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Meiji Seika ファルマが作る、mRNAワクチン「ARCT-154」(レプリコンワクチン)の海外臨床試験の論文を読んでみた

はじめに

近年、COVID-19ワクチンの開発は世界中で急速に進み、多くの人々が予防接種を受けることでパンデミックの収束に寄与しています。今回の記事では、ARCT-154という自己増幅型mRNA COVID-19ワクチン(以後、レプリコンワクチン)の海外での治験結果に基づいての考察を行います。このワクチンはフェーズ1、2、3a、および3bの統合試験で評価され、その結果が最近発表されました。

論文引用はこちら
「Safety, immunogenicity and efficacy of the self-amplifying mRNA ARCT-154 COVID-19 vaccine:pooled phase 1, 2, 3a and 3b randomized, controlled trials」

https://www.nature.com/articles/s41467-024-47905-1

対象者

臨床試験は、以下のフェーズに分けられますが、各フェーズの対象者をおさらいしておきましょう。

  • フェーズ1:

    • 主に安全性と反応原性の評価を目的。

    • 健康な18歳から60歳までの成人が対象。

  • フェーズ2および3a:

    • 安全性、反応原性、免疫原性の評価を目的。

    • 18歳以上の成人が対象。共存疾患を持つリスクの高い成人も含まれる。

  • フェーズ3b:

    • 主にワクチンの有効性の評価を目的。

    • 18歳以上の成人が対象。健康な成人、共存疾患を持つ成人、60歳以上の高齢者が含まれる。

ワクチン接種とプラセボの詳細

今回の臨床試験では、28日間隔で2回投与される5µgのレプリコンワクチンを使用し、治験の参加者はランダムにワクチンまたはプラセボ(無菌の生理食塩水)を投与されました。各フェーズ毎にワクチン接種とプラセボの割合を確認しておきます。

フェーズ1:

  • 比較的小規模。被験者数は100人。

  • 対象者はランダムに3:1の割合でワクチンまたはプラセボを受ける。

フェーズ2および3a:

  • 中規模。被験者数はそれぞれ300人(フェーズ2)および600人(フェーズ3a)。

  • 同様に3:1の割合でワクチンまたはプラセボを受ける。

フェーズ3b:

  • 大規模。被験者数は16,000人。

  • 対象者は1:1の割合でワクチンまたはプラセボを受ける。

結論から言えば、有効性ありだと言える

結論、フェーズ3bの有効性について、とても重要だと言えるでしょう。では、その評価結果を見ていきましょう。

1. COVID-19の発症に対する有効性
ワクチンの一次有効性評価ポイントは、Day 36からDay 92の間に発症したCOVID-19の症例数です。ワクチン接種者(8059人)の場合、74件のコロナウイルス発症を確認しました。それに比べ、プラセボ接種者(8041人)では、170件の発症になります。比較すれば、プラセボ群のほうが発症率が高いため、ワクチンの有効性は56.6%(95% CI: 48.7–63.3)でした。

ワクチン群の発症率:74 / 8059 ≈ 0.92%
プラセボ群の発症率:170 / 8041 ≈ 2.11%
有効性 = (1−0.922.11)×100≈56.6%(1−2.110.92​)×100≈56.6%

COVID-19の発症に対する有効性

次に重症患者への有効性を見ていきましょう

2. 重症COVID-19の発症に対する有効性
ワクチンは、重症COVID-19に対して95.3%(95% CI: 80.5–98.9)の有効性を示しました。これは、ワクチン接種群で2例、プラセボ群で41例の重症COVID-19が報告されたことに基づいて計算しています。

最後に死亡に関する有効性を見ていきましょう

3. 死亡に対する有効性
COVID-19に関連する死亡に対して、ワクチンは86.5%(95% CI: -7.4–98.3)の有効性を示しました。ワクチン接種群で1例、プラセボ群で9例のCOVID-19関連死亡が報告されています。

この有効性の結果から、この論文では、レプリコンワクチンによる有効性がいかに高いかを示していることがわかります。

死者を出したのはフェーズ3bの結果だが、不自然な点がある。

フェーズ3bの結果によると、21人が死亡したことが論文にて示されております。その内訳は以下の通りです

  • ワクチン接種者:5人

    • COVID-19関連:1人

    • COVID-19以外の原因:4人

  • プラセボ接種者:16人

    • COVID-19関連:9人

    • COVID-19以外の原因:7人

この内訳では、ワクチンを打った被験者8059人の中から5人の死亡者が出ていることがわかります。ちなみに死亡した原因をCOVID-19関連とそうでない原因で分けていますが、COVID-19関連の死以外の原因については明確に示していませんでしたが、ワクチン由来のものではないと、論文では断言はしているところです。

原文引用

「There were no deaths in phases 1, 2, and 3a, but 21 deaths occurred in phase 3b, of 5 vaccinees and 16 placebo recipients. Of these, none were related to vaccination but 10 were considered to be associated with COVID-19 infection, one in a vaccinee and nine in placebo recipients.」

日本語訳

「フェーズ1、2、3aでは死亡者は報告されていませんでしたが、フェーズ3bでは21人の死亡が発生しました。そのうち、ワクチン接種者は5人、プラセボ接種者は16人でした。これらの死亡のいずれもワクチン接種に関連したものではありませんが、10件はCOVID-19感染に関連していると考えられています(ワクチン接種者1人、プラセボ接種者9人)。」

死者11人の死亡原因を他の基礎疾患や無関係な原因に関連していると言っておきながら、ワクチン由来ではないと断言する理由

私はこの点がものすごく気になります。そもそも、臨床実験で21人の死者を出している点も驚きを隠せませんが、COVID-19感染に関連しない死者数11名の原因も不明な中、ワクチン接種に関連するものではない(それでもワクチン群からも死者は4人出ているが…)と表現するその根拠のデータは論文に記載されていませんでした。レプリコンワクチンの有効性を示す数値は出たのかもしれませんが、死者数については、謎が残る結果となりました。

そもそも、プラセボ接種群の死亡者数が高いのはなぜか?

このフェーズ3bに参加している被験者の詳細は、冒頭でもお伝えした通り、18歳以上の成人が対象であり、健康な成人、共存疾患を持つ成人、60歳以上の高齢者が含まれています。死者数の大半が共存疾患を持つ成人に偏っていればまだ検討の余地はありますが、その詳細も記載はありませんでした。
そもそもプラセボから原因不明の死者が7人出るのも怪しいところ。
レプリコンワクチンの有効性を見せるために、何かしらの意図があるとしたならば、それは恐ろしい話です。また、論文の著者の多くは、ワクチンメーカーであるArcturusRxの正社員とのことで、研究の結論は偏っている可能性が高いという意見も上がっています。

それでもゴリ押しする日本

アメリカでさえ承認していない中、すでに日本では承認している事実もあります。巷で話題の新型インフルエンザ等対策特別措置法から、WHOのパンデミック条項など、レプリコンワクチンを国民に進める利権も確立されていく中、私達はより情報を取得し、自らの考えを持つ必要がありそうです。

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