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サルカール 一票の革命 -Sarkar atクラハ[20210912]

※clubhouseでの発表用メモを加筆修正したモノです。音声の文字起こしではありません。

製作 2018年 タミル
監督 A・R・ムルガドズ
出演 ヴィジャイ キールティ・スレーシュ ヴァララクシュミ・サラト クマール  ヨーギ・バーブ

わたし、m.やまうち!こちらはタラパティ・ヴィジャイ

無題

というわけで、映画紹介です。

今回の作品はずばり政治エンタメ、血沸き肉躍る政治エンターテインメント
「選挙行こうぜ!」ていう映画です。

★前半あらすじ(ネタバレちょいあり)

 世界的グローバル企業GL社の社長スンダル・ラーマスワミ氏はアメリカに住むタミル人、ブランドぶっ壊し屋の異名をもつ泣く子もだまるモンスター社長として国内外に広く知れ渡っている。これまでも数々の大企業が彼の手によって崩壊させられてきていた。その彼が突然インド・タミルナードゥに戻ってくる、というのでマスコミが大騒ぎに。

 彼が帰郷したのはタミルナードゥ州の選挙の投票のため。そのためだけにわざわざ帰国、たった4時間の滞在予定だった。ところがいざスンダルが投票をしようとすると、すでに何者かによって不正投票されており投票できなかった。スンダルはそれを不服とし、お抱えの凄腕弁護士を使って何万ルピーもかけて自分の投票権の復活を求め裁判所へ提訴する。裁判所はスンダルの主張の正当性を認め、1週間後に彼は投票できることになった。そしてそのため選挙結果は1週間後まで確定しないこととなった。これは注目の社長だったこともありタミルナードゥ州全域にニュースとなって伝わった。

 たった1票を何万ルピーもかけて買戻す、金持ちの道楽か?
 たかが1票いれたくらいで一体何が変わるのか?

そう質問するマスコミに向かってスンダルは「自分は前例をつくった。投票権を不正投票に使われた人々が同じ訴えを起こせば認めらることになる。この選挙結果はわからなくなる」と発言。ニュースを見ていた人々は続々と自分の再投票の訴えおこしそれは数千にも上った。この数を重視した選挙管理委員会は州選挙を無効と判断し、再選挙が実施されることになった。

 選挙の勝利を確信していた既存政党の党首とその一派はスンダルの存在を苦々しく思う。

★ここから本気のネタバレand感想領域

・まずはスンダル氏のキャラクターから。
今のGoogleの社長もチェンナイ出身のサンダー・ピチャイ(Sudar Pichai)氏、キャラクターは全然違いそうだけど立場はこの人を参考にしたのでしょう。

 映画のスンダル氏はとにかくやることが派手です。プライベートジェットで登場、女子にもマスコミにいろんな意味で大人気。時に庶民を能無し呼ばわりする鼻持ちならない奴として振舞ったり、悪徳政治家達とはマスコミの前でも、前でなくともガチンコ勝負、華麗な大立ち回りをふんだんに見せてくれます。

 そんな華麗なスンダル氏の本当の姿が後半になって明らかになります。なぜわざわざアメリカから投票するためだけに帰郷したのか、なぜ選挙にこんなにこだわるのか。初めての街でスンダル氏に反対する聴衆に囲まれながら彼の生い立ちとともに語られます。そして

当選した政治家は5年間、力を持つ。
俺たちは投票日の1日しか持たない。

ここから爆発、迷走していた選挙活動の流れが一挙に変わります。

・大事な悪役たち。
まず、わかりやすく顔が悪いのがいいです(大事)。そして思い上がりなのか、有権者を馬鹿にしているのか、両方なのか、政治家の彼らはスンダル氏に手の内を明かしていきます。「いくらかけて票を買った」「地域の問題は放っておくことが政治の飯のタネになるんだ」etc…しかも自慢げに。
仲間内はどうあれ、それをスンダル氏に直接言っちゃいけないでしょ、とアタマ大丈夫かしら?と正直心配になります。

 この政治家たち、実は壮大な黒幕が存在していて、こんな小物は後半には文字通り吹き飛んでしまいます。この黒幕は自らを「自分は子宮にいた頃から犯罪者だった」とうそぶき、まさかの手段でスンダル氏を陥れるために動きはじめます。(さすがインド映画、ぱないワ~!)と思っっていたらどうやら実際の政治家のモデルがいるとのこと…。

・解決策がよい!
スンダル氏の活動で投票や政治にまつわるいろんな課題がどんどん白日の下にさらされ、積み上がっていきます。それは時に有権者vs候補者の暴動という形になって顕れ、たくさんの犠牲者を出してしまいます。この政治にまつわる暴動騒ぎが実際によくあるのかどうかは分かりませんが、同じころに作られたタミル映画のNGKでも文字通り物理的に炎上する暴動シーンとなっております。(NGK好き)

 -そんな数々の問題にどう対応するのか?
 -なぜいままで何も解決されなかったのか?
 -自分たちの求めるような理想の人物はどこにいるのか?
この戦い方、解決策がよい。若者たちやSNSなどの新しいメディアの影響力をフルにつかって彼らの作戦をすすめていきます。「イケる!これならいける!!」奇跡が起きると確信させる。この時の曲がね、奮い立たせるリズムと歌詞がまた素晴らしいのです。

・ところでインドの選挙事情って?
この映画では不正投票(なりすましで勝手に投票する。金で票を売る)というのが発端となります。日本でも広島の河合元大臣などの例もあるし、買収がないわけではないです。ただ少し事情が違うだろう、と思うのは、インドのとくに貧困層は生活のために票を金で売るということです。つまり貧困層は貧困のままのほうが政治家は金で操れるというシステム…まずいですよね。
 また投票率も映画の中では「たった50%」というセリフがあるのですが、日本より投票率は高そうだぞ?と感じる人が多いと思います。ちなみにわたしが住んでいる横浜の2021横浜市長選(8/22実施)は盛り上がったと言われて49%、その前は(H29,2017)37%でした。めっちゃ低いです。

・最後、スンダル氏が大変に気の利いたことをします。
そう、それが大事、やはり「議論」が大事だと思うんです。日本も約150年前の明治元年(1868年)に公布された五箇条の御誓文で「広く会議を起こし万機公論に決すべし」。と宣言しています…日本も頑張れ。

・さてさてヤマウチ的萌えポイントは?
なんだかんだ言ってこういうのが大事なんです、わたしはw。
 物理法則を無視した乱闘シーン!
 人が飛ぶ!人を投げる!車が飛ぶ!!!!
え?政治劇でなんで?と思うかもしれませんが、インド映画愛好者としてはヒトが飛ばないのなんで?なので普通です。(ですよね?w)

そしてヴィジャイさん登場シーン!
ベガス!!でバチクソ派手派手に登場!!
赤いコートを羽織って美女はべちらかして歌って踊るバブリーヴィジャイ✨
蛍光グリーンのシャカシャカジャンパーで歌って踊るヤンキーヴィジャイ✨
最高でしょ!👍

★発表後

 たくさんコメントいただいたのに、やまうち自身がお話に夢中になってしまってメモがほとんど残っておりません!スミマセン(>_<)
だいたい以下のようなお話をいただきました。

NGK(上述)も同じころに作られたけど、作品の流れは正反対。
同じヴィジャイさん主演のメルサル(マジック)の歌もタミルの魂のような歌で素晴らしい!
タミル在住だった人曰く、選挙シーズンになると家電を貰えるのは庶民は当たり前。家電が壊れても「もうすぐ選挙だから」と買い替えたりしない。とはいっても家電をくれた候補者に必ず票をいれるわけでもない、したたかですね(それ聞いて、そりゃーお金かかるわーと思ったやまうちです)。
また、このサルカールは第1版があり、この政治家からもらった家電を山積みにしてどんどん捨てる、というシーンがあったそうです!残念ながら本公開ではカット。ムルガドズ監督自らが登場していた、ということで本気度が伺えますね。

というわけで今回もTakakoさん、Akiさんはじめたくさんの方に聞いていただきありがとうございました♡

★SONGS

ぶち上げ開始早々はで派手ソング。これを見て吸い込まれましたw


一応恋ソングなのかな?


この歌の敵を肩に背負って背骨を折るシーンが見たくてSakarを見に行きました。話は全然知らなかったw


ヨギバブちゃんが好き♡そうこのあたりから大金持ちのトップクラスの立場からすこしずつ庶民派にはいっていく、ということですね、takakoさん。


いい曲~!ワクワクしてくる♪




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