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ギターメンテナンス~指板編~

こんにちは、ギタリストのYamatoです。
今回は突如「去年正月期間は毎日記事投稿していたな」と思い出して今年も7日までの記事を書き連ねようと思い、年末年始のお休みで大事なギターのメンテナンスを行った方も多いかと思います。

そんな少しばかりタイミングとしては遅いですが、ギターのメンテナンスでこの時期(乾燥している冬場)は割としっかりとメンテナンスしておきたい「指板」について私なりのメンテナンス方法をご紹介していきたいと思います!

・指板のメンテナンスをするにあたって。

突然ですが皆さんがお使いのギターはどんな指板材を使っていますか?
私は見た目とメンテナンス性からメイプル指板を好んで使っていますが、最近の主流はローズウッド系が多いと感じています。

アコギやウクレレなどの非エレクトリック物は、基本的にローズ系しか生産されておらず、世界中探しても珍しいのではないでしょうか?
※某アコギ専門店の店員さん曰く「指板材を聞いてくる人は大抵エレキの人ですね、アコギメインの人はあまり気にする人はいない」だそうです…w

ここまで書いといてあれですけど、材質によるメンテナンス内容の違いは無く塗装がされているかいないかの違いでメンテナンス内容が変わってきます。

一般的にメイプルなんかの明るい色の指板材は塗装が施されており、ローズ系なんかの黒っぽい(茶色っぽい)色の指板材は無塗装の物がほとんどです。

ギターの塗装は見た目の印象を左右するだけでなく、外的衝撃や気温/湿度の変化から木材を守る観点もあります。
これは我々人間が服を着て見た目の印象・外的衝撃からの保護・暑さ寒さから身を守るのと同じですね。(イメージとして塗装ありは年中長袖、塗装なしは年中半袖)

人の肌もそうですけど、夏場はしっとりするけど冬場は乾燥しますよね?
それと同じようにギター(木材)もしっとりした時期と乾燥した時期があります。
そして、人の肌の手入れとしては夏場はお風呂に入ったら化粧水程度のさらっとしたボディケアをしていますが、冬場はかなりしっかり保湿して乾燥対策しますよね?(極度乾燥肌おじさんなので私はほぼ年中保湿が必要です…)

そしてギターも夏場はさらっと手汗等を拭き上げるくらいで十分ですが、冬場はしっかりと保湿をしておかないと大変なことになります。
どう大変かというと木が割れます。誇張なんかではなく割れます。
※私の勤めているスクールのレンタルアコギはブリッジと指板の一部が割れています…w

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1枚目はわかりにくいですが、ポジションマークの無いポジションの真ん中やや左辺りがほんの少し割れています。
2枚目はブリッジの各弦を通す穴が割れて繋がっているのでは?というくらいパックリ逝ってます(指板のメンテナンスと言ってブリッジを出してすいません…めちゃくちゃわかりやすい症例だったのでつい…w)

こんな感じで塗装がされていない部位はあっさり割れたり裂けたりします。
こうならないためにも、乾燥し始めの時期からしっかり目のメンテナンス(主に保湿)をすることをお勧めします。

私が現在使っているのはこちらのレモンオイルです。
一応クリーナーと謳っていますが、ガチガチのメンテナンスをする時は別途クリーナーも使っています。

なんでダダリオのレモンオイルがクリーナー効果もあるのに、別途トリックのクリーナーを用意しているのかというと「リンスインシャンプーじゃなくシャンプーした後にトリートメントをしたい派」だからです!w

最近シャンプーとかもそうですけど、洗剤にオイル成分入れてるのって、なんか「洗い落としたい油汚れ+洗剤に含まれている油分」が混ざってるような気がしているので
①付着した油汚れ(必要最低限の油分も含む)をまずはガッツリ洗い落とす。
②蓄積された古い油分が一切ない状態で新しいオイルで油分を補充。
みたいな流れの方が、何となく衛生上よくないですか?(独断と偏見)
※数日風呂に入ってないのに毎日ボディクリームとか塗りたくる人っていないと思うので、それと理屈は一緒ですw

しかし、数年前に某有名ギターメーカーが公式で「オイルメンテは不要だ!逆にフレットがサビちまうぜ!なので拭き上げるだけにしろよな!ガハハ!」みたいな声明を発表しているんですよね。
それによって一部では声明発表後に小さな論争が起こりましたw

コレ私はビルダーでもないのでどっちが正解なのかはわからないですけど、17年くらいギターを弾いてる身からすると「オイルメンテでフレットがサビたことは無い」としか言えないんですよね…(ただしニッケルフレットは湿度変化の影響もあり曇ったり緑青が出たり)。

あと最悪フレットに異常が出ても打ち替えは4,5万円~で何とかなりますが、オイルフリーな指板が割れた場合張り替え費用って一般的な症状じゃないからリペアショップでも料金表に乗ってないですが、軽くフレット交換の倍近くはするんじゃないかな?と思います。

・実際のメンテナンス方法~塗装なし指板~

では実際に私が普段行っている塗装なし指板(ローズウッド指板)のメンテナンス方法です。

・夏場(湿度がそれなりに高い時期)
①基本的に手汗などの汚れを乾拭きするだけ。
②夏場のライブなどで大量の汗や異様に湿度が高い空間にいた場合は、上記のクリーナー~オイルを軽く塗布~余分なオイルを拭きとるために乾拭き。

・冬場(湿度がそれなりに低い時期)
①夏場の②からスタートしてオイルの塗布まで行う。
②オイルふき取りの乾拭きをせず少し放置(この間にボディやヘッドの普段弦が覆いかぶさっている個所などを磨く)。
③オイルの上塗りをして乾拭きはせずに再び放置(この間にブリッジやペグの埃をブラシで掃除)。
④3度目のオイル塗布をし、メンテナンス前に乾燥が気になっている状態なら乾拭きはせず弦を張って終了、そこまで乾燥している感じが無ければ乾拭きしてから弦を張って終了。

どんな季節でも一応オイルを塗布した後に乾拭きをしているので、件の「フレットに悪いぞ!だからオイルは使うなよ?」みたいな故障(?)にはなっていないのか、そのメーカーのギターじゃないからなのかはわかりませんが、私は基本的にこんな感じで塗装なし指板をメンテナンスしています。

・実際のメンテナンス方法~塗装あり指板~

今度は私の好きな塗装あり指板のメンテナンス方法です。

・四季を通して
①クリーナーで拭き上げ。
②乾拭きして弦を張って終了。
※ボディ・ヘッド・ペグ・ブリッジの掃除は別途やったりやらなかったりしますが、指板に限ったらここまでです。

以上ですwww
たまに指板(塗装)とフレットの隙間に汚れがたまってると感じたら、歯ブラシで磨く事もありますが、それも年数回ですので塗装なし指板に比べると実質メンテナンスフリーみたいなところはありますね!w

ここでしっかりと私の紹介している内容を注意深く読んでいる方ならお気付きかと思いますが、先述のクリーナー(トリック フレットボードクリーナー)は使用方法欄に「塗装面やクリアコートされた表面のケアにはTrickギターポリッシュをお使いください。」と記載されています。

TP11に比べるとちょっとお高いですし、塗装してない面に使っても問題ないなら塗装面にも問題ないだろうという事で、使い分けはしていません。

実際変色や塗装の剥がれなどの問題はありませんし、皮脂や手汗汚れはしっかりと落ちているので私はTP11さえあればいいかなと思ってますw

何ならここ最近見かけることの多くなった「アルコールスプレー」ですが、あれも手にかけすぎると油分が飛んでめちゃくちゃ乾燥するので「油分(油汚れ)落とし」という観点ではギターに使っても問題ないんじゃないでしょうかね?(心配なので塗装した面に限る)
※しかもアルコールって揮発性高いので「さっと拭き上げればもうサラサラ」って状態になりやすいしコレは人柱の予感…???

・最後に

足早に指板のメンテナンスについてご紹介しましたが、ネックも併せて書きたかったのですが、なかなかにいい文字数になったので明日はネックのメンテナンスをご紹介をしようと思いますので、明日の20時をお楽しみに!!

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※一応wixからくる通知はすぐ見れるように設定はしているのですが、まだちゃんと機能しているのか不明なため。

それと「こいつのレッスンだと不安だな…」とお考えの方は、小林信一さんが運営しているONLINE MUSIC DOJO内で、私も所属している全国ONLINE GUITAR LESSONには様々な先生がいらっしゃるので、気になる先生を探してみるのも良いかと思います。

2020年10月から、Twitterにてフレーズリレーという企画が開催されたので、「#MusicDOJO #ギター講師リレー #StayGuitarHome 」で検索していただけると各先生の特色が分かるかと思いますので、ぜひ一度検索してみて下さい!

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