こども施策のゆくえ
◆消えゆく自治体
2050年までに、日本では4割の自治体が消滅する可能性がある――こんな分析が24日、発表された。
民間の有識者グループ「人口戦略会議」が国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来人口推計を基に、20~39歳の女性人口が50%以上減少する自治体を「消滅可能性自治体」とした。
◆ショック療法
日本中に動揺が走った。
分析手法は異なるものの、10年前にも同じような予測が発表され、いわば「第一次ショック」を与えていた。
昨年、こども家庭庁が発足し、今国会で国民の負担額が問題になっていることもあり、絶妙のタイミングと言わざるを得ない。
◆自明の理
世のマスコミと口をそろえ、危機感を煽ろうとするものではない。意図は逆である。
「何を今さら。これまで、目先の利益にうつつを抜かしておいて」
というのが、正直な感想である。
最近、市長選に当選したある市長が、以前から、人口減少社会の到来を有識者が予測していた、などと述べていた。自治体の長にして、これである。
社人研が毎年発表する「合計特殊出生率」つまり、一人の女性が一生の間に出産する子供の人数の推移をみれば、将来人口などは電卓ででも推計できそうである。
◆おめでた
こども家庭庁の設置は遅きに失した。
「こどもがまんなかの社会を実現する」などと、もっともなスローガンを掲げている。では、これまでこどもや家庭は、どこに追いやられていたのだろうか。語るに落ちる、とはこのことである。
こんな体たらくだから、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に政権中枢まで付け入る隙を与えたのではないか。
時系列でみれば、こども家庭庁の設置が決まったのは22年6月、安倍元首相暗殺により統一教会の暗躍ぶりが白日の下にさらされたのが、22年7月のことだ。
彼らが蒔いた種が、折しも発芽期を迎えていたのではないか。私は、深読みしすぎているのだろうか。
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