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中国雲南省の異民族料理飯

 外国に住んでるとその土地の外国や自炊飯に慣れていくのだが、雲南省昆明では北京上海広東で見られるような外国料理屋はなく、ろくな外国料理屋がない。2005年くらいまでは日本人も西洋人もいて落武者の谷ならぬ、落バックパッカーの隠れ都市みたいになってて、なぜかイタリア人がボロ屋で本格イタ飯を作っていたりしたけれど、リーマンショックと中国庶民の所得増加で消えてしまった。

 で、異国飯の代わりによく食べに行ったのが、異民族料理飯である。

 雲南といえば少数民族の種類が中国一多い所で、昆明には彼らが出稼ぎに来て住んでいるから、各少数民族の飯屋がある(雲南独自のモンゴル族もいるし飯屋もあった)。昆明に住み始めたころは、今よりも街の規模感がずっと小さいこともあって、自転車に乗って少数民族飯屋を探しだすのが楽しかった。今じゃ街が広がりすぎて無理だ。

 全部の少数民族飯があるわけでないがだいたいあった。公認人口が最少の独龍族の飯屋はなかった。今はしらない。

 その中でもお気に入りが1にタイ族料理屋と2にチベット族料理屋で、ときどき食べに行った。タイ族というのはシーサンバンナという雲南南部に居住してる人々で、料理はタイ料理に近く、甘酸っぱいか、生唐辛子でうんと辛い。すっぱ辛い物を食べつつ、パイナップルに入ったカオニャオ(もち米)と、あとタイ族の「泡噜達(パオロォダァ)」と呼ばれる具だくさんのつぶつぶミルクジュースを挟む。これ最高。

 雲南のチベット族はシャングリラ以北に居住してる人々で、料理はバター茶とか松茸料理とかヤク肉などがある。これまた異世界飯感がある。

 雲南の異世界飯環境はまんざらでないけど、体に耐性がない外地人は現地の病院に担ぎ込まれることもあるので、無茶もほどほどに。(入院経験者かく語りき)

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