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ギターを続けるために必要なこと。

新年という事でギターを始めたい人向けに記事を書いてきました。

そんな勝手にギターの間口を広げたいと思いでポジティブな内容を書いてきたのですが、始めてみたはいいけどなんだか面白くないな(続かないな)・・・という人もいらっしゃると思います。

2019年11月にFender社が公開したある調査の結果ですが「初心者(これはギターを初めて買った人を指しています)の内90パーセントの人は、1年以内もしくは90日以内でギターを辞めてしまう」という結果らしく、さらには「初心者の中で、脱落しなかった10パーセントは一生ギターを弾き続ける」という結果が出たという内容でした。

1年以上続けた人は一生ギターを引き続けるという表現がアメリカ特有というかメーカーの誇大表現にもみえますが、実際に小規模ながらギターの講師を務め始めて、体験レッスンに来た時点で「あ、この人は何年も続ける人だな」と言うのがなんとなく見えてきました。

最初に抱いてた「ギターって楽しそう」というようなポジティブな感情を持ちつつ、末長くギターを続けられるようなアドバイスをいくつかさせていただきます。

・長く続けるための秘訣。

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まず「この人は何年も続ける人だな」というのがすぐ分る人の特徴として、特定の弾きたい曲(ハッキリとした目標)が定まっている人です。

こういった人はちょっと現状では難しい演奏法のある曲でも、弾きたい曲が弾けた時の事を想像しながら練習している為、達成した時の嬉しさや楽しさが想像しやすく困難な事でも毎日練習を続けて上達し、実際に当初の目標をクリアします。

そして弾きたい曲が弾けるような技術を持つ事により「この曲が出来たから同じアーティストの違う曲も弾けるのでは?」という新たな目標も見出しやすいです。

違う曲じゃなくとも、「弾けるようになった曲をもっと華麗に弾きこなしたい」という発想も同じく、新しい目標を見つけてどんどん目標をクリアして行き、技術もメキメキと向上していきます。

これを何回も積み重ねて楽しい!というポジティブな連鎖が起きてしまえば、逆にギターを辞める・諦めるのが難しくなってきます。

もちろん社会人であれば普段の仕事や私生活、学生であれば学校行事やテスト期間等、日常生活に欠かせない出来事があれば中断せざるを得ない状況もあると思いますが、一度ポジティブ連鎖を経験した人は空白の期間があってもまたギターを弾き始めるという話はよく耳にします。

・目標を3段階くらいに小分けしてみる。

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具体的な目標があっても「ギター難しくて指動かなくてイライラするだけやん…」と思ってる人の場合は、もう少し目標「これくらいならすぐに出来そうだな」という内容に小分けしてみるのがお勧めです。

弾きたい曲がある場合は、その曲を「丸々覚える」というゴールに対して1日目はイントロを弾けるようにする、次の日はAメロを弾けるようにする、さらに次の日はBメロを弾けるようにするorイントロとAメロを繋げて弾けるようにする、と言ったようにほんの少し頑張れば手が届く目標に小分けしてみてください。

よく例題に挙がる「Fコードが押さえれないから諦めようと思う」人は、まず6弦と5弦の音を鳴らせるようにする、次に5弦と4弦を鳴らせるようにする、それが出来たら6弦から4弦まで鳴らせるようにするを繰り返し連ねて最終的にFコードを鳴らせるようにする。

上記のように最終的な「目標・大」に対して、各セクションだけを弾けるようにする等の「目標・中」を設定しても、Fコードが弾けない等技術的に上手く弾けない時は「目標・小」を設定し、どんどん目標を細分化して細かく分けた目標を小から中、中から大へと徐々に目標を大きくしていけば、最終的なゴールは遠くても毎日技術と共に達成感も積み重なっていきます。

・無理な事をしない。

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ギターとは違う話ですがあなたは飲食店に行き3,000円食べ放題コースを頼んだ事は有りますか?

よく聞くのが、3,000円分の元を取るために食べたい訳でもないのに原価率の高い食品食べれる量以上にお皿に盛り付けて、結局食べ切れなかったり食べたかった美味しいものを食べれたと言う感覚も無く、無理をした割に食事としての満足度が低くなるというお話です。

これをギターに置き換えて考えてもらうと、現状の技術では到底弾けなさそうな曲に挑戦する事であったり、詰め込めるだけ詰め込んだ予定を立てたけど結局予定していた内容が出来なかったり、こうなってくると挫折感や後悔から不満の残る練習結果となってしまいます。

そうなると浮かび上がる選択肢は

①思ってたより楽しく無いから辞める。
②練習の遅れを取り戻す為にさらに過酷にして結局計画が破綻。
③一度計画を見直して余裕のある選曲や練習プランに変更する。

この3択だと思います。

一度無理をしてつらい思いをすると2度と同じ苦しみを味わいたくないと考え、ギターそのものが苦しみの原因にすげ変わってしまい、楽しく続けるのが困難になってしまいます。

あと、無茶な事するとシンプルに怪我します

ギターの練習で故障しやすいのはほぼ関節(首・肩・腰・手首・指)なので、一度痛めてしまうと日常生活にも支障が出てもおかしくないです。

なので無理をしない時間で、無理をしない練習内容にして、毎日小さな喜びである3時のおやつ感覚で楽しんでいきましょう。

・押してダメなら引いてみる。

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これ意外と盲点になりがちなんですが「あの曲弾きたいからめっちゃ練習したるど!」と意気込んで練習に取り組んでも、上手くいかない事も有ります。

そんな時は一度その曲は放置して違う曲を練習してみるまたは一度ギターと距離を置いてみるのがお勧めです。

前者は違う曲なら上手く弾けるようになって、弾ける曲を引き続けることによってギターの基礎力が底上げされ、今まで難しかった事が出来るようになるなんて事が日常的に有ります。

後者は「距離を置いてさめてしまった」とか「指の筋肉が低下して余計弾けなくなってしまった」等のリスクも隠せないのは事実ですが、一度ギターの事は考えないで気分転換をしてから、再度ギターを弾いてみると「こんな簡単に弾けたっけ?」となることもしばしば有ります。

これに関しては論文やらデータをどこかで見かけた訳はないのですが「練習しなきゃいけない」「続けないといけない」なんてプレッシャーからストレスが生じて体のコントロールが出来ていない所に「弾かなくても問題ない」「他の事で楽しい思いをしする」等ストレスゲージがリセットされメンタル面から来る不調が改善するからでは?と考えています。

・最後に。

長々とギターを続ける為のアドバイスを書いておいてアレですが、それでも普段私生活で使わないような指の腱だったりを駆使して、左右の手で違う動作を行って、3~5分以上の曲をいくつも覚えたり・・・と苦労が耐えないので辞めてしまう人が多いのも納得ですよ。

マニアックな話で申し分けないですが季節の気温や湿度によって木材が微妙に変化して弾き心地が変わってしまい度々調整しなくてはいけなかったり、頼んでもいないのにアレをしろコレしろという訳の分らんおっさんにピーチクパーチク言われたり(自戒の念)、機材を買うためにバイトやら残業をして金策に走った挙句その機材を使う時間が無くなったり、私も「もしギターを弾いていなかったら、もっとイージーな人生だっただろうな」と思う事もあります。

それでも気付けば10数年以上続けているのは、楽しいから続いているというのが真理です。

せっかく興味や憧れを持ってギターを始めてみたのですから(始めたい人も含めて)、何か1曲を通して弾けるようになるまでは続けてみませんか?

ギターを弾くことで人生が豊かになるなんて綺麗ごとの理想論()ですが、車やバイクと違って、免許不要・税金不要・車検不要・維持費はちょっとかかるくらい安いですし、飲酒状態でギターを弾いても法で裁かれる事はありません(間接的に騒音問題はありえますが・・・)。

最初のハードルこそ大きいですが、それさえ乗り越えたら後は自ずと楽しんで自然と上達していくので、死に至る局面まで末永く楽しめる趣味だと思うので私はお勧めしたいです。

・余談of余談

「ギター弾けるようになったらモテるかも?」という期待で始める人に忠告しておくと、確かに華やかなバンドマンやミュージシャンはモテます。

が!しかし!その人らは別に音楽をやっていなくてもモテるだけなので、そんな厳しい現実も覚えていてくださいw

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