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初北海道2日目 1989年7月25日-⑤ オシンコシンの滝〜網走

オシンコシンの滝を出てオホーツク海沿いのR334号をしばらく走ると、峰浜という地名看板が見えてさらに行くと郵便局を発見したので前に止まりこの旅何回目かの手紙を書く。それをポストに投函し走り出す。すぐに右への大きなカーブを抜けると、地平線の彼方まで真っ直ぐに伸びる直線道路が始まった。

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斜里の街は直線道路のメッカとして知られるところで、東西方向に何本もの直線道路が走っている。長いものでは30キロにもなる想像を絶するような長さだ。東京で地図を見ているときに国道よりもアップダウンがありそうな道道269号線を走ろうかなと思っていたが、昨日からもう十分直線は堪能していたのでそのまま国道を進み、ただひたすら真っ直ぐ伸びる道を行く。

斜里の市街地を抜け、途中のドライブインで飲み物を買い、とにかく西へ走る。斜里の街を知らない人はぜひ地図を確認してほしい。本当に真っ直ぐなのだ。大栄というところでようやく道は右方向にカーブを切る。そして浜小清水の地名看板を過ぎると左側には濤沸湖が見えてきた。右側に広がるはずのオホーツク海は小高い丘に遮られて見ることはできない。

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さらに進むと小清水原生花園の案内と大きな駐車場が見えたので中に入る。ここもとにかく広い駐車場だった。車を停めて丘に登る。残念ながら花のシーズンはほぼ終わりを迎えていたようで、一面に咲き誇る様子を見ることはできなかったけど、丘の上から見えるオホーツク海と国道の向こう側に見える濤沸湖の鮮やかなブルーが、少し眠くなりそうな気分をシャキッと整えてくれた。

網走に向かう。

網走は自分自身に刑務所の暗いイメージがあるからなのか、あまり訪れたい土地ではなかった。それに大きな街だしいずれもし来たくなったらいつでも来れるかなという気持ちもあって、今回の旅では通過するだけのつもりだった。ただ天都山にある「オホーツク海流氷館」にはぜひ行きたいと思っていたので、そこを目指す。そこでは季節にかかわらず展示されている流氷に触ることができるのだ。この旅の途中から断然興味の大きくなってきた冬の北海道を体験するチャンスだ。

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極地の探検家が着ているような青い分厚いジャケットに腕を通し流氷展示室のドアを開ける。室内のデジタル温度計には「只今の室温 ー13度」と表示されている。吐く息が真っ白だ。建物の外との気温差はおそらく50度近いだろう。そして目の前には巨大な氷の塊がたくさん並んでいた。

流氷、はじめまして。

そして今度は冬の海辺で会おうじゃないか!

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