第16回鬼貫青春俳句大賞応募作「五歳の記憶」
落選作ですが、こんな感じの俳句をつくるんだ程度にご笑覧ください。
靴踏まれ靴踏みかへす遠足子
引越やアネモネの香に包まれて
補助輪の骸に春光の集ふ
祖父の忌や先づ鳴きゐたるあさかはず
晩春やパンダに欠伸移されて
夏の月ごとジンベエザメの吸ひ込みぬ
曾祖母の額おほきく金魚玉
夏蝶や従兄弟の喉に詰まる飴
やんきーのあごがごきごきかたつむり
いたづらはごきぶり掴むところから
冒険はいつも此処から星涼し
草の花山羊なめらかに眠りをり
虫籠に喧嘩よ共食ひの脚よ
冷やかに号外渡さるる朝