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GW後~5月のヨンダ!

もう7月なのに、、、
5月GW明けから5月末までの読書日記。

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GWは読書三昧だったので、バタバタとして4冊だけだった。
ここから3冊というのもなんなので、ざっくり感想文。

●「食べる世界地図」(ミーナ・ホランド)
世界を旅しながら著者が出会った料理を紹介してくれる、&レシピまで教えてくれる、旅ができない今にぴったりの本。ポルトガルのアーモンドタルトをこの本のレシピで作ったのだけど、容赦ない白砂糖の量に、ひるみました。しかし、その通り作ると、かの地で食べた味に・・・ということよね、うん、甘かったもん、おいしかったけど。
実は去年、1/4まで読んで中断し積んでいたものを、ここで読了。こういう本は、どうしてもお勉強スイッチが入るので、よく中断してしまう。それもOKな、好きな章から読んでいい本なのがのがいい。

●「臨床の砦」夏川草介
中断なしで一気読みできる(できた)。さすがな小説。~この戦い負けますね、という文中のセリフを使ったキャッチコピーが、さすがだし、文章は易しく読みやすくてさすがだし、キャラクターもすぐにドラマにしたくなるくらい鮮やかに描き分けられていてさすがだし、なによりコロナ真っただ中で書かれ、出版されたのがさすがです。
恒例、個人的配役。主人公は向井君、妻はぜひ国仲さんで。コロナチームの静かなるトップは江口洋介さんかな。変人の外科医は鈴木亮平さん、院長は小日向文世さんで。そして日本テレビ風味で!

●「ひと」小野寺史宜
若手のホープ?とか勝手に思っていたら、すでに大変な人気の小野寺史宜さんは、初読み。もう人物設定がほんとによくできていて、こちらもドラマにしたくなる。亡くなったお母さんは市毛良枝さんでお願い!と、誰もがMYキャスティングしたくなると思う。“コントが始まる“のメンバーで、前略おふくろ様的な感じのドラマにしてほしいなー。本屋大賞次席とのことで、納得のストーリーテラーです。2018年の作品で文庫になっているのもうれしい。しかし・・ちょっと私には毒が足りなかったかなー。スパイスは感じたのだけれど。
舞台は砂町銀座商店街。たまたま相方と散歩に行って、2,3週間後、購入してあったこの本を開いてびっくり。最近は東京の東の方を舞台にした小説が多い印象。青山とか表参道なんて、この世にあるのか?的な東京・・・時代はめぐるな。
“いろんな人生がある”、散歩しているといつもたどり着く言葉なんだけど、そんな言葉が浮かぶ小説。

●「おしゃべりな人見知り」山本ゆり

もう、今回のこのタイトル、膝を打ちまくりです。皆さんからは社交的と思われている節がある私も、これです。めちゃくちゃよくわかるー。沈黙が怖いんですよねー。
で、思ってもいないことを言っちまったり、やらかします。人見知りなんだから黙っていたい・・・どうでもいいことしゃべるな自分・・と思いながらやめられないーやれやれ。それがこのタイトルにギュッと。山本ゆり、天才やな。

そう、何を隠そう、隠してないけど、山本ゆりさんの大ファンなのです。自慢じゃないけど、こんなにすごいことになる前、初期のブログのころから。知らない方のために説明すると、この10年で最も売れた料理本の著者と言えば、この方。大阪在住で、過日は情熱大陸にも(知らんかった―、涙)。しかーし、私がなにより好きなのがエッセイ。というか、よき意味でブログと言いたい。この数年、だから「読み物」本が刊行されてうれしいったらないぜ。だって、これこそ真骨頂じゃない?

かな~り前、彼女が、初めて雑誌を飾った時の、撮影から校正までの顛末がブログに書かれていたんですよ。「レシピの正しい書き方」をレクチャーされ、ブログとは違うから、とレシピやリードを直されコンコンと教えられたけど・・・そうなんかなーみたいなことがねー、ふわっとラップをかけて書かれていたんです。やけどしないように。
うーん、わかる―と思いました。そのやり取り(勝手に)想像つくー、涙、と。料理雑誌のベテラン編集者さんには共通のメソッドがあって、綿々と引き継がれ、鍛えられてきているから、良かれと思って、直すのだと思う。それと山本節が違っていたのでしょう。結果、山本さんの料理を伝えるために必要なニュアンスもなくなっちゃったのかもしれない。それめちゃくちゃ残念ですよねー。
でも、今は、誰も山本節を矯正する人なんていない。彼女が、半端じゃない多くの人に支持されている理由が、はっきりわかったからだと思う。このあたりの流れって、きっと料理雑誌やレシピに革命を起こしたんじゃないかと・・。
そもそも、料理家はレシピを考えるマシーンじゃないから(かつてはそういうポジションもあった)、みんな同じルールに入れ込むなんて・・・つまらないんじゃないかな、と私も思う。
逆に、たとえおおむね同じレシピであっても、誰が考えたか、作るか、そして書くか、でずいぶん違うものになりますもんねー。

そして、彼女は従来で言う料理研究家の枠にははまらない人だった・・ブレずに(本人は意識していなくても)自然体で、結果的に時間をかけて、それをみんなに認めさせたのだと思う。

もうひとつ印象的だったエピソードが、彼女が有名料理研究家と一緒に料理する、しかも習う?(なんで習わなあかんねん、と思ったけど)的な企画で、料理研究家がセロリの筋をピーラーで引いたら、彼女が「えー」と驚いた。
だって筋の食感が良くないでしょ・・と諭されたら「筋があんのがセロリやと思うてた・・」と。もう、拍手喝采である。(いや、私もセロリの筋はむくときもあるけどさ。)

と書くと、なんか奔放な感じなんだけど、それは違って、繊細で、深読みで、気にしいで、だからこそ「おしゃべりな人見知り」なんだすよ。

本書でも、PARTYなどで初めて会った方から「なんか面白いことしましょうよ~」と言われて(あるあるですよね)「???」と絶句する感じというか、その心の動きが書かれていて、笑えて共感しまくりでした。初めて会ったよく知らない人となにかやる?それはどこらへんがおもしろいの?と・・・よーく考えたら(考えなくても)思いますよー。

私のベッドの横に、「悲しい時に読む本」が3冊あって、ひとつが ほぼ日の「金のいいまつがい」なんです。古今東西の言いまちがいを集めた本で、平和に、必ず爆笑できる。
もう一冊が、山本ゆりさんの本で、今はこれです。3冊目は内緒(聞かれてませんよーw)

ちなみに、レシピは全部は拝見しておりませんが、見るといつも感動するんです。すぎょい、と。例えば、コロッケサンドのレシピで、市販のコロッケをオーブントースターで温めるんだけど、そのあと、パンにはさむ前に中央をクシャってつぶす、というプロセスがあって(わざわざ、1項目取って書いてあって)、めっちゃ大事だよなー!それ書いた方がいい!と青たんができるくらい膝を打ちました。

ということで、山本ゆりさま愛を語ってしまった。。。。スマート(頭がいいの意味)で優しい、まっとう、誰もがきっと一緒に飲みたくなる人、しかもかわいい!ああこれって私のあこがれじゃん、と思いながら読んでいます。


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