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美しいお菓子


美しいお菓子

ウィークエンドシトロンという、美しい名前のケーキがある。
パウンド型のレモンケーキだ。バターのコクとレモンピールがなんとも言えず美味い。数年前にどハマりして、それこそ毎週末作っていた。生地にレモンピールと果汁を入れて焼き、レモン風味のアイシングをかければ良いので、テキトーに出来て楽チン。

今年のクリスマスに数年ぶりに焼いてみた。我が子は卵が食べれないので、卵抜きのホットケーキミックスを使うレシピをアレンジ。レモンピールの苦味は多分嫌だろうからスライスアーモンドを入れて、アイシングの部分にもアーモンドとココナッツ。目分量でちゃちゃっとやりましたが、シンプルかつ華やかに仕上がりました。満足。

宝石のようなパティスリーのケーキも大好きだけど、子どもと一緒に食べるならわかりやすく美しいお菓子が良い。そういったお菓子は、たいていとても美味しい。

私的シンプルお菓子界の帝王は、六花亭の「雪やこんこ」だ。

ココアクッキーにサンドされたホワイトチョコ。クッキーには穴が空いてあって、ホワイトチョコが雪のように見える。なんと穴の大きさがまちまちで、チラチラ舞う柔らかい雪に見えてくる。にくいねー! 

雪国に住んで、雪にも色々あるという事を初めて知った。
水っぽい雪、さらさらとした積もる雪、あられのような固い雪…。

きっと、北海道の六花亭の人が、「雪やこんこ」という音に合わせて、ゆっくりと空から落ちてくる大きめの柔らかい雪をイメージしたのだなと、想像している。

ココアクッキーもホワイトチョコも甘すぎないのが良い。特にホワイトチョコの、ヨーグルトとオレンジが効いた独特の風味が大好き。このココアクッキーに合わせるならこうでなくちゃ!を目指し、徹底的に計算し尽くされている。

私はチョコに合わせるオレンジが大好きで、かつ、ヨーグルトの風味があまり得意ではないのだけど、このホワイトチョコは全てが完璧なバランスだと思う。

世の中にかわいいお菓子なんていくらでもあるけど、「雪やこんこ」ほどシンプルで奥行きのあるお菓子を、私は知らない。
美味しいだけじゃなくて、いつもの雪景色がより美しく思える。ゆっくり落ちてくる雪を見て、ああ、「雪やこんこ」だな、と思う。そして、食べたくなる。

どうしてこんな事を書いているのかというと、母親から六花亭のお菓子缶が送られて来たからだ。

六花亭は本当に素晴らしい。缶の中のお菓子は味・見た目・コンセプトがどれも完璧だ。開けた瞬間、キャー!!と悶絶してしまう。どんなに嫌な事があっても、絶対に幸せになれるお菓子があるって、最高!!

このお菓子缶は、六花亭の方々が見つけた北海道の美しさのお裾分けだ。

今日は富山も雪です。この雪をお菓子にするならどんなだろう…、と妄想しながら過ごす事にする。


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