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Bedlinog, Wales

イギリスに渡り、妻子を娘の友人宅に託して、ひとりで文字通りふらふらとウェールズに来ている。ネットで検索して「この辺はどうだろう」と思って探し当てたB&Bは、メインストリートがおそらく1000メートルもないとてもとても小さな村にあったのだが、併設されているパブは意外にも大音響の生演奏が流れ、若者で溢れかえっている。しばし躊躇し、思い切って入ってみると、スタッフは親切だし部屋もとてもキレイである。

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どうも東洋人は私ひとりのようであり、邪魔にならないようにレストランの隅っこで、売れ残っていたハムチーズバーガーとポテチをエールで胃に流し込みながら、このBedlinogという名前の村について検索してみると、かつては炭鉱で栄えた町で、1930年代は共産主義者が多く"Little Moscow"と呼ばれたなどという意外な記事が目に飛び込んでくる。しかし炭鉱閉鎖後はさびれ、今では職を得るのもむずかしいという。ビールを注いでいるこのお姉さんたちは、選ばれた人たちなのだろうか、今日は日曜日なのだが、肩を組んでいる青年たちは、明日は何をするのだろうかなどと、余計なことを考える。

21時近くになってもまだ明るいので、店の外に出てみる。店の前のバプテスト派教会は放置されているのだろうか。

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議会選挙は無投票当選だったらしく、ウェールズ語と英語の告知文がが貼られている。長屋のような家の窓に、"Home is where our story begins"とあるので、"What kind of story do you have now?"と尋ねたくなる。意外にも車通りがある。

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半袖では寒いので、早々に部屋に戻る。パブの生演奏はまだ続いている。
Bedlinogの人口は1400人らしい。
人がいれば、それぞれの生活があることが愛おしい。

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(初出 2017年8月14日 Facebookのタイムライン)

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