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富山旅行2日目~高岡市内散策(後段)

2023年11月23日(木)祝日
T2G計画二日目の後段です。大仏様にお参りして「悪いことはしません」と誓ってから、山町筋へと向かいます。山町筋は「土蔵造りの町並み」として、高岡観光の目玉のひとつであります。

そこに行くまでにも見どころがあって、あちこちに面白いアート作品が飾られています。
たとえば、これは鳥獣戯画のウサギとカエル。とりわけ、「オラ、もうだめだぁ~」と言わんばかりのカエルの表情が素晴らしい!

かと思えば、けやきの大木の根本にあるのは「鎮守の杜のアルチザン」と称する作品。アルチザンとは職人のこと。だれもがこの作品を見ながら自由におとぎ話を作ってヨイのだそうです。童話公募に挑戦している身であれば、即興でなにかひとつと思いましたが……。ダメでした。

さて目玉の山町筋。山町ヴァレーを覗いてみますた。山町ヴァレーは土蔵造りの建物をリノベーションしたものですが、どちらかというと地元の人向けの色が濃い感じ。中庭はなかなかきれいなので、そこだけ鑑賞して菅野家住宅へ。

菅野家住宅ではボランティアガイドのお爺さん(と書いているぼくも爺だけど)が、「よろしければご説明しますか?」とおっしゃるので、是非とお願いしました。
そのへんの町家なら400軒は建つという予算を注ぎ込んで作られた豪壮な建物です。周囲の家よりも大きいのも確かですが、それよりも細部の造りがすごい。瓦屋根のてっぺんには、薄くて鋭い感じの「雪割り瓦」が備えられていました。豪雪地方ですから、屋根に積もった雪を瓦で下から割って落とす工夫なんですね。

座敷には北陸地方独特の大きな仏壇があります。北陸の人は信心深い人が多くて、お金が貯まると立派な仏間を作ったり仏壇を買ったりするそうです。菅野家の仏壇は金箔がほどこされ、30人の職人が3年がかりで作ったとか。単純に人工計算したら、一人の職人なら90年かかります!
そんな立派な仏壇は「飾り仏壇」と呼ばれ、婚礼などおめでたいことがあったときに扉が開かれて、集まった人にお披露目するのだとか。このあたりは豪華な応接間やインテリア、あるいはガーデニングにお金をかける人の意識と通じるものがあるのかも知れません。

仏間の奥が庭に面した客間なのですが、透かし彫りの欄間に囲まれています。しかも全ての装飾や意匠の工夫は、客が座る場所から見て一番きれいに見えるという凝ったもの。凝っている、というよりは客に対する心配りを最大限に発揮されたお部屋です。古くは渋沢栄一もここで接待を受けて、高岡への出資を決めたのだとか。

菅野家住宅を出て、隣の山町茶屋へ。

ここは町家のカフェ、という風情ですね。座敷にカフェスペースがありますが、奥の大きなテーブルでは5人ほどの女性が談笑されていました。聞こえてくる話柄については書きませんが、きれいな富山訛りで、とても心がなごみます。注文したのは、焼きおにぎり茶漬け。美味しかったのですが、おにぎりはどこが「焼き」なのかはわかりませんでした。

物販コーナーもあって、女の子をモチーフにした版画の絵葉書が気になったのですが……。おじさん(実態はお爺さん)が買うにはちょっと、と躊躇して買いませんでした。

後で調べたら、高岡出身の木版画家水上悦子さんの作品だったらしいです。

山町茶屋を出て、駅に戻る途中、美味しそうなお菓子屋さんが目に入りました。古い感じの店舗ですが、どこか気品があり、地元の人らしき女性がなにかお菓子を買っていました。
「美味しそうなお菓子屋さんだなあ」と、ぼくがつぶやくと、
「あ! ここって、大野屋じゃない!」と妻が反応しました。

大野屋というのは、大伴家持にちなんだ「とこなつ」というお菓子が有名で、妻も大好きなんだそうです。日保ちをたずねると、一週間くらいというのでお土産に買っていました。

帰宅してから食べたら、上品な甘さで美味しかったです!


高岡駅までもどって来たら、「ドラえもんの散歩道」と名付けられた場所で記念撮影。

のび太のポーズを真似てみたのですが、うまくいきませんでした。頽齢によるバランス感覚の欠如と、ポーズに対する観察力不足が露呈しただけの結果です。

このあとは翌日に向かう五箇山への世界遺産バスの切符を買ったり乗り場を確かめたりしてから、ホテルにチェックイン。