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【過去記事】世界のセックス教団

竹書房の雑誌『特冊新鮮組DX 』に2006年に書いた記事です。
この時代はアイドルグラビアと読み物記事をごっちゃにしたコンビニ売り雑誌がいくつもあって(一時の宝島みたいなの)、いろんな出版社さんからDXとかBXとか出ていたのですが、山﨑は2006年から2009年まで「世界のフィクサー」「世界の国家隠蔽」「ガンマン死にざま列伝」とかセミレギュラー的に書いていました。
現代だったらwikipediaでササッと調べられるのだと思いますが、当時はそれほど内容が充実しておらず、紙の本を何冊か買ったりして裏を取ったり、山﨑なりの変なフィルターがかかっていたり極論があったり、書いていて楽しかったです。「フリートウッド・マックのメンバーだったジェレミー・スペンサー」とかがシレッと登場します。
さらに文体や表現で山﨑なりに実験をしていて、それが音楽ライター的にも役立ったと思います。
『特冊新鮮組DX 』はその後アイドルに特化した『Top Yell』という雑誌になって、山﨑にはお呼びがかからなくなりました。2024年現在も『Top Yell NEO』として存続しているようですが、一度電話したら編集部に知っている人が1人もいませんでした。
こういう仕事、面白いのでまたやってみたいです。

●コラム『世界のセックス教団』

第二次世界大戦後、雨後のタケノコのような勢いで急増した新興宗教。これは日本のみに当てはまる現象ではなく、世界規模で宗教団体は増加している。教団を離脱したメンバーが新たに教団を設立するなど、もはやネズミ講のような倍々ゲーム状態となっているのだ。
そんな新興宗教団体の中で目立つのが、少人数の狂信的な信者が奇異な信仰スタイルをとるカルト教団。彼らは一般社会から白い目で見られながらも信仰を貫いているのだが、社会とのズレが大きなものとなっていき、しまいに犯罪に走っていくこともある。たとえば日本の法律では"殺人"や"幼児との性行為"は禁じられているが、教義がそれを容認する場合、信者がそれを行ってしまうのである。
さらに新興宗教の中には、教祖が世俗的な欲望を満たすために設立したものもある。彼らは金銭欲を満たすために信者からお布施を巻き上げ、性欲を満たすために信者とのセックスを行う。そのために彼らは手段を選ばず、信者を巧みに操るマインドコントロールも辞さないのである。
本特集では、成人男女1対1の関係でない性行為を行っている教団をセックス教団として扱っている。彼らの多くはコミューンで共同生活を営み、信者同士でセックス。また、ワンマン教祖のみがフリーセックスを楽しみ、信者は禁欲を強いられている場合もある。そして、ちょっとしたボタンのかけ違いによって、大惨事をもたらすこともあるのだ。
我々は彼らが自分の意思で行っているセックス活動を否定するつもりはない。他人に迷惑をかけず、法律に触れない以上、どのようなセックスをしようが当人たちの自由だ。ただ、このようなケーススタディを提示することによって、皆さんの宗教観をもう一度、改めて見つめ直していただきたいのである。

●コラム『なぜセックス教団は殺人に手を染めるのか?』

チャールズ・マンソンの"ファミリー"の例を挙げるまでもなく、セックス教団が殺人に走るケースがしばしば見られる。チルドレン・オブ・ゴッド(現在はザ・ファミリーに改名)はアメリカでは未成年との性行為などで悪名高いセックス教団であり、ロック・バンド、フリートウッド・マックのメンバーだったジェレミー・スペンサー拉致洗脳事件でも知られているが、2005年1月には教団内で救世主といわれたリチャード・ロドリゲスが信者を殺害、アリゾナ砂漠の道路際で頭を撃ち抜いて自殺するという事件が起こっている。
何故セックス教団はワンチャンスで殺人教団へと変貌してしまうのだろうか?まず言えることは、性愛衝動(エロス)と破壊衝動(タナトス)が表裏一体にあること。信仰を通じてセックスを追求すればするほど、その反対の衝動も強くなっていくという仮説を立てることが出来るのだ。
もうひとつ言えるのは、カルト宗教にどっぷりはまって視野が狭まることによって、問題に対処できなくなると過激な手段をとってしまうということだ。ウガンダの十戒再生運動のように「1999年に世界が終わると言ってたじゃん!」と非難されて逆ギレ、集団自殺に走ってしまったというケースもある。
信教の自由は守られるべきだし、どんな教義の宗教を信じようがその人の勝手だが、他人に迷惑をかけるような行為は止めてもらいたいものである。

●コラム「すべての宗教はSEX教団だ」

今回、あまたあるセックス教団をいくつか紹介してみたが、これはあくまで氷山の一角。世界には無数の宗教団体においてフリーセックスが行われている。その中には未成年との性行為やレイプも含まれており、社会問題となることも少なくない。
ただ、宗教とセックスはどちらも人間の歴史において重要な位置を占めてきたものであり、切っても切れない関係にある。よって、キリスト教、仏教、イスラム教、ヒンズー教をはじめどんな宗教においても、必ずセックスに関する教義がある。イエス・キリストは処女から生まれたのがひとつのセールスポイントなのだが、それは逆に他の聖人たちがいずれもセックスの結果生まれたことを示唆している。極論を言ってしまえば、世界中のありとあらゆる宗教団体がすべてセックス教団なのである。

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