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マインドツリー vol.1 2015/12/26

マインドツリー2015-無伴奏チェロリサイタル- 20世紀以降の作品を集めて2015/12/26 ルーテル小石川教会

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プログラム

藤倉大(1977-) : エターナル・エスケープ (2001/2006)
高橋宏治(1986-) : Melody(初演)
デュティユー(1916-2003) : ザッヒャーの名による3つのストロフ(1976)
ラッヘンマン(1935-) : プレッション(1970/2010)
青柿将大(1991-)/ Anthropométrie(2015 委嘱初演)
進藤綾音(1988-)/ 黒猫・白猫 チェロと映像のための(2015 委嘱初演)
酒井健治(1977-) : モノポリフォニー/デフィギュラシオン(2014年)
クセナキス(1922-2001) : コトス(1977年)

第1回目の「マインドツリー」

20世紀以降の無伴奏チェロ作品を集めたリサイタル「マインドツリー」、その第1回目から、委嘱作品を初演する、20世紀の外せない無伴奏チェロ曲を加える、プログラムになんらかの関連性を持たせたい、、の重要な部分は決まっていたようです。

デュティユー、クセナキス、ラッヘンマン

もう1回目で20世紀の最重要な無伴奏チェロ曲を3曲弾いてしまいました。。

ラッヘンマンのプレッションは「特殊奏法しかない」ような曲です。どんなことをしているかをお客さんに見てもらいたいと考え、目の前においたカメラをスクリーンにライブで映す、ということをやっていました。(ノイズとか大丈夫だったのかな、、)今思えば当時の演奏、あまりどのように特殊奏法をするか、とか分からず弾いてましたね 笑

デュティユーとクセナキスは2曲ともロストロポーヴィチに関連した曲です。デュティユーは、パウル・ザッヒャー(Paul Sacher)の70歳の誕生日を祝うためにロストロポーヴィチが委嘱した作品、クセナキスはロストロポーヴィチコンクールのために書かれた作品です。

藤倉大、酒井健治

クセナキスのコトスが書かれた1977年に生まれた2人の邦人作曲家の曲も演奏しました。マインドツリーシリーズの記念すべき1曲目は2001年に書かれたエターナル・エスケープという藤倉大さんの曲でした。非常にエネルギッシュな部分がほとんどですが、たまにdolceで歌うパッセージが現れます。

酒井さんのモノポリフォニー/デフィギュラシオンは中木健二さんのB→Cのために書かれた曲です。バッハの第5番のサラバンドが重要なモチーフとなっています。


高橋宏治、進藤綾音、青柿将大

確か、この年に高橋宏治、綾音夫妻が(留学先の)デンマークから帰国する、ということもあって2人の新作を弾こうと決めました。高橋くんに曲を書いてほしい、と依頼したところ、「とあるコンクールのために書いた無伴奏ヴィオラの曲があるが未初演なので弾いてほしい」、という返信がありました。それがこの曲です↓

進藤綾音さんの「黒猫・白猫」はチェロと映像のための作品で、僕の演奏に合わせてエレクトロニクス奏者(綾音さん)がスクリーンに映された映像と音をライブに加工していく、、というような作品です。

ちなみに、山澤慧無伴奏チェロリサイタルでは、「無伴奏」の定義をチェロ奏者一人で演奏し得ること、としています。この曲は今のところ唯一のレギュレーション違反です。(と思っていたら梅本佑利君の登場でこの定義がどんどん揺らいでいます)

青柿くんのチェロとオーケストラの作品、「ミメーシス」を2015年の春に演奏したことをきっかけに、委嘱することにしました。フランスの画家、イヴ・クラインの作品がモチーフとなっています。変則調弦(GGDG)と、ヘアピンでプリペアドされたチェロを使います。

青柿将大:ミメーシスの演奏動画 http://arcmusic.geidai.ac.jp/4838

マインドツリーとは

「1つの主題を中心として関連する言葉を放射状に拡大した図のこと」だそうです。この無伴奏チェロリサイタルのプログラムを決めるときに、(制作の株式会社クロスアートの皆さんの助言もあって)マインドツリーを用いました。それをそのままシリーズのタイトルにしてしまった、、というわけです。

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何が何やらわからない。

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