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ギターアンプ(スピーカー)を鳴らさない環境構築~番外編~

2回に渡りアンプシミュレーターのご紹介をしてきましたが、まだ紹介されていない【音作りの沼】を今回ご紹介させていただきます…
自宅環境で高級機材を買わないでも、幅広い音作りをやってみたいという方のために対して沼地のご紹介ですので、割と短編なので応用編①&②を読んだ上さらに終わりなき世界をのぞきたい方はぜひ最後までご覧ください…w

※①と②はこちらからどうぞ。

・IRローダーという存在

IR(Impulse Response)ローダーを乱暴に紹介すると

普段アンプを通してギターの音を聴いてるように「アンプ・スピーカー・空間(弾いている位置とスピーカの距離や弾いてる部屋のサイズ等)」の関係性で聴こえている音を疑似的に再現するための音声データです。
IRデータ(音声データ)にはとても短い機械音しか入っていないのですが、その中にデータを録った時の「使用スピーカー・使用マイク・使用した場所(スピーカーとマイクの距離やどんなサイズの部屋だったのか等)」といった情報が入っています。
その濃縮された情報データがIRデータ(IRファイル)で、それを読み取り再現するソフトがIRローダーです。

さらに端的に言うと「アンプを使って弾いてる時の雰囲気になるべく似せようとする」機能です。

・アンプ(スピーカーキャビネット)シミュレーターとの違い

まずアンプシミュレーターの主な構造として
①プリアンプセクション(主に音色を設定する箇所)
②パワーアンプセクション(主に音量を設定する箇所)
③スピーカー(スピーカーキャビネット)セクション(どんなスピーカーで鳴らしているのかを設定する箇所)
④マイクセクション(どんなマイクでどこの位置で音を録っているのかを設定する箇所)

この4つのセクション(音作りのために設定をいじくりまわす箇所)が有り、音の流れは①~④の順番に進んでいきます。

そしてIRデータは「使用スピーカー・使用マイク・使用した場所」を再現するためのものなので、①と②はアンプシミュレーターで音作りをして③と④はIRローダーでデータを読み込むという使い方です。

・メリット

上記③と④のマイキング(ギターの音を録音する時にスピーカーやマイクの種類を選び、マイクはどのこに設置するのかを吟味してマイクを設置すること)に関する設定が苦手な人でも、マイキングの得意な人が作ったデータでご自身のお気に入りのIRデータがあれば、それを読み込むだけで完成度の高い音を作ることができます。

また、ここ数年IRの普及により安価かつ高品質なIRデータを販売しているサイトも多く、各サイトのエンジニア(音を作ってる人)の個性やデータ収録時の使用機材・環境により無限にデータがあるので、気軽に色々と試す事ができるのも特徴です。

・デメリット

そもそも③と④のマイキングが苦手だと、どんなIRデータを使っていいのか分からず、無限にあるデータの中から手当たり次第に試しても、ご自身の求めている音にたどり着くことが非常に低い。というメリットだった点が180度転換してしまいます…

また恐らく今後も無限にデータが増え続けていくので、都度少額ながらも課金することになり、選択肢が増えれば増えるほどご自身が求めている最適解も見失い易くなってしまいます。
そうなると「納得がいく音ができないので、さらに違うデータを探し資金と労力を消耗する」という【沼】にハマってしう悪循環になってしまいますので、ある程度のご自身の好みの音がハッキリとしている状態(どんな機材を用いてどの様にして収録している環境が好きなのかを理解した状態)で、音作りをしていけば沼からの脱出も容易に行えますw

・最後に

昨今のアンプシミュレーターには各メーカー独自の呼称でIRローダーを搭載していることが多く、フリーソフトでもIRローダーはいくつかあります。
各IRローダーによって多少機能が変わったりもしますが、大抵下記のような機能を搭載しています。
・読み込み機能
・ハイパスフィルタ(高い周波数のみ音を通す機能で、低音域をカットする機能)
・ローパスフィルタ(低い周波数のみ音を通す機能で、高音域をカットする機能)
・音量調整機能
が付いています。

読み込むだけだと正直使い物にならないものが多いですが、概ねハイパスフィルタで~100Hz、ローパスフィルタで6kHz~を目安にカットしてあげるといい感じになったりします(宗教上の問題や個人の感性によりけり)ので、参考までに覚えていただければと思います!

参考までに私は今のところHesuというメーカーの2x12(12インチスピーカーが2個ついている)Modern(機材の型式)にDemon(スピーカーの種類)を用いたChoptones Shopからリリースされている【Hess 212 Demon Cabinet IR】というIRを好んで使い、上記のようなフィルタ設定をしています。


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