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『NHK東日本大震災プロジェクト』 ありがとうございました。

東日本大震災直後に発足した『NHK東日本大震災プロジェクト』、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

私が出会ったのは、熊本地震の時でした。NHKのWさんから、「NHK東日本大震災プロジェクトというのがあって、被災した東北各地を中心に、公開復興サポートイベントをやっているのだけど、今回、はじめて熊本で開催するので、お手伝いしていただけませんか?」とお声がけいただいたのです。

「東北でも、熊本でも、お話を伺うと、やっぱり非常食についていろいろアイデアを聞きたいという声があって、なにか考えてくれませんか?」と。

東日本大震災後、自分のブログで、火を使わない料理や、小さなフライパンでご飯を炊くとか、野菜の延命とか、細々とご紹介していたのですが、「ああ、なにもできないな・・私」と思っていました。だから、本当にありがたく、ご一緒させていただいたのでした。

熊本市内、尚絅学園の栄養学を学ぶみなさんにお手伝いいただき、調理室をお借りして、「非常食クッキングクラス」を開催しました。それが、公開復興サポート明日へ、第12回でした。

以後、宮城県名取市、岩手県大槌町、そして東京や福岡(博多)でも、非常食クッキングをやらせていただくご縁に恵まれました。

名取市、閖上の海、様変わりしたと教えられた風景、当時どんな食事をしていたか、大槌でお聞きしたお話、陳腐な表現と怒られそうですが、とにかく染みた優しさ。新聞や本や番組でしか知らなかった私には仕事と言うより、貴重な経験として特別に深く刻まれています。生半可じゃない規模のイベントで、汗だくで働くスタッフの皆さんと、ホントに楽しみにしてくださっていたんだなと感じるお客さま、笑顔、かけねなしに、こちらもうれしい、気持ちのいいイベントでした。なにより災害から身を守るための学びもあり。

このご縁で1分番組「リコの非常食クッキング」にも御協力させていただきました。感謝しかないです。

これらを通して、この活動ってすごい・・と心の底から思いました。イベントの時も、なんども込み上げるものがありました。

お仕事も多々させていただいているNHKさんのこと、お世話になっているだけに、書くのがはばかられる気もするのですが、正直な気持ちを書かずにいられない。ので、迷ったけど書きます。

考えてみれば、あれから10年。すぐに被災地を舞台にしたドラマ「あまちゃん」や「八重の桜」を制作しただけではなく、3.11前後だけでなく、常に、1年中、そして翌年だけでなくずっと、NHKは放送の中で“東日本大震災”を扱い続けていましたよね。

民放さんがやったとしても、震災の日、しかも年々扱いは小さくなるばかり。でも、NHKは違っていました。「絶対に忘れさせないぞ!」という、強い覚悟を感じたのは私だけじゃないと思います。

たとえば、もし家にいたら、必ず手を止めてみるようにしていた、「あの日 わたしは~証言記録 東日本大震災~」。月~木に流れる5分番組です。2012年1月に第1回を放送後、1,100本以上を制作し放送していたそうです。これは市井の人のあの日の記録で、5分だけど、見てとにかく泣けました。1年目、5年目、8年目、と気持ちの変化も追いかけられていて、都度、記憶に刻まれました。忘れません。

「花は~花は花は咲く~いつか会うまでの君に~♪って、何度聞いたことでしょうか?ね?聞きましたよね? 意思をもって流されていたんですよね。あの復興支援ソング『花は咲く』は、NHKがヒットさせたのですよ。著作権者の方のご厚意もあり、なんと、2億9,700万円ほどを義援金として被災地に届けたのだそうです。カラオケで歌っても意味があったんです。

つまり、これらすべて、他にも、大小のあまたある1年中放送されていた番組、イベント、キャンペーン、もうそのすべてが立体的に、組織横断的に、『NHK東日本大震災プロジェクト』を軸に行われていたのだと、思います。

それが今回、優れた放送人に送られる「放送人賞グランプリ特別賞」を受賞されたそうです。ご一緒させていただいた震災プロジェクトの方からご連絡をいただきました。同時に、10年を経て、この3月末で、チームが解散されたこともお聞きしました、涙。もちろん、今後も、「明日を守るナビ」などで、活動は継承されていくそうです。

受賞理由にはこうありました。

『 震災直後に組織横断的プロジェクトとして発足した『NHK東日本大震災プロジェクト』は10年にわたり継続的に活動してきた。被災地を忘れないための放送、被災地に笑顔を届けるイベントのほか、全国の人々と被災地をつなげるキャンペーンや、世界に震災後の日本を伝える取り組み、さらには震災を記録し将来の防災を考える企画など、その活動はまさに公共放送としての真価を発揮するものである。~事業と連携した「大型イベント『公開復興サポート』」では人気番組の公開収録や展示を16回開催し、のべ11万人近い来場者となり、地元の皆さんに楽しんでいただくと共に、開催地の魅力を全国に発信してきた。この大きく豊かなプロジェクトの活動と、それを支えたスタッフ、事務局の皆さんすべてに、敬意を表して『グランプリ特別賞』を贈りたい。』

コロナが落ち着いたら、相方と東北を旅しようと話しています。私が訪ねた被災地、相方が訪ねた被災地があって、それをふたりでもう一度歩いてみよう、と。

言うは易しですが、言います。これからも、忘れない。日本中で災害も続いているからこそ。このプロジェクトに、ほんのちょっぴりですが、ご一緒させていただいたことに感謝と御礼を伝えたいと思っています。

https://www.nhk.or.jp/ashitanavi/

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#NHK東日本大震災プロジェクト #リコの非常食クッキング #復興支援イベント明日へ



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