから答えてやる。オレの能力の総量はとっくに底をついている。だが、バックアップとして総量をコピーしているとなれば話は別だ。ロンよりも誰よりも総量が上のやつがこっちにはいる。」


レンやエンは知らないが、おそらくハクのことを言っている。それよりもタクの話が本当ならもう一回は四神を放てるはずだ。その証拠に風はどんどん集まり、四神の姿を形作っていく。


「これで終わりだ。四神同時発動。」


完全顕現された四神が再びレンたちを襲う。エンはその発動と同時に玄武・完整を出すが、能力が底をつき出力が弱く、簡単に壊されてしまう。そのときだった。エンの後ろで膝をついていたレンが立ち上がる。


「タク、オレもお前に教えておいてやる。四神はこうやって扱うんだ。」


レンは四神!と叫ぶと、四神を同時発動させタクの四神を迎え撃った。


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