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【流されない向上心】

かけっこで一番になるんだよ。

次のテストは今回よりいい点を取ろうね。

より偏差値の高い学校を目指そう。

より有名な会社に入ろう。

絶対に金メダルを取ります。

……………

よりいいものを目指す。そういう向上心は悪くないと思います。向上心というものがポジティブに生きるためにも必要だと思います。でもその向上心、周りに流されていませんか?

.○。・.: * .。○・。.。:。○。

「この世は競争社会。その中で勝ち抜かなければならない。」
こういう価値観は、確かにひと昔前まではありました。冒頭の言葉たちは、多くの人が言われてきた、あるいは自ら言ってきたものです。

でも、最近は少し風潮が変わってきたように感じます。そこまで無理をして競争に勝たなくてもいいんじゃないかという風に。とはいえ以前の価値観も残っているし、いったいどうすればいいのでしょう?

さあここで、周りに流されずに自分自身を、そして家族を見つめてみましょう。どうしたら幸せになれるのか、いい人生とは何なのかと。

なぜこんなに苦しい思いをしてまで働くのでしょう?もちろん生活を維持するため、家族を養うためですよね。たまには外食もしたいし、人並みに旅行にも行きたい。できればより余裕のある暮らしをしたい。だから辛い仕事でも我慢して働いて、より多くのお金を稼ぐんですね。

そういう思いを知ってか知らずか、仕事から疲れて帰って来ても家族は冷たくて、お世辞にも幸せな家庭とは言えません。もっと稼がないと幸せになれないのかな……また明日も仕事か……もうとっくに嫌になってるな……仕事辞めたいな……宝くじでも当たればな……無理だよな……。そんな考えがグルグルと頭の中を回ります。

………………

ちょっと戻りましょうか。どうしたら幸せになれるんですか?いい人生とは何なんですか?周りに流されずに自分自身を、そして家族を見つめてくださいね。

経済的に豊かになれば余裕が生まれるんですか?余裕が欲しいのなら仕事量を減らせばいいんじゃないですか?そうしたら経済的に苦しくなる?それなら家族に相談して生活レベルを落とせばいいんじゃないですか?

いやいや、なかなかそんなことはできませんよね。だってあなたには向上心がありますから。生活レベルを落とすなんて考えられません。周りの人だって必死に働いているし、落ちこぼれるような恥ずかしいことはできません。

………………

ちょっと戻りましょうか。どうしたら幸せになれるんですか?いい人生とは何なんですか?周りに流されずに自分自身を、家族を見つめてください。

たとえ今より小さい家に移っても、外食ができなくても、人並みに旅行に行けなくても、家族みんなで仲良く協力して生きていければいいんじゃないですか?お父さん(お母さん)はもう疲れたから、仕事を減らすからちょっと生活が苦しくなっちゃうけどごめんねって言えばいいんじゃないですか?

いやいや、なかなかそんなことは言えませんよね。だってあなたには向上心がありますから。プライドもありますから。子どもにも苦労をさせたくはありませんし。この生活を維持するためには苦しいけれど頑張るしかありませんよね。

………………

さあ、いったい何がそんなに難しいのでしょう?そして何があなたを苦しめているのでしょう?

それはきっと、気づかぬうちにあなたの心の中に陣取った、周りに流された向上心なのではないでしょうか?自分自身を見ずに、家族を見つめずに、周りを見て比較して、自分が恥ずかしくないようにという。

そういう言わば守りの思いは、あなたをポジティブな気持ちにさせにくくします。守りの思いとは、落ちてはいけない、無くしてはいけないという思いであり、それは不安やネガティブに繋がるからです。

「周りに流された向上心」。これは、「周りに流された」が良くないんですね。周りに流されているから身の丈に合っていなくて苦しいんです。幸せとは、いい人生とは……経済的な豊かさだけではないのではありませんか?

本当の幸せとは、本当にいい人生とは、ポジティブに明るく前向きに生きられることなのではありませんか?なんにも無くても、家族で協力して楽しくやっていければいいんじゃないですか?

もう一度自分自身を、家族を見つめて、周りに流されずに考えてみてください。どうしたら幸せになれるのか?いい人生とは何なのか?

想像してみてください。家族みんなで食卓を囲んで笑い合っています。決して広い部屋ではないけれど、決して豪華な料理もないけれど、そこには心温まる空間があります。その空間を作っているのは、目には見えない、家族がお互いを思いやる気持ちです。

幸せというものの、いい人生というものの、これは一つの答えです。そこに必要なのはお互いを思いやる気持ち、それだけです。

目指すべきはこういうものなのではないでしょうか。周りに流されて目に見えるものを追い求めるのではなく、目には見えない愛の思いを育んでいく。お互いにもっと思いやりの気持ちを向上させていく。周りに流されない向上心とはそういうものなのではないでしょうか。

経済的なものももちろん大切ですが、必要以上にそれを求めず、守りの思いから解放されて、明るく前向きに、本当の幸せに向かってポジティブに進んでいきませんか?

周りに流されずに、目に見えるものに惑わされずに、家族一人ひとりのお互いを思いやる気持ちを育んでいきませんか?「心」というものに価値を置いて、それを向上させていきませんか?

『かんじんなことは、目に見えないんだよ。』
(サン・テグジュペリ/星の王子さま より)




※これは、おうえんたんさんの7月広報コンテストで入選した作品です。今回は自由課題です。

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★一日一愛運動
一日に一度は愛の行いをしましょう。みんなといっしょにあなたの優しい愛を形に表して社会を明るくしましょう。

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