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保護猫とわたし。5匹の猫たちとミキ・亜生の場合

空前の猫ブームと言われる昨今だけれど、その裏ではまだまだ外で暮らす地域猫をはじめ、生まれて間もなく殺処分をされてしまう猫、悲しく生涯を終えてしまう猫たちが多くいます。
そんな猫たちに少しでも目を向けてもらうため、保護猫を飼っている飼い主に話を伺いました。
今回は芸人として活躍するミキの亜生さんに、現在育てている5匹の猫との出会いから猫と暮らす生活、さらには大阪時代に行っていた保護猫活動について、たっぷりと語っていただきました。

大阪時代に出会った猫たち。

猫を飼い始めたきっかけは、大阪に住んでいた6年前ですね。ちょうど京都の実家に帰ろうかなって思って、趣味の釣り道具だけ持って駅まで歩いていたときに、猫の鳴き声が聞こえて。僕最初なんの声かわからなくて、「びー」みたいな声がずーっと1時間くらい聞こえて、何かなって思ってたら猫だったんですよね。ブロック塀にのぼった奥に長くて黒い見たことない生物がいて、釣竿組み立てて掻き出したら手の上に乗ってきたんです。

最初に保護した雌猫の「助六」。

初めモグラかネズミの赤ちゃんかなって思って病院連れて行ったら、猫の赤ちゃんですねって言われて。男の子なんでなんか名前つけてくださいって病院で言われたんで、家に帰ってテーブルの上においてあった助六寿司から「助六」って名前をつけたんですよ。そしたら、2週間後の定期検診で、先生が奥から出てきて「ごめーん、女の子やった〜」って言われて(笑)。あれは医療ミスですよ! そやから、メスやけど助六なんです。

隣のおばちゃんに助けを求められた、二匹目。

ちょうど一匹目を飼い始めた頃に隣のおばちゃんが僕が猫を拾ったっていうのを聞いて、一緒に世話してくれるようになったんです。僕がいーひんときとかに、ご飯あげてくれたりするようになって。

それから半年くらい経った頃に、夜勤のアルバイトが終わって家に帰ると、隣のおばちゃんに「なんか猫の声が聞こえるから探してきて」って言われて、夜勤終わりでめっちゃ眠い中見つけたのが銀次郎なんです。大阪に開けるマンホールみたいなのがあって、その中にいたんですけど、ウジが湧いてて結構危ない状態だったんで病院で酸素室に入院させて。「なんとか大丈夫になったんで迎えにきてください」って一週間後に電話かかってきて迎えにいったら、「お会計24万です」って言われて(笑)。ちょっと待ってくださいってなって、一回家帰ってゲーム機とか売って友達にお金借りて、引き取りました。家に着いたら、すぐに助六と仲良くなったんで飼うことにしましたね。

東京での仕事が増えた頃に出会った、三匹目。

それから3年くらいは二匹でやってたんですけど、東京での仕事が増え出した頃に、バイト先の朝勤務のおばちゃんから連絡がきたんです。駐車場で猫拾ったから迎えにきてって。「僕これから東京で仕事なんですよ」って言ったら、「じゃあ夜勤務の人に渡しておくから、最終の新幹線で帰ってきて」って言われて、その日泊まりだったのに帰ってきたんですよ(笑)。

それで僕飼うつもりもなくって元気になったら譲渡するつもりでいたんですけど、なかなか貰い手が現れずいついてしまったので、飼うことになったのが三匹目の藤です。

東京に引っ越してきてから出会った最後の二匹。

最後の二匹は兄弟猫なんですが、もう東京に引っ越してきてから出会った子たちです。2年前にちょうど自粛期間があって家から出られなかったときに、釣り友達から連絡があって、近所の池で猫二匹拾ったから迎えにきてって言われて。千葉だったんですけど、迎えに行ったんですよね。

それがハチワレの兆猛と丹猛という二匹で。僕元々は預かるつもりだったんですけど、貰い手がいなかったのでその子たちも引き取ることにしました。

ちょうど二匹目の銀次郎を拾った後くらいから、こんなに拾うってことは他にも猫がいるんだなって思うようになって、そしたら気になってテレビも見れんくなったんですよね。こうやってテレビ見ている間に鳴いている子がいるんじゃないかって。

見つけられれば助けられると思って、頭にライトつけて毎日見回ってましたね。だいたい24時〜25時半くらいまで歩いて。あとはTwitterで「大阪 猫」とか「浪速区 猫」とか調べて歩き回っていました。その当時はトータル30匹くらい拾いましたね。お兄ちゃんから電話かかってきて、「猫いんねんけど拾ってくれ!」って言われて、一気に四匹拾ったこともあります。

そうやってやってると、どんどん連絡がくるんですよね。今もありますよ。東京にいるのに「群馬なんですけど猫がいて」というのが、毎日きます。だけど、今は僕が動ける範囲で助けられるものは助けますって言っていて。あとはアドバイスだけはするようにしていますね。たまに、何しに東京にきたんやろって思うこともあります(笑)。

ムツゴロウ王国に憧れてきた少年時代。

動物は小さい頃から好きでしたね。マンションに住んでたのでペットは買えなかったけど、魚とかハムスターとか飼っていて、家にはずっと動物がいました。小さい頃はムツゴロウ王国に就職したかったし、当時はあの番組だけが楽しみだったんですよね(笑)。

だから、一人暮らしをするようになってからは動物欲しいなって思うようになりましたね。最初に猫がいいなって思ったきっかけは、大学4年生のときにバイト先で初めて拾った猫の世話をしたことがきっかけで。3〜4ヶ月面倒みて京都の知り合いにあげたんですけど、その頃から猫がいいな〜って思うようになりましたね。

最終的な目標は保護猫団体を作ること。

猫を飼い始めて一番変わったのは、家にめっちゃいるようになったことですね。家にいても暇じゃないんですよ。だから休みの日とかもめっちゃ家にいるようになりました。あとは朝早起きするようになりましたね。銀次郎が噛みながら起こしてくるので(笑)。

ゆくゆくは保護猫団体をやっていきたいと思っています。お金があれば施設とかも造ってみたいですね。だけど時間がなければできないんで。個人で猫を育てていたので、育て方とかはだいたいわかるんですけど、猫だけじゃなくて犬や他の動物とも関わってみたいなっては思っています。

とにかくお金のかかる猫たち。

猫たちはエサや医療費を含めて、めっちゃお金かけてます。助六はてんかん持ちだから、発作が起きて血液検査とかして緊急病院4日間入院したときは、70万ちょっとかかったりしました。定期的に病院連れて行くので、5匹連れて汗だくで病院行って30万くらい払う時には、「俺なにしとんねん」って思うこともあるんですよね(笑)。

だけど、せっかくうちに来たからにはちょっとでも幸せになってほしいと思ってるんです。猫はずっと家にいるから、1日にたった2回のご飯の時間だけでも楽しみであってほしいと思って、それぞれの状態に合わせてエサは3〜4種類ブレンドしています。全部オンラインで頼んでいるのでヤマト運輸さんにはめちゃくちゃお世話になっていますね。エサだけじゃなく、猫砂とかもまとめ買いしているので、宅急便がないと生きていけないくらいです。今日いろんなサービスも聞けたんで、さっそくクロネコメンバーズにも登録しますね!

亜生(あせい)
吉本興業所属のお笑い芸人。2012年に結成した兄弟のお笑いコンビであるミキの弟。大阪時代には猫の保護活動を行っており、大の猫好き芸人としても有名。趣味は釣り。

スタッフクレジット:
photo:Yu Inohara hair&make-up:Hitomi Matsuno 
edit&text:Makoto Tozuka
Produced by MCS(Magazine house creative studio)

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