五箇山を楽しむ(上梨集落)

2023年11月24日(金)
宿泊先の五箇山荘にチェックインして、荷物(キャリー式のスーツケース)を預けてから上梨地区と菅沼地区を訪問します。
が、五箇山荘までの道のりが遠い! しかも雨が降り出し風も吹いてきて、ちょっと難儀しました。距離にして四百メートル少々、高低差は……けっこうな上り坂でしたから、二十メートルちかくはあったのかな?
普段から小樽の坂を歩きなれているはずの夫婦ですが、ゴロゴロとスーツケースを引いて歩くのはキツかったです。徒歩で来た客はぼくたちだけだったんじゃあないかしら?

風雨にも負けずにチェックインしたあと、五箇山荘を少しくだったところにある流刑小屋へ。加賀藩の主に政治犯が流刑されて来た地でもあり、こうした小屋が残っています。政治犯は主に武士ですね。ほとんどの流刑人は暖房もないまま小屋に押し込められていたとか。江戸時代は連座制で処罰されることもあったので、年端もいかない子どもが父親と一緒の小屋で暮らす例もあったのだとか。

この建物は当時のものではありませんが、古文書を元に復元しただけあって、見ていると寂しい気持ちになってきます。牢番が食べ物を差し入れるのに使った穴から中を覗くと……。

怖い!
雨がそぼ降り、あたりも暗いせいで、余計に怖かった!
何が怖かったのかは書きませんが、ちょっと怖い話のネタが思い浮かぶくらいに背筋がゾワッとしましたよ!

流刑小屋を後にして、村上家住宅(国指定重要文化財)へ。入ってそうそう、主人らしき男性が「お時間があるようでしたら、簡単にお話(説明)しましょう」ということです。もちろん拝聴しましたとも。

男性からは合掌造りの家の建て方や、産業、流刑小屋のこと(連座制のことも、ここで教えてもらいました)、そしてなんと、囲炉裏に薪をくべながら火を焚いてくれたのです。囲炉裏で実際に火が燃えるのを見たのは初めてです。さらに「こきりこ節」を歌ってくださいました。

写真ではわかりにくいですが、男性は両手に竹の棒を持っています。打ち合わせて拍子をとる打楽器で、これこそが「こきりこ」です。漢字では「筑子」で、長さは「こきりこ節」に歌われている通り、七寸五分(23センチくらい)です。打楽器ですが太鼓のバチのように持つのではなく、鉛筆を持つようにします。そして打ち合わせるたびに、二本の筑子が機械仕掛けのように回転するのが不思議でした。

村上家でお話を聞いた白山宮を見て、それでも菅沼行きバスまで時間があったので、「喫茶とお食事」の看板をかかげた「佐助」というお店(五箇山荘に続く橋のすぐそばにある)に入り、コーヒーと「とちだんご」で休憩しました。とちだんごは温かくておいしかったです。この日は寒くなったから、特にそう感じたのかな。

そして14時47分の白川郷行きバスで、菅沼を目指しました!

余談ですが。五箇山集落で側溝を覆っている鉄板はこんなデザインでした。

合掌造りの家をモチーフにしたものです。富山模様というデザインにも使われていました。