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白夜旅行 フィンランド、ラップランド 2022.06 ①

小学生か中学生の頃に学校の授業で緯度の高い地域では一日中全く日が沈まない白夜があると聞いて漠然と興味持ったのを覚えています。

またヨーロッパに5月に出張で訪れた際、サマータイムと言えど22時頃まで空が明るかったこと、逆に12月には朝10時に外がようやく明るくなり、15時過ぎには暗くなってしまうことを実際に自分で体験し、そんな冬には鬱になるかと思う一方で、さらに自分の好奇心がくすぐられていました。

大好きな星野道夫さんの本では、アラスカの人たちが夏至を大事にしているために、その日に野球をする彼らがボールが見えにくいにも関わらず、絶対に電気を付けようとしなかった、といったエピソードや昨年、友人から勧められて読んだ角幡唯介さんの極夜行では、太陽の温もり、偉大さを感じたというエピソードが脳裏に刻まれ、何があろうとこの夏、そして夏至の日に必ず行くと決心しました。

旅の目的は白夜を体験すること、それもホテルに滞在するのではなく、主にテント泊。
行き先をフィンランドにしたのは、過去にヘルシンキ周辺を訪れた経験からハイカーに優しく、道標もしっかりされていることから初見の道でも容易なこと、また北欧の中でも物価が高くないこと、そして大好きなサウナがあることでした。

実際、途中から宿に滞在せざるを得ない状況になるのですが、キッチン付きの1人部屋で(ドーミータイプでもなく)50€程度のところがザラにあったので本当に助かりました。どこもキッチン付きでクオリティが高く、当然のようにサウナも付いていました。

キャンプ場はというと、設備が整っているせいか、あまり安くなく一泊30€程でした。これにお金を払うのであれば、登山のためのキャンプではないので、宿を取った方がどう考えても快適です。
であれば、車で荷物や水に苦労することも少なくできて、フィンランドではブッシュキャンプも可能なため、それも計画していましたが、あえなく断念。自分の不注意で招いたこととはいえ、正直、本当に悔しい旅になってしまいました。実際にブッシュキャンプが可能な場所は比較的簡単に見つけることができたので、そちらはまたいつか挑戦したいと思います。

さて、そんな思いの詰まった今回の旅は、家族、兄弟、友人に同行を断られたため寂しく一人で行きましたが、本当に思い出深い旅になりました。
本題の白夜はというと、本当に本当にありました。夜という表現が適切なのかすらわかりません。

白夜
24時過ぎの太陽 2022.06.25

24時を過ぎても空が明るいだけでなく、完全に太陽が沈まないのです。

空が明るい程度であれば、北極線以南のヘルシンキなどでも十分体感できますが、24時過ぎに見る太陽は、やっぱり感動しました。
ただ空が明るいだけといえば、確かにそれまで、見る人によっては何も感じないのかもしれませんが、1週間ほどそこで生活をしていると、もう今が何時であろうとどうでも良くなってくることを感じました。

この時期に北欧の方々が、長い人で数ヶ月に渡って休みを取る理由もわかったような気がします。

僕は彼らに会うと休みはどれくらいなのかと、興味本意で聞くようにしているのですが、3週間なんて当たり前で、人によっては2ヵ月以上も休むなんて人も多くいます。
本当に羨ましい限りで、これに関しては日本人に生まれたことを恨んでしまいたくなります。
それで社会が回ることも素晴らしい、というか、それで社会を回す、また欠員による不便さもそれを人々が許容しているんだと思います。

日本はといえば、GWやお盆の時には観光地は大混雑、高速は大渋滞。それでいてホテル代や飛行機代もぼったくりのように高くなるにも関わらず、期間も1週間取れたら長い方で、一体この差はなんなんだ、と思います。
本当に自分の幸せを強く追求し続けたいと思います。

大きく話が脱線してしまいましたが、とにかくこの期間に仕事から離れることは、時間感覚からも脱却され、本当の意味で何もしなくていい時を、自由気まま過ごすことができるんだと思います。
確かバケーションという言葉の語源もそんなことだったでしょうか。

残念なことに僕の思考はまだ日本人なので、そこまでの何もしないなんて過ごし方はできませんでしたが、時間の感覚はすっかり無くなり、ハイキングに行く際も日が沈むから早めに動こうなんてことも全く必要ありませんでした。
こうして新たな発見をするためにもたかが1週間といえど一地域に長く滞在することは改めて大事なことだと思いました。

個人的な備忘録としてもこの旅を振り返りたいと思います。
まずは最後まで読んで頂きありがとうございます。(続く)

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